JINSEI STORIES
リサイクル日記「あの時期、ぼくが息子に毎日作っていた料理の紙上写真展」 Posted on 2023/05/10 辻 仁成 作家 パリ
※ この日記はフランスがロックダウンの最中に、書かれたものですが、その時期、ぼくが毎日、息子と自分のために作っていた家飯の写真をご覧ください。笑。これを見ると、どんなことでも乗り越えられると思うことが出来ます。家から出られなくても、二人は美味しいことで、幸せ、でした。
某月某日、ロックダウンという名の幽閉生活の2か月間、ぼくと息子は家からほとんど出ずに、(息子は本当に出なかった)、お家時間を過ごしてきた。
そのおかげでコロナにも罹らずなんとか無事に過ごすことが出来たのだ。家に籠ったぼくらを支えたのは「美味しいロックダウン飯」であった。
さて、今日は、昨日のロックダウンデザートに引き続き、この二か月間の辻家の食卓を彩り続けてきた美味しい辻家のロックダウン飯を展示したい。30食を選抜してみた。
プチポワ(グリーンピース)のスープ。
八百屋でクマニラを見つけて豚ニラ炒め。豆ご飯と豚汁も付いてマス。
鶏肉のフリッターとお蕎麦。
息子作、バターチキンマサラ。
酢味噌があったことを思い出したので、タコと分葱のぬた。
タコとブロッコリーのニンニク炒め。
豚ひき肉の汁なし辛味噌麺。
月見そば。
焼豚。
辻家の絶品ミネストローネ。
冷やし中華、はじめました。
手羽先甘辛揚げ、牛肉のベトナム風サラダ、セロリとにんじんの金平、おにぎり。
ビフテキ丼。
本格トンポーロー、東坡肉。笑。
大阪の味、お好み焼き。
トマトとサルシッチャのパスタ。
納豆とオクラのネバネバそば。
巻き寿司いっぱい。
懐かしの洋食屋さんをイメージしたカツカレー。
のり弁スペシャル。
ちらし寿司。
ルッコラは茹で、トマトは湯むきでコロナ対策ばっちりのモツァレラトマトとルッコラ。
サーモンのマフィン、オランデーズソース。
坦々麺。パスタを重曹入りのお湯で茹でると中華麺っぽくなる。
トマトパスタとチキンのソテー。
カレーうどん、筑前煮、おにぎり。最高。
ひとなり特製、クラブサンド。
ローストチキン。いゃ〜ん。
サフランをたっぷり使ったキャビヨー(たら)のクスクス。
サルシッチャと玉ねぎのピッツァ。
煮込みハンバーグと茹でホワイトアスパラ、茹でブロッコリーに豆ご飯。
クリチー・スモークサーモンと生ハムきゅうりのオープンサンド。日本風のポテトサラダと。
いやいや、よくもまぁ、作ったものである。結局、美味しい料理を作ることはコロナに罹らないための自衛措置でもあるのだ。
中ほどにあるマサラカレーは息子作である。息子は料理を通して、生きることの可能性を発見していた。さらに、こうやって親子の絆は強くなった。ロックダウンを二か月乗り越えること出来て、ぼくらはこの時代を生き抜く自信を持つこともできた。これからも家ご飯を充実させて、感染しないように頑張っていきたい。
※ お知らせです。
6月18日に、パリの右岸地区、多分、ルーブル美術館周辺から、左岸へとセーヌ川を渡り、サンジェルマン・デ・プレ界隈を散歩するオンラインツアーを開催いたします。ご興味ある皆さんは、下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてくださいね。