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カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」 Posted on 2025/02/18 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、母さんと電話で話をしたのだ。
「母さん、夏に温泉予約したからね、恒久と三人で行けるから、それまでは、元気で頑張ってよ」
「そうね、そうね、おにちゃん、ありがとう」
90歳になろうかという母さんの声を聴いて、安心をしたのだった。
息子のこと、母親のこと、家族のことを考えない日はないね。
でも、そのためには、まず、自分が頑張らなきゃって、思う。
「ひとなり、おまえも、無理せんと、美味しいものを食べなさいね。人生はいろいろとあるとやけん、それを上手に乗り越えていかんとならん」
「うん」
「大丈夫、ご先祖様を信じなさい」
ということで、電話で母親の声を聞いたら安心をした。ご先祖様、ありがとうございます!
国際空輸で、次の個展の作品が現在行方不明中、気を揉む、毎日なのだったが、(つい、先ほど)、AI情報を確認した仲介画廊のNさんから、荷物が東京にある、らしいという情報が飛び込んできた。
えええええええ!
ま、マジですか・・・。神様・・・。
まだ、安心はできないが、うちの事務所のスタッフらも、たしかな筋(フェデックス・パリ)から、どうやら、荷物の一部が江東区を彷徨っている、という情報をゲットした、らしい。
江東区!!!!
こーとーくーーーーー。
ど真ん中、じゃん。
明日には、わかる、ということで、やや光が見えてきた、ところなのであーる。

安心したら、腹が減って来た・・・。
まずは、父ちゃんも、食べて、元気にならないわけにはいかない!!!
ということで、今日、みなさんに、ご紹介するのは、ローマ名物の「カチヨ・エ・ペペ」というパスタなのだ。
カルボナーラとよく比較されるが、卵が入ってない、カルボナーラ(あはは)みたいなパスタだけれど、これがね、カルボナーラに負けないくらい、美味い。侮れない。
シンプル伊豆ベスト諸島なのであーる。

主な材料はこちら!!!
パスタ
パルメジャーノチーズ
ペコリーノチーズ
黒胡椒(白も!)
オリーブオイル
塩(あら塩のようなものがいいね)
でも、ようは、チーズと胡椒だけ。

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

※ こちらがパルメジャーノチーズとペコリーノチーズ。ま、3人分、パスタは、200gくらいかな、で、パルメジャーノが50g、ペコリーノは25gくらい。ペコリーノチーズはちょっと乳臭いので、そういうのが苦手な人は、パルメザンチーズだけでいいです。



カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

黒胡椒をじゃりじゃりとひいて、フライパンで、炒る。
香りが、キッチン中に溢れたら、オッケーだよー。
黒胡椒を炒るのが、コツの一つ!
ひゃああ、たまらない。(ぼくはここに白胡椒もちょっと足します。ルール違反ですが、美味しいです)
これは、絶対に、うまい予感がする。

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

で、コツの二つ目は、ローマ人から教わったのだけれど、ロベールト!
茹でる水を少な目にする。ええええ、なんで?
そうすることでパスタのゆで汁がやや濃厚になるのだ。乳化によい。
塩も、ぼくは多めにいれる。(皆さんは、味見をしてね。しょっぱいけれど、濃くが感じられるくらいがベスト。これで、乳化がすすむ)

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

で、パルメザンチーズとペコリーノチーズと炒った黒胡椒をボウルにいれて、ゆで汁、をお玉、2杯くらい、いれるんだけれど、ゆで汁が熱すぎるとダマになりやすいので、ちょっと冷ますのだけれど、そうこうしているうちにパスタが茹で上がるので、ここは時間との闘いになる。
今日はゆで時間、10分程度のバリラの7番を使う。太い麺がいい。7番、最高
最初のひと玉は、茹でて5分くらいで、一度ボウルに入れて冷ましつつ、7分くらいのところで、もう一杯をボウルにいれて、やや冷ます。けれど、冷えるまでは、無理。粗熱がとれるといいかな、くらい。落ち着かせたところで、素早く、チーズと黒胡椒のボウルにうつし、高速で混ぜる。
そうこうすると、パスタのアルデンテの時間になるので、こちらも一度、湯切りをしてから、ボウルに投入し、混ぜる。
この辺ね、ぎりぎりかな、と思うんだけれど、やるしかないね。最初はダマになっても気にしないでいいよ。何事も、慣れだから・・・。

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

最初の段階がこんな感じ。乳化がすすみます。これは、絶対にうまい、予感しかない!

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

パスタ茹で上がる直前がこんな。乳化乳化~。

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

で、そこに茹で上がったパスタをいれて、追いパルメジャーノチーズ、をかける。高速であえましょう。ここで、オリーブオイルをいれて、まろやかさを加えるのだ。



はい、お皿にもり、オリーブオイルを回し掛けして、追いパルメジャーノチーズ、追い黒胡椒、で完成となります。黒胡椒が決めて。
カルボナーラのうまさとは、異なるが、おお、なんか、ローマ人がすきそうな同じような素晴らしいパスタじゃ、あーりませんかー。
カチヨがチーズ。ペペが胡椒。
たまらない。
カルボナーラよりはシンプルで、気負わずに作れるから、いいね。
いくらでも食べられる予感。
ボナペティ!!!

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」



つづく

今日も読んでくれてありがとうございます。
時間との闘いだけれど、慣れると、もう、これ以上のものはないくらい、生活に美味しいが降臨しますから、やってみてね。
明日の朗報を待ちながら・・・。また、明日!

カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

ここのところ、藤田嗣治先生を真似て、メガネ男子(爺さん)に! えへへ。(ただの老眼鏡なのだが・・・)
抱えているのは、台湾で好評を博した、台湾版「白仏」なり。えいえいおー。



カルボナーラより手早くできる、ローマ名物、かっちょええパパじゃなく、カチヨ・エ・ペペ!」

※ エッセイ集「犬と生きる」見本が出来たようで、まずは、福岡の事務所に届いた。母さんに、一冊、恒久に一冊!!! 27日、発売です。さんちゃんの永久本じゃ。

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