JINSEI STORIES

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」 Posted on 2024/09/26 辻 仁成 作家 パリ

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」

某月某日、昨夜は、コルシカ島でライブができたので、まずは、ご報告。でも、やはり、腕がかなり痛く、地元の方が来てくださったが、残念なことに、楽しむことが出来なかった。ううう。
それと、そこに、強い霊がいて、霊感というか、いろいろと感じるタイプなので、その悲しみを受けて、ずっと、夜空を見上げて、その方々と、やりとりをしていた。
ライブのあと、地元スタッフを呼び止め、ここは、昔、どういう場所でしたか、と聞いたところ、中世の時期に、ペストが大流行をして、ここが隔離施設になっていたのだ、とか・・・。
あああ、
なるほど。
しかも、ホテルに戻って腕と肩の痛みが増して、一睡もできずに、朝を迎えた。いろいろな幻影を見た。
これから、塩で、清めるところ・・・。
さて、ライブのあと、中心部の地元コルシカ料理の店にいき、イタリア発祥のポルペットを食べた。肉団子がのったミートソースのパスタである。
それがおいしかったので、今日は、みなさんに、少し前のレシピを取り出し、その作り方をお教えしたい!!
怖い話から、美味しい話へと、えへへ!!! 笑。

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」

※ こちらが、ポルペットである。小さいのをポルペッティという。目安レシピは、ポルペッティに、ついてです。



まずは、材料から、
材料(四人分)
牛豚合い挽き肉500g、
ニンニク3個、
アンチョビ二ひれ、
卵一個、
玉ねぎ二個、
トマトホール缶詰一個800g、
牛乳少々、
食パン二枚、
白ワイン100g程度、
パルメジャーノチーズ適宜、
塩胡椒、
オリーブオイル、
ビーフブイヨン一個、
醤油、笑。
生クリーム大匙3、お好きなパスタ。 

ポルペッティ作りのコツは、まず、煮込み方になる。
誰が発明したのか分からないのだけど、肉の煮込みなどは、煮込めば煮込むほどに美味しくなるから、頑張ろうという気持ちになる。
硬い肉でも適切な煮込み時間を与えてやることで、トロトロになる。
不思議だけど、7時間を必要とする肉、3時間半かかる肉、30分でいい肉など、人によって説得する時間や労力が違うように、まさに相手が人間だと思えばよくわかるね。
でも、説得され、納得した人たちとの和解というのは素晴らしい。
煮込み料理はまさに人間関係に似ている。

最初にやらなければならないのは、やっぱり玉ねぎなのである。
どの料理もこの玉ねぎが重要なつなぎ役になる。
しかし、本物のポルペッティは玉ねぎを使わないのである。
なんで父ちゃんが玉ねぎを入れるのか、というと、入れると、柔らかくなるし、ちょっと甘味の風味が出るんだ。
イタリアで食べるミートボールはちょっと硬いんだよね。
弾力がポルペッティの命だから、ポルペッティを追求したい場合は、玉ねぎなしで、でもね、これが、やっぱ、玉ねぎがちょっと入ると美味しくなるんだ。
なので、コルシカで食べたポルペットより、ぼくのは柔らかい、つまり、父ちゃん風、ポルペッティ、ね。
で、
いつものようにみじん切りにした玉ねぎを色づくまで炒める。
飴色になるように・・・。

ボウルに牛豚合い挽き肉、卵、牛乳に浸した食パン、あめ色の玉ねぎを塩胡椒してから手で混ぜ合わせ、肉団子を作っていく。
素早く、やるのがいい。

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」



そしたら、小さなボールにする。
手毬のおにぎりを作るような感じで、ころころ。ころころって、素早くだ。
そしたら、かるく小麦粉を叩いておく。
だいたい20個から30個くらいできるかな。
好きな大きさにしていいけど、あんまり小さすぎると味や風味がボール内で回らないから、手の中に心地よくおさまるサイズで、けっこうである。
それから、鍋に多めのオリーブ油を引いて、刻んだニンニクとアンチョビを入れる。
スペイン料理のアヒージョだね、まさに。
ちょっと多めのオイルをひいて、アヒージョにする感じ。
弱火でまず香りを移す。
アンチョビは熱で自然に溶けていくから、菜箸でちょんちょんってやってれば融けていくのであーる。

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」



いい具合になったら、中火にして、肉団子を一つ一つ転がしながら入れていく。
全面に焼き色を付けたら、白ワインを回し掛けする。
続いてホールトマトを投入し、ビーフブイヨンを溶いた水をひたひたになるまで加え、醤油はお好みでちらっと、それで味を調えてから、弱火で40分程度煮込めがよい。
生クリームでちょっとお化粧のし直しだ。リコッタチーズでもいい。そうするともうちょっとまろやかになり、風味が増す。
この40分がとっても大事だよ。
煮込んでいる間に味が染みて回って美味しくなっていく。
ほだされた肉が納得し、和解し、なじんでいく。
人生と一緒なんだよ。
途中、肉団子が壊れないように優しく木べらなどで具材を回しソースが馴染むようにしたらいい。
茹でたパスタに煮込みハンバーグを添え、パルメジャーノチーズを振りかけたら、完成であーる。
ポルペッティのパスタであーる!!!!!!
美味しいよ。やってみてね。

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」



自分流×帝京大学

フランスごはん日記「人生を煮込む、イタリア風ミートボール、ポルペッティ」

つづく。

次のラジオの生放送は、10月5日になります。ご視聴ご希望の皆さんは、下のTSUJIVILLEのバナーをクリックしてみてくださいね。めるしー。

TSUJI VILLE