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フランスごはん日記「タリアータに挑む。ご家庭で本場イタリアン・ステーキを作る、コツ」 Posted on 2024/10/17 辻 仁成 作家 パリ

先日、友人のイタリア人シェフ、エンリコさんの店に行き、美味しい肉のタリアータえお、食べた。
前菜に、今が旬のジロール茸のグリル(ニンニクとパセリ)も、一緒に!
これが、めっちゃ、美味しかったので、ぜひ、ご家庭でもやってもらいたいな、と思った父ちゃんなのであーる。
イタリア人は、食材を実に香ばしく、ソースでごまかさない、真正面からぶつかってくる、直球料理をやらかす。
まさに、このタリアータが、そうじゃ。
肉は、とにかく、グリルパンで、焼いて、表面をカリカリにし、中は、赤みを残して、ジューシーなのに、噛み応えあるカリっとした食感に仕上げる、天才なのであーる。
御覧いただきたい、前菜のジロール茸と、牛肉バベットのタリアータである。

フランスごはん日記「タリアータに挑む。ご家庭で本場イタリアン・ステーキを作る、コツ」

※ ジロール茸のグリル。にんにくとパセリで味付けされている。そして、下が、エンリコ作のタリアータじゃ!!!! 生唾もの。

フランスごはん日記「タリアータに挑む。ご家庭で本場イタリアン・ステーキを作る、コツ」



ということで、実はこのタリアータ、父ちゃんの得意料理の一つ。
エンリコさんにはかなわないが、今日は、タリアータの作り方をさらっと、お伝えしたい。笑。
ということで、今回は、フライパンではなく、グリルパンで作る。
網焼きの網目がつく。このグリルパンじゃないと美味しく出来ないから、要注意なのである。
まず、最初に、グリルパンを強火にかけ表面から煙が上がってくる位まで温める。
グルルパンをとにかく、熱する必要がある。
それが、唯一の、コツになる。
フライパンって、温まったらすぐに油を引いて肉を焼くけど、今回はそうじゃない!
グリルパンには油もひかないし、パンが熱くなるまで、注意しながら、強火にかけ続ける。
するとまもなく、煙がちょろちょろっと上がってくる。
こういう料理の時は、気を抜くなよ、強い火にかけるから、危険だからな。しっかり目視して注意深く火加減を見つめていくことだ。

室温に戻しておいた肉に塩胡椒をする。
グリルパンに油はひかず、肉を片面からしっかり焦げ目がつくまで焼く。
ダイナミックな料理だよ。焦げ目がついたら肉の角度を変え、格子状に柄がつくように焼く。パパはやたら肉の位置を動かすから、きれいな格子柄がつかないけど、気にしなくてもよい。グリルパンで焼くことが大事!
3~4分焼いたらまた別の面を同じように焼き、全体にしっかりと焼き色をつける。

フランスごはん日記「タリアータに挑む。ご家庭で本場イタリアン・ステーキを作る、コツ」

フランスごはん日記「タリアータに挑む。ご家庭で本場イタリアン・ステーキを作る、コツ」



肉の焼き具合を確かめるための方法がある。
いちいち切って、肉の火加減を確かめるわけにはいかないから、シェフたちがやって来た方法だ。親指と人差し指を合わせてOKサインを作ってみろ。
で、親指と人差し指の付け根の肉の付け根を押してみる。
自分の手の付け根を反対の手で揉んで弾力を確かめたら、その指で、今度はグリルパンの上の肉の中心を押してみる。
同じ弾力だったら、いい具合、ということになる。
火を止めよう。

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肉が焼けたらアルミホイルに包み15~20分ほど休ませる。

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食べる直前に薄く切り分ける。
この薄切りのことをイタリア語で、「タリアータ」という。
イタリアで結構分厚く切ってくるけど、タリアータと呼ばれる。
ま、食べやすいサイズに薄切りしたらいいよ。
好みのソースでいただく。※本場イタリアではルッコラとパルメザンチーズを散らし、塩とレモンで食べることが多い! 
ぼくは、フラー・ド・セル(塩の華)だけで食べる。これがうまいんだ!!!
ボナペティ!!!!

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