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フランスごはん日記「ブルターニュからパリに戻る道中、お、やばい、漏れる~からの大事故現場!」 Posted on 2024/10/16 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、早起きをして、ブルターニュからパリへ三四郎と愛車で戻った。
ラジオがあったので、どうしても、配信環境の整ったパリの事務所に戻らないとならないのだった。
ブルターニュは、ノルマンディよりも遠いので、読みを間違えてしまった。
読みとは、トイレタイム、のことだ。
フランスの高速は、時速130キロまで出せる。ほとんどの車が、130キロで飛ばしていくので、逆にのろのろ運転していると、あおられたりする・・・。
とはいえ、もともと、レーサーを夢見たことのある父ちゃん(嘘)、というか、無事故無違反の安全ドライバーなので(ほんと)、問題はない、はずであった。
ところが、どんなに優れたドライバーでも、出るものは出る。
出さないわけにもいかない、ことがある。
「うーん、次のサービスエリア(SA)で、おしっこ、しようかな」
と、思ったが、調子が良かったので、一つ、二つ、とSAを我慢して、いくつか、通過してしまった、父ちゃん。
だいたい、SAは20キロごとにあるので、15分くらい我慢すれば次に辿りつくことができる。
ところが・・・、限界が来た。
余裕をぶっこいていたが、さすがに、漏れそうになり、とある、SAに飛び込んだ。
「さんちゃん、ちょっと待っていてね」
ところが、ところがであーる。
なんと、なんと、そこのトイレが使えない、というのであーる・ぱっちーの。
「えええええ」
とのけぞる、父ちゃん。
「すいません。もう限界なんです」
清掃担当のマダムにお願いをしたが、
「あのね、配管工事中で、1時間くらい、使えないのよ」
というではないか、オーマイガッ!!!!!!
「次のサービスエリアに行ってください」
「そんな~」

フランスごはん日記「ブルターニュからパリに戻る道中、お、やばい、漏れる~からの大事故現場!」

フランスごはん日記「ブルターニュからパリに戻る道中、お、やばい、漏れる~からの大事故現場!」

※ しかも、こんなデザイン、残酷過ぎる!!!!

ということで、尿意をこらえながら、猛ダッシュで車に戻り、悩んでいる暇もないので、再び、高速へ。
130キロで、次のサービスエリアへと向かった~。
「うううううう」
とぼくが言うと、助手席の三四郎が、
「うううううう」
とまねした。
「ぶぶぶぶぶぶー」
盛れそうだ。
ところが、その途中で、大きな事故現場にぶつかってしまった。不意にWASEが「前方で事故。前方で事故」
と警告を発しはじめた。
「ぬァ二ーーーーーーー」
前が急につかえはじめた。マジかよ。漏らすぞ、こら。
三四郎と目が合った。漏らすぞ、こら!!!!!
「ううううううううう」
「ぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」
すぐそこが事故現場のようで、前を走る車が減速をしだし、ウインカーが点滅していた。
これ、マジで、やばい。
事故渋滞に挟まったら、もう、確実に漏れるわ。漏らすぞ、こら!
びしょびしょになるやん。
「うわあああああ、勘弁してくだせー。あああ、出ちゃう~」
すると、そのすぐ左側、4車線ある一番左端の車線に、こちら側を向いて車が停車し(わかります? 高速道路なのに、反対側を向いて停車した車一台ということ)、運転手とその奥さんのような人が、降りて、車から少し離れた場所で、電話をしている。
そして、一番右側の車線に、ぶつかった二台の車が停止、大破はしていないが、中で、運転手さんらが、電話をしている。
想像するに、最初に二台がぶつかり、後ろの車が慌ててハンドルを切って、左側のガードに体当たりして、一回転したに違いない!
事故はつい今しがた、まさに、ちょっと前に、起きたようだ。
WASEが教えてくれた。
WASEというのは、世界各国で使われているナビゲーターシステムのこと。
運転手たちが、その場で、「事故発生」とか「停止車両がここにいるよ」などと、最新情報を提供できる仕組みになっている。(使い方は簡単で、タッチパネルを右にスライドさせると、事故、警察、停止車両、霧、大雨、などのマークが出るので、押せばいいのだ。位置情報が衛星回線を通してセンターに伝えられ、AI(?)などが処理し、後続の車両にその情報を即座に伝達する)
たぶん、事故直後に、誰かが、通報したので、WASEシステムが教えてくれたのであろう。
「前方、事故、注意、右側車線、左側車線に停止車両あり」

フランスごはん日記「ブルターニュからパリに戻る道中、お、やばい、漏れる~からの大事故現場!」

一台が完全に反対方向を向いている大事故だったが、幸いなことに、けが人は見た感じいないようだった。
たぶん、もう30秒、早くその場についていたら、父ちゃん、巻き込まれていたかもしれない・・・。
そして、WASEが教えてくれたので、間の2車線を残りの車がすり抜け、渋滞になる前に、父ちゃんは事故現場から脱出することが出来たのだった。
ドライバーの方々が、電話で、警察などに通報をしている途中の生々しい現場だったが、倒れている人はいなかったし、火災も起きていなかったので、幸いであった。
でも、これが、警察車両の到着とぶつかった場合、ぼくは確実に、下半身が大惨事になっていた、であろう、・・・。
間一髪とは、このことである。
10分後、ぼくは辻のサービスエリアのトイレに飛び込み、
「ふーーーーーーーーーーーーー、あああああ、悶絶~」
と、なった。
あはは。
よかったよかった。
そして、生放送のラジオ・ツジビルにも、間に合うことが出来たのであーる。

フランスごはん日記「ブルターニュからパリに戻る道中、お、やばい、漏れる~からの大事故現場!」

※ もうすっきり。安堵しながら、おしゃべりをする父ちゃんなり。てへへ。

フランスごはん日記「ブルターニュからパリに戻る道中、お、やばい、漏れる~からの大事故現場!」

※ 「ぼくなんか、ずっと、車の中でさ」とサンシーは、やや不満。あはは。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
いろいろなことがありますから、長距離運転をされる際には、どうぞ、お手洗いを十分、してから、運転、お願いいたします。安全運転でまいりましょう。

お知らせは、ございません!

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