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滞仏日記「病院に行ったら、やはり、急性気管支炎だと、言われました」 Posted on 2024/08/29 辻 仁成 作家 パリ

滞仏日記「病院に行ったら、やはり、急性気管支炎だと、言われました」

※ パラリンピックの開会式が、コンコルド広場で行われた。日本選手団の入場を、テレビでみました。ふぁいと!

某月某日、日本から、台風のニュース、フランスでも大きなニュースになっている。
九州直撃というので、弟とは連絡をとりあっている。最大級の台風ということで、心配である。(とにかく、みなさん、命を守る行動を!)

さて、個人的なことだが、やはり、咳がとまらず、パリの耳鼻咽喉科へと向かった。
いったい、何往復しているのか、と自分でも呆れるほど、ノルマンディとパリを行き来している、父ちゃんと三四郎なのだったが、コルシカ島のライブや大事な個展をひかえ、ここで、寝込むわけにはいかない、と専門医に診てもらうことになった。
そのクリニックは、パリでも有数の耳鼻咽喉科だということ。普段ならば、絶対に予約なんか、とれないのに、たまたま、まだ、バカンス期間だからか、1時20分の診察予約がとれたのだった。
ということで、ここは大事になる前に、やはり専門医に診てもらうべきであろうと、再び、パリを目指したのであーる・ぱっちりーの。
何せ、夜の2時頃になると、咳がではじめ、ごほごほ、寝れなくなるのだった。
2年前、気管支炎になって、約一月間、眠れない、苦しい日々を送ったことがあった。
「あの悪夢を再び」は困る、と思い、老体に鞭打って、高速をすっ飛ばしたのであーる・でぃめおらー。
ところが、パリに到着すると、あちこちで検問があり、車が動かない・・・。おお、そうか、今日はパラリンピックの開会式ではないか!!! 開会式っだァ~!
ということで、長谷っちに事務所に来てもらい、三四郎をあずけ、ぼくはメトロで、バスチーユを目指すことになった。
パリ中心部は、オリンピック会場がいくつかあるので、ものすごい数の警察官が、警備にあたっていた。メトロのホームにまで、警官があふれていた!
ああ、何も、こんな日に!

滞仏日記「病院に行ったら、やはり、急性気管支炎だと、言われました」

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耳鼻咽喉科の名医、A先生のところで、いろいろな検査をやったのだが、
「急性気管支炎ですね」
と、あっさり、言われてしまった。
「どうしたんですか、左の鼻、ひどいことになっています。喉も、真っ赤」
ええ、やっぱり~。
「先生、9月25日に、コルシカ島で、ライブなんです。ぼく、歌手なんです。なんとか、治せますでしょうか?」
「なるほど」
先生は、腕組みをして、うーむ、と暗い感じで、呟くのだった。
「喉の周辺が、真っ赤です。まだ、最悪には至ってませんが、ほっといたら、歌えなかったでしょうね。とくに左側の鼻と、喉は、最悪ですよ。何があったのか、知りたいくらいです」
「やはり。そうですか、過酷でしたから」
「夏に何かありましたか? 飛行機の移動とか多かったですか?」
先生に、引退公演のことをお話した。英国からはじまり、フランスツアー、そして、移動して、日本公演ツアーをやってきたことを、すべて、もらさず、お話したのだった。
「ああ、それじゃあ、疲れが出ますね。バクテリア(ウイルスのことかもしれません。仏語がよくわからず。たぶん、細菌のことだと思う)が繁殖して、目もかなり充血しているし、他にも何かあるでしょ?」
「はい。脇のリンパが痛いんです」
「なるほど」
「あと、お尻も痛いの~、おほほ」
「細菌の仕業ですね」
「最悪」
「でも、なんとか、コルシカのライブまでにもとに戻せるように、お薬を処方します」
「ひとにうつしますか?」
「ま、濃厚接触しなければ大丈夫。マスクして、出歩いてください」
ということで、抗生物質から、ステロイドから、胃薬から、コデインから、他にも鼻孔薬とか、どさっとだしてくれたのだった。こ、こんなに!!!
「で、ムッシュ、あなたはどんな、音楽やってるんですか?」
「え、あ、ジャパニーズロックです」
「ロックか、そりゃあ、喉、治さないとね」
ということで、ネットで調べたところ、このような病気であった~。
『かぜ症候群と同様にウイルスによるものが多いといわれています。 肺炎マイコプラズマや肺炎クラミドフィラなどの非定型病原体が原因となる場合もあります。 一部では、ウイルス感染に引き続いて、二次性の細菌感染が起こる場合もあります。 発病のメカニズム 多くはウイルス感染により、気道上皮の壊死、脱落などが起こり、気道が障害されると発症するといわれており、二次的に細菌感染を生じると肺炎にいたる場合もあります』
うわ、怖っ! 

滞仏日記「病院に行ったら、やはり、急性気管支炎だと、言われました」

※ 抗生物質、ステロイドなど、まだほかにも、あるのだけれど、・・・。

滞仏日記「病院に行ったら、やはり、急性気管支炎だと、言われました」



クリニックを出て、薬局に行き、お薬を買ったのだけれど、保険が適用されて、こんなに買ったというのに、ほぼ、タダだったから、驚いた。さすが、福祉の国であーる。
ということで、ぼくの気管支炎は、ウイルス感染によって発症した「急性気管支炎」だということがわかり、マスクをつけて、事務所に戻り、その前に、長谷っちにもSMSで、マスクしてね、とお願いをしたのであった。
あの日、大阪フェスティバルホールでのライブですべてを出し切った、父ちゃんに残ったものは、この、ウイルス野郎の気管支炎なのだった。
でも、この細菌の侵入を受けたのは、パリに戻ってからのようだった。免疫が下がって、弱った身体に、ウイルスが攻撃を仕掛けてきた、ということである。
身体中が、バクテリアだか、細菌におかされているのであーる。
ここから、抗生物質をのんで、治さないと、個展も、コルシカ島ライブもできなくなってしまうじゃないか!
やれやれ、ということで、しばらく、ノルマンディには戻れない感じ。
休め、とサンシーかみさまが、言うとります。笑。

滞仏日記「病院に行ったら、やはり、急性気管支炎だと、言われました」

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※ かっこつけていた、父ちゃんだったが、年齢には抗えず・・・。とほほ。ごほごほごほっ・・・。



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ま、でも、先生曰く、早く治療ができたから、治るのも早いでしょう、と言ってくださいました。2,3日は歌わないように、とのことです。マスクをして、濃厚接触をしなければ、人にあうのも、大丈夫だそうです。安静にして、治しますね。ふぁいと!

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※ 今は、こういう顔ではない。目が赤く充血し、腫れて、鼻も左側がなぐられたみたいになって、ひどい顔なのであーる。
あの日が懐かしい・・・。笑。

はい、ということで、父ちゃんからのお知らせは、いつもの、「エッセイ教室」と「ラジオ・ツジビル」に、ついてです。
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TSUJI VILLE

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