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フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」 Posted on 2024/10/04 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、個展開催前日の内覧会、ベルニサージュにフランス芸術界の巨匠たち集結し、なんだかしらないけれど、父ちゃん、いっぱい、褒められた。
ついでに、誕生日を画廊で迎えられ、めっちゃ、天国!
しかも、なかなか絵を買わないフランスで、大切な子供たちを受け取ってもらえた。
なんとも、感無量な夜だった。
こんなことで、浮かれていいのか、と思いながら、ここまで頑張った自分を、65歳になった自分がほめてあげたのであった。
父ちゃんの歴史上、初の欧州フランスでの初個展、今日は第一報を写真で、お届けしたい。あはは。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

出た、ナルシストの父ちゃん、絶好調やね。さ、行くぞ、今日はベルニサージュじゃ!!!!!! 画廊に行くと、ガラスに、おおおお、名前が!!!!

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」



個展が始まる前に、画廊側が関係者を集めてお披露目をすることを、日本では「内覧会」と呼び、フランスでは「ベルニサージュ」という。
違いは、ぼくにはよくわからないが、ぼくが経験した日本の内覧会は、画廊のコレクターの方へ向けたお披露目会のような感じで、フランスのベルニサージュは、カクテルパーティのような感じのフランクなお披露目、かな、と思った。すいません。違ったら、新人なので、許してください。
フランスでは絵は売れない、とキュレーターの人が言っていたが、出だしは好調であった。
ぼく的には、絵が売れることより、誰がそれを評価してくれるか、が一番大事なことだった。
とにかく、フランス芸術界を代表する芸術家たちが、一同に会して、父ちゃん的には、おーまいがっとなった、のだった。
しかも、お世辞を言わないフランス人が、とにかく、最上級に褒めてくれて、もしかしたらぼくはフランス語を誤解しているのか、と思ったほどだった。あはは。
ま、よかったよ、けなされなくて。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

こちらは、ぼくの親友のベストセラー作家のリシャール・コラスさん(日本でも「遥かなる航跡」が出ています)。彼が本当にぼくの作品や活動を愛してくれたことが、心底、嬉しかった。目利きという人間はいる。ものごとを見抜ける力のある人、リシャールが、もしも、ぼくの作品に、首を左右にふったら、間違いなく、落ち込んでいたと思う。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

建築家で、彫刻家、90歳の現役フルメタルアーティストのモーリス・マーティさん。彼はあのサルバドール・ダリとも共同創作をした人物で、生きるフランスの歴史のような、ぎらんぎらんした、心から尊敬しているアーティストだ!
90代で、この容姿、マジ、すごすぎる!!! 彼の作品は、メタルで、作られたインテリアなんだけれど、圧倒されます。



フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

その、マーティは(芳名帳に)ぼくの似顔絵を描いているのであーる・ぬーぼー。
「辻、動くな、今、お前を描いている」
と言われ、いきなり、モデルになった、父ちゃんであった。すごい絵がその瞬間、誕生した。ぼくの宝物だ。周囲の人たちが、マーティが描いたぼくの絵、が人々をうならせた。一つ思ったのは、フランスのアーティストたち、一切、裏がない。みんなでアートを祝う、素晴らしい関係が一瞬で生まれるところは、音楽に似ていた。マジ、最高だったよ。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

この人はすごい。デザイナーのエルヴェ・ヴァン・デル・シュトラエテンさん。エリゼ級の大統領室にある照明は、エルベの作品。ジュエリー、金メッキブロンズの装飾品、家具などの創作で有名だ。一度、彼の家に招かれたが、マレ地区のど真ん中にある、お城のような家であった。は~、世界が違い過ぎる。時空を超えるような創作者だ。
「辻の世界は、まず、第一印象があって、で、一歩近づくとまた、違うものが見えて、さらに一歩近づくと、また違う世界が見える。それが、とても繊細で、ぼくの心をひきずった」
と、評してくれた。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

右の男性は、アントニ・タウレさん。スペイン、バルセロナ出身の画家、写真家、舞台芸術家で、日本の「美術手帳」などで紹介されている。フランス芸術勲章も持っているが、彼の作品は、ぼくのハートを射抜いた。何かが、起こった後の光景を作品にしていてる物語性が、ぼくの意識と響き合うものがあるのだ。その偉大なタウレさんに、めっちゃ、褒められて、マジかよ、と思った、父ちゃんだった。穴があったら入りたい、と思ったくらいに、えへへ、うれぴー。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

20年前に一度、お会いしたことのある、写真家のアントワンヌ・プぺルさん。湿度のある、濃厚な写真を撮る人で、日動画廊でも個展を開催していた。この人も、何か、じわじわと洞察していく、深みのある芸術家。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

作家で、お医者さんのイブさん。腱鞘炎について、相談をした。あはは。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

南米出身のアーティスト、ミゲル・ブランダリスさん。ぼくの絵の前から、一時間、動かなかった。それで、人々がささやいていた。あれは、何ものか、と。
「この絵は、見る角度で、全部違うものが見える。角度を変えるだけで、こんなに世界観の異なる絵は、見たことがない」



フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

あれ、この美人、誰でしたっけ??? おおおお、ぼくの友人のセレブ、マダム・バルトだ!!!

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

あれ、このおやじ、見たことある、誰だっけ????? 
あはは。辻の横に必ずおる、高知の仙人、野本が、ベルニサージュ、一番でやって来て、ついに、絵を買って帰りました。やっぱ、嬉しいな。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

めっちゃ、かわいいブルドッグもやってくる、父ちゃんの個展!ってか、フランスの画廊って、犬も入れます。

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

今回の個展を仕切った、CNRSの美術史家、フローリアン・メトラルさん。彼はフランスの国立科学芸術センターの教授で、ぼくの作品をフランスで広めた人である。身長、2メートル!!!! 父ちゃん、ちっちぇー。あはは。



フランスごはん日記「フランス初個展の内覧会、フランスの巨匠たちが集結、祝、大成功」

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
なんか、フランスでどう受け止められるのか、不安で、心配でしたが、とにかく、思わず大反響で、変な話し、根拠の無い自信が出ました。フランスでも、やっていけそうですね。今回は、腱鞘炎になるくらい、頑張ったので、きっと成果が出るでしょう。
ということで、5日、日本時間22時、ラジオ・ツジビルで今回の個展について、語るよーーーーーーー。ご視聴ご希望の皆さん、下のTSUJIVILLEのバナーをクリック、してみてください。☜これは宣伝なので、無視で、オッケー。

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