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フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」 Posted on 2024/10/09 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、フランスは寒くなってきた。
日本の気温、調べたら、19度だそうで、ちょっと落ち着いてきたかな・・・。
パリは雨で14度なのであーる。
昨夜、画廊の様子を見てから、ちょっとアトリエの物件を見に、ノルマンディの山奥まで、三四郎と行ってきた。
これからパリに戻るが、画廊に行けそうかどうか、わからない。
大きな仕事場がないと、たくさん絵を描かないとならないので、もう、パリの狭いアトリエ(足の踏み場がない)では狭すぎて、どうしようもないのだ。
海沿いがよかったけれど、海沿いは人気なので高く、「海を感じられる」範囲の山側の格安物件を探している。廃墟とかを、リフォームする方がお得く。
工場に使われていた物件が一つ出たので、これからチェックをしに行き、パリに戻るのだけど、昨夜は、友だちのカフェで、今が旬のキノコとチキンのクリーム煮込みを食べた。
パリはこの時期、様々なキノコが出回るので、美味しいんだよー。笑。

そういえば、これ、秋の献立にちょうどいいんじゃないかな、と思ったので、ちょっと古いレシピ帖を覗いて、よさそうなのを見つけたので、ご紹介したい。えへへ。
レシピブックというのが、パソコン内に、ある。メモみたいなものを、全部まとめているドキュメントボックス・・・、あはは。
ぜひ、やってみて、コーンスターチがあると、とろみが増して、美味しくなるよ。

フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」



まずは、
材料:
鶏むね肉2枚、玉ねぎ半個、キノコ好きなだけ(今回は、エリンギ2本、しめじ1パック、モリーユ茸10個くらい)、栗、10個くらい。オイルまたはバター大さじ半、白ワイン大さじ1(またはウイスキー大さじ1)、生クリーム80ml、チキンブイヨン半個、水50ml。コーンスターチ(なくても大丈夫だけれど)

添え物の、エクラゼ・ド・ポムドテール材料;
じゃがいも、300g。バター15g。

では、作ってみましょう。
まず、フライパンに油、またはバターをひいて、中火にかける。
いつものごとく、玉ねぎのみじん切りを炒める。玉ねぎは全ての料理の基本だから、丁寧に火を入れていくように。
で、透明になったら塩胡椒した鶏肉をここに加えて焼く。

フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」

フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」

フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」



焼き色がきれいについたら、そこにさらに、キノコや栗を加えて炒め合わせ、白ワイン(またはウイスキー)を加えてアルコール分を飛ばし、水とチキンブイヨンを加えてチキンに火が通るまで火を入れる。
チキンに火が通ったら生クリームを加え、弱火でクツクツと煮込んでいく。ちょっと気長に様子をみる。
適当なところで、コーンスターチ大さじ1を少量の水で溶いたものを加える。
そうすると、とろーりとしてくる。
とろみが出ると、触感が変わって、さらにぐんと美味しくなる。
全体に、火が通ったら、一度火を止め、蓋をして15分ほど置き、食べる直前に温め直し、塩胡椒で味を整えたら完成となる。

今日の付け合わせはエクラゼ・ド・ポムドテールにする。
エクラゼ(潰す)したポテトの方が、ピュレより簡単で、ダイナミックだ。
皮を剥いて適当な大きさに切ったじゃがいも300gを茹で、茹で上がったら水を切り、鍋にじゃがいもを戻してフォークで潰し、バター15gを加えて弱火にかけながらよく混ぜ、塩で味付けしたら、もう、完成。
フランス人が大好きなガルニチュールなのである。
※ じゃがいもの種類によってボソボソする場合があるので、生クリームや牛乳を少し加えて滑らかにしたらいい。

ということで、出来たエクラゼ・ド・ポムドテールを皿に盛り、その周りに温め直したチキンとキノコのクリームソースをかけてやると、父ちゃんが暮らしているノルマンディ地方の郷土料理が完成となる。

フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」



フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
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フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」

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フランスごはん日記「とんぼ帰りで物件見に行ったノルマンディで、身体温まるチキン・クリーム煮」

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