某月某日、朝の散歩時に、三四郎が交差点の電柱におしっこをしていたら、その角地の建物管理人らしき人が、
「私が掃除したばかりだから、そこで犬におしっこさせるな」
と言った。
もうしわけないが、その角の電柱は、彼らの敷地ではないし、水撒きをしているところに、わざわざおしっこをさせるようなことはしない。
「悪かったね、でも、そこはお宅の管理地じゃないですよね。ここの掃除はあなたしないでしょ？」
と言ったら、背中を向けるなり、中国人め、と吐き捨てた。
このアジア人蔑視、かちんと来たが、顔には出さず、ぼくは仏語で、
「公道なのだから、この犬がしたい場所でおしっこをさせます。ちゃんとうんち袋も持っている。しかも、あなたの発言は人間として、まちがえているよ」
と袋を見せて抗議しておいた。
もちろん、そのマダムは、言い捨てたら逃げるように戻っていった。
掃除をしている人の気持ちもよくわかる。
フランス人の多くは（この辺に住む、外国人も含め）たしかに、犬を飼う人達のマナーはかなり、悪い。
犬がうんちをしても、それを拾って捨てるのは、ごく一部の人たちだからだ。
それも、大型犬のうんちを拾う人がすくないので、とばっちりを、父ちゃんのような真面目な（？）人間が受けることになる。
ぼくは１００％、片づけている。忘れたら、うんち袋をとりに帰る。実際、今日はそれに気が付いて、一度、とりに帰ったのだ。
だから、この人に文句を言われる筋合いはないし、すくなくとも、三四郎がおしっこをしたのは、彼女が管理をする建物の敷地から遠く、交差点のゴミ箱の横！
この人の言い方は完全によくない！！！
つまり、腹いせ、なのである。
なので、彼女はもやもやを、ぼくにぶつけた。
ロン毛のアジア人に！！！！　ぷんぷん。
あはは。
でも、父ちゃんは魂のレベルがこの人とは違うので、これ以上この人には、文句は言わないことにした。さんしー、帰ろう。
こういうことが積み重なって、世界は戦争になっている。

息子が遊びに来るので、肉屋に行った。
肉屋で売っている牛肉のブロシェットがよくマリネされており、美味しいのだが、今日は売ってなかった。
そこで、さがり肉（オングレ）を買い、自分でマリネをして、作ることにした。
さて、材料から・・・。
下がり肉、食べたい分量、今日は１５０ｇにした。
で、マリネ・ダレのレシピだが、
ミョクナム、大匙３
レモン、大匙１
水、大匙２
ごま油、大匙２
砂糖、小さじ１
レモングラス、乾燥の大匙１
これを混ぜて、肉を漬け込むのだ。

食べやすいサイズにカットし、一時間、タレに漬け、マリネしたものを串に刺し、グリルパンで焼くだけで、美味しい牛肉のブロシェットが完成となる。
今日はタイ米を炊いた！　いいねー。
やってきた、息子君、太っていた。
「あら、太ったね」
「うん、夏休み、たくさん、食べたから」
あはは、なごんだ。

朝に、嫌な思いをしても、そういうものは引きずらない方がいい。
もうしわけないが、あんたの不機嫌につきあっている暇はない、ということを自分に言い聞かせ、おしまい。一生関わらない人に怒っても意味がない。
あの人もいつもどこかの犬のふんで頭にきている、考えたら気の毒だ。本当は金持ちの白人に文句を言いたいのだけれど、言えないことで、苦しんでいる。
「へー、そんなことがあったんだ。でも、そういう人もいるよ」と息子。
「だな」とその父。
「世の中って、ぎすぎすしたくなるようにできているけれど、そこでぎすぎすしたら、巻き込まれるから関わらない方がいいんだ」
「その通り」
「ぼくも最近、ちょっと天狗になっている友だちから離れた」
「へー、なんで？」
「バンドを解散したんだ。その子が、道を踏み外しているから、忠告をしたんだよ。でも、それは彼が自分で気づくしかない。その道連れになるのはよくないから、正式に解散をしたのさ。音楽は、楽しむためのもので、揉めるためのものじゃないから」
「いいね。その通りだ。さ、食おう」
「うん、うまそうだ」
「うまいよ。でも、君は太ったから、気を付けたまえ」
あはは

※　串に刺した方が、表面が均一に焦げ目ができます。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
不愉快なことをされたら、威厳と誇りを持って、言うべきときは、あなたはまちがえているよ、としっかり言い返し、すっきりしてください。このご時世、どこの世界でもありえますから、要注意ですぞ。

はい、とくに急ぎのお知らせはありません。
１０月４日から、パリで、個展がスタートすることと、９月２２日にラジオ・ツジビル生放送が２２時からあるよ、くらいで、いつもと変わり映えしませんが、ラジオ、よければ、聞いてくださいね。下のＵＲＬをクリックで！　えへへ。