JINSEI STORIES
フランスごはん日記「コルシカに行く準備をしはじめたら、三四郎が、連れてって、と実力行使に」 Posted on 2024/09/24 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、いよいよコルシカ島へ行く。ところが、荷物をまとめていると、三四郎がトランクの中に入って、そこから梃子でも動かない感じになった。
「三四郎、何やってんの?」
「でにゃい」
「でにゃい、じゃないだろ。パパは仕事なんだ」
「でにゃいわん♪」
ということで、面白いから、しらばく放置して、絵を描いて一時間くらいして、戻ったら、まだ、中にいた。
「でにゃい」
やれやれ。
仕方がないので、抱きかかえ、外に引っ張り出した。
一緒に行きたいのだ、と思った。
いつも、このトランクに荷物を詰め込み始めると、長旅に出る、それが、わかるのだ。おおお、賢いのー。
「でも、連れていけないからね」
しばらく、ボールで遊んであげることにした。
このあと、ジュリアのところに一週間ほど、預けることになるのだ。
明日が、ほんとうの誕生日なのに、すまない。
昼飯は、冷蔵庫の中のものを処理する昼ごはんにした。
昨日作ったミネストローネもあり、豆腐もあったので、みそ汁が飲みたいから、豆腐の味噌汁にした。あはは、スープ二種となっちまった。
豚肉は一昨日買って味噌漬けにしておいたので、それを、焼いた。
パセリがあまりに美味しそうで、買ったはいいが、食べないと腐ってしまうので、オリーブオイルでサラダにした。
玄米のごはんは、冷凍庫にあった。
ついでに、納豆。いつのか、わからないけれど・・・。
時々、こうやって、残り物を処理していかないと、いつのかわからない食材があふれかえることになる。
ま、これも、フランスごはん、と言えるでしょう。
でも、最高に美味しかった。
玄米は大好物だし、豚の味噌漬けは、最高だった。ジップロックに味噌と酒とみりん、砂糖をいれて、あと、適当に、塩昆布とかね、空気を抜いてほったらかしておくと、味が染みて、最高にうまくなるのであーる。
卵は、先日のフィユッテ・ド・ジャンボンに照りを出すために使った卵の残りをとっておいたので、それにダシとか醤油で味付けし、卵焼きにしたのだが、ひゃあ、美味かった。
ま、残り物の醍醐味である。
いいね、いい生活だ。
美味しいが、明日の健康を作るよね。
そして、夕方、三四郎をジュリアの家まで送ることに・・・。
行きたくない、という感じで、抵抗をした三四郎だったが、若くてかわいいジュリアに会ったとたん、尻尾をふって、うれしょん♪
もう、ぼくのことなど、次の瞬間に忘れてしまう、あはは。
それを遠くからずっと見守っている、父ちゃん。
ジュリアに抱えられた三四郎が幸福そうに家の中に消えるのを、父ちゃんは玄関から、じっと、見送る、いつものお別れ~。
三四郎のしっぽが左右に激しく動いていたので、ま、一安心、であった。
車に戻り、携帯を取り出し、トランクの中で、「行かないで」と訴えるさんちゃんの写真ともう一度、ご対面。
「じゃあ、行ってきます」
とお別れした、父ちゃんでありました。
はい、じゃあ、コルシカへ、いざ、出発~。熱血~。
※ 次第に、抵抗が激しくなっていった。・・・やれやれ。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
ともかく、かわいい、さんちゃんです。上の写真は、出しても出しても、やだ、でにゃい、と戻って来て、荷造りの邪魔をする三四郎の図になります。ぐすん。かわいすぎるわん♪
ということで、コルシカのフェスは、25日、ライブ、26日は、文学シンポジウムが予定されています。これ以上の情報はありません。直接、フェス実行委員会にお問い合わせください。というのも、島の方々だから、連絡が頻繁にできていません。
☟
https://isulimondi.com/accueil/spectacles-vivants/
Mercredi 25 septembre à 21h00 (entrée : 10 €)
CONCERT Hitonari TSUJI – HIDE
&
https://isulimondi.com/accueil/rencontres-litteraires/
Jeudi 26 septembre, de 18h30 à 19h45
RENCONTRE LITTERAIRE avec Hitonari TSUJI
そして、次のラジオは、10月5日の22時からになります。TSUJIVILLEのバナーをクリックしてみてください。
※ 針のおかげで、たぶん、いいライブになるよー。