JINSEI STORIES

変なパリ、奇妙なパリ、でも楽しいパリで、不思議なものたちとたくさん出会いました Posted on 2025/02/16 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ボンマルシェデパートのトイレで手を洗っていたら、入って来たおじさんが、ぼくを見るなり、あ、間違えました、と言って出ていったのだけれど、そこが男性トイレだと確認し、もう一度、戻って来て、
「あの、ここ、男子トイレですよね?」
と言うので、
「はい、i have it」
と英語で返した、父ちゃん、であった。
おじさん、ああ、そうなんだ、という顔をして、この話は終わった。
最近は、電車に乗ると、若い男性が、さっと立ち上がって、マダム、どうぞ、とやるんだけれど、どうしたものかね。
もしかすると、おばあちゃんに、思われているのかしら、と気力を失う、父ちゃんなのだった。
ええかげんにせーよ。

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この車は、最近、フランス国内で、がんがん、走っている超小型車だけれど、免許証がいらない。
チャールズの娘さんは、14歳だけれど、この車に乗って学校に通っている。
14歳から、乗ることが出来る。
公道を走ることが出来るのだけれど、運転手側からすると、結構、怖い。
ぶつかれば、相手の命にかかわるくらい、プラスティックっぽい車体なので・・・。
フランスって、不思議な国である。

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ボンマルシェの2階か、3階の催し物コーナーに巨大な黒板が出現し、みんな、お絵描きをやっていたので、父ちゃんもチョークを掴んで、絵を描いた。
こういう空間、楽しいね。

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父ちゃん画伯が描いた、変身をした三四郎、という作品であーる。



作家でアーティストの赤瀬川源平さんが、生前、提唱していた「トマソン」という不思議な世界がある。
それはかつて、用途があったが、時代の流れの中で取り残され、今や無用の長物、となったもののことを指すのだ。
かつて、窓だったが、もう、閉じられている窓、とか。ドア、とか、そういうもの。
参考に、御覧いただきたいが、この写真、階段があるけれど、あがると、壁になっていて、かつてはドアがあったのだろうけれど、今は封鎖されて壁になっている。
だから、階段をあがっても、降りるしかない。(犬のふんが散乱していた)
こういうのを赤瀬川さんが「トマソン」と名付けて、これを探すトマソンファンが急増した時期があった。
シルバンは、これをフランスに紹介しているのだけれど、彼が京都で見つけたトマソンを、ベルギーのブリュッセルの画廊で発表している、らしいのだ。
その帰り道に、パリで落ち合った。

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フランスにトマソンを広める男、シルバン・カルドネル。横のお嬢さんはルルちゃん。たぶん、将来、ぼくのお手伝いもやってくれるでしょう。演出家志望の学生さん。

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で、ぼくらは、友だちのタイ料理屋に行ったのだけど、そこで、ルルが注文をした。プリン(タイのフラン)のデザート、なんと、下に、もち米が敷き詰められている。
プリン+もち米、というとんでもないデザートなのだったが、こういうものも、パリの面白い一面なのである。
あのね、卵焼きが載ったごはん、という味わいで、醤油が、ほしかった。デザートとは思えない、世界観に、世界の広さを味わった父ちゃんでありました。



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で、そういえば、三四郎とエッフェル塔に行ったら、街路樹がこうなっていて、ピカソかダリがやらかしたかな、と思ったのだけれど、毎年、真剣にこうやって、枝をアートにしているフランスって、やっぱり、マジで、面白くない?
いいんだけれど、日本庭園の几帳面さはなく、どっか、アブストラクト!
「なんで?」
と思わせることがすでにアートの入り口だったりするんかな。
うんうん。

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それから、バレンタインデーでしたが、父ちゃんは、自分で、メゾンドショコラのこのケーキを買って食べました。(これでも若い頃は、チョコ貰ったりしていたんですが、笑、30年くらい前から、ゼロです)
とまれ、これが、世界で、一番美味しかった。パリ在住の皆さん、お試しください。
さて、パリは、不思議がいっぱい、という今日の日記でした。
明日、ノルマンディに帰ります。

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つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
まだ、ぼくの紛失中の油絵14点は行方不明のままです。連絡もできないので、しても、相手はAIだから、話にならないのです。2月4日に、パリを出てとっくに日本に到着しているはずの、作品たち、今、どこで寂しい思いをしているのか、と思うと、胸が痛みますね。一日も早く発見してもらいたいものです。

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