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滞日日記「自炊できない東京滞在中、ぼくの楽しみはお弁当」 Posted on 2024/07/23 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、日本滞在で唯一のストレスは料理ができないこと。
一応、サービスアパートメントなので小さなキッチンがついているが、調味料などを買いそろえる暇もなく、その時間もない。
毎日、リハーサルの繰り返しで(5時間、立って歌い続ける父ちゃん)、正直、へとへとになってホテルに戻るので、料理は無理。とはいえ、疲れ切っているのにレストランに食べに行くというわけにもいかない。
そこで、ぼくの食生活を助けてくれているのが、お弁当ということになるのであーる・ぱちーの。ぱちぱち。笑。
日本のデパ地下、お弁当の種類も豊富だし、ぼくは昔からお弁当が大好きで、自称弁当作家、でもあった。
シングルファザーになった時は、毎朝、息子の朝食は曲げわっぱに詰めて、お弁当スタイルにしていたのだった。(それが功を奏して、息子君、料理が大好きな青年になった。料理さえできればなんとか生活していくことが出来る)
ということで、今日もリハーサルの終わりに、お弁当を探しに出かけた。
父ちゃんは幕の内弁当が大好きで、その中でも、シュウマイが入っている幕の内弁当が超好きなのだ。(好きな一品から必ず食べる派なので、まず、シューマイから食べる。いつ何時、何が起こるかわからないので、好きなものから食べる主義! 徹底しています。)
なんなら、シュウマイが2個以上入っていると最高、とその時、目の前に、崎陽軒の弁当ボックスが出現・・・おおお、これじゃああ。
人気ナンバーワン、シウマイ弁当、というのが目に飛び込んできた。
もう、私は迷わない!
次の瞬間、これください、と店員さんに告げ、財布を取り出しておったのじゃ。
シウマイ弁当、950円。ユーロ換算だと、5ユーロ50サンチーム。って、フランスではこの金額じゃ小さなサンドくらしか食べることが出来ない安さではないか!
るんるん、ホテルへ戻る足取りもかるかった。
どうじゃあああああ、大好きな崎陽軒のシウマイ弁当なのだ。

滞日日記「自炊できない東京滞在中、ぼくの楽しみはお弁当」

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※ おかず部分、と白米部分、アップにしてみました。シュウマイが5個も入ってる。ううう、唐揚げも意外と美味しい。ごはん部分の青梅、これだよね、これなんだよ。しょっぺー。ちなみに、オレンジ色のは、杏子とかでしょうか。すっぱい果物で、これは、好みではありませんでした。ここにシイタケの煮込みが入っていたら、父ちゃんは歓喜していたことでしょう。ぬはは。

滞日日記「自炊できない東京滞在中、ぼくの楽しみはお弁当」



崎陽軒のシウマイ弁当のどこが凄いって、やはり、シュウマイに尽きる。(シウマイ、と表記されている。シュウマイじゃない、シウマイ!)
これに和辛子を塗って、醤油垂らしてパクっ。むは、やばい。
で、ごはんがぐりぐりに押し詰められていて、他のお弁当のようなふわふわ感がないところも最高なのだ。
これでもか、と押し付けられた白米のかんたんに箸で掴めないところ、ひねくれものの父ちゃんを一番喜ばせてくれる。この米の満員電車感、素敵。冷や飯好きにはたまらんのだよ。わかるかな~、わからねーだろうなァ~。
芳醇なシューマイと詰め込まれたごはん、しかも、ふりかけられている黒ゴマの部分が最高。それを慈しみながら、頬張る時、今日のリハーサルの苦労が報われるというものなのだ。
父ちゃんずっと立って歌って、腰も背中も痛い~。
でも、崎陽軒のシウマイが、その労苦をねぎらってくれる~、嫁入らず弁当なのであーる・はんぶら宮殿。
そして、シウマイ弁当、シュウマイだけではない。
唐揚げも小さいのが一つ入っているし、マグロかな、何か魚の硬めの煮物がこれまた弁当らしくて、意外と硬くて、その弾力、ブリディストン感が、また、最高なのだ。噛めば噛むほどダシが染み出る一品。
そして、タケノコかなァ、端っこに角切りにされたのが、いっぱい詰まっている。卵とかまぼこは特に推奨はしないが、ガリと昆布の佃煮がちょっと添えられており、それが残ったごはんを再生させてくれるのじゃ。ご馳走様でした。
崎陽軒、いつもシウマイ一筋、感謝感謝。
ところで、大阪のスタッフは、崎陽軒のシウマイの良さがわからない、といつも言うのだが、大阪に崎陽軒が進出してないこと、大阪には崎陽軒に代わるものが存在して、多分、大阪の人には崎陽軒の良さが今一つ分からないのだと思う。
立ち食い蕎麦屋のあの濃いダシがダメだという当事務所の関西スタッフさんたち、申し訳ないが、勝ち負けではない。ぼくは関西に行くときは関西うどんしか食べないし、関東にいる時は関東の蕎麦しか食べない。立ち食い蕎麦の濃いつゆ、最高なのだ~。
なので、崎陽軒なのであーる・ぬーぼー。あはは。
さて、今夜は、どんなお弁当にありつけるだろう。楽しみで仕方がない。お弁当を毎日食べて、8月7日の大阪フェスティバルホール最終引退公演、乗り切ってみせたい。で、大阪でも、お弁当を探す!!!!

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つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
崎陽軒のシウマイ弁当ひとつで、これだけの文章量、これこそが生きるということであり、崎陽軒のシウマイ弁当の中に哲学というか、宇宙を発見できて、幸せでありました。日々の中に感動ありますね。シウマイパワーで乗り切ったるで、今日もリハーサルがあります。差し入れを買って、メンバーと頑張りますね。最終公演、待っていますよ! 大阪~。

あんまり、宣伝したくはないんですが、最後なので、ご勘弁を。東京3デイズ、大阪最終公演で、音楽興行界から引退をします。
7月30,31,8月5日、は有楽町のヒューリックホール。
8月7日は、大阪フェスティバルホールです。
このチャンスに? ぜひ。あはは。当日券、売るほどあります!!!!気が向いたら、どうぞ~。
あと、月に三回、毎月、5の付く日に、ラジオ・ツジビルで語っています。こちらは、ぜひ、お越しください。ご興味ある皆さん、下のバナーをクリック!

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