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リサイクル料理教室「辻家特製、オレンジ塩。これさえあれば料理がぐんとリッチになりますよ!」 Posted on 2024/07/19 辻 仁成 作家 パリ

いつもの魚のポワレであろうと、牛肉の煮込み料理であろうと、この「オレンジ塩」をひとふりかけると、今までにない世界が口腔に広がるのであーる。
辻家の魚料理といえば、どちらかというとポワレ系が多い、鯛とか鱸(すずき)とかのポワレ。
皮パリに焼いて、食べるのだけど、本当においしい魚はとくに、ソースでごまかさないでも、美味しく頂ける。
醤油をかけると、全部、醤油味になってしまうので、いい魚の時に醤油がけではもったいない。
そこで、フラー・ド・セル(塩の華)をかけるだけで、済ませることが多い。
しかし、一工夫し、辻家では、オレンジ風味のフラー・ド・セルをつかう。
今日は、その作り方をご指南したい。
これ、お肉にもあうし、サラダにも最適なので、作ってみてほしい。
※ いくつかの重要な注意点があるので、それだけは、ぜひ、守ってくださいね。

リサイクル料理教室「辻家特製、オレンジ塩。これさえあれば料理がぐんとリッチになりますよ!」



まず、予め、オーブンは150℃に予熱しておく。
使うオレンジは必ず有機オレンジじゃないとダメだ。
なぜなら、皮を食べるのだから。
農薬を使ってない有機オレンジが重要となる。
次に、オレンジをよく洗い、ピーラーで皮を剥のだけど、出来るだけ長細く、削いでいくように、剥かなければならない。
オレンジの皮は、クッキングシートの上に間隔をあけて綺麗に並べ、150℃に温めておいたオーブンに入れて、約10分…。
火加減がちょっと難しいので、最初は失敗しやすい。
焦がさないように、火の通り具合をきちんと見定めていくのがいいだろう。
火が入り過ぎると、焦げた香りが付いちゃうし、火入れが足りないと、水分が出て塩を殺してしまう。ここがポイント。でも、慣れれば上手にできるようになるので、家族の笑顔のために、頑張ろう。
焦げる前、湿度が消えたちょうどその瞬間、を見逃さないことが大事である。

リサイクル料理教室「辻家特製、オレンジ塩。これさえあれば料理がぐんとリッチになりますよ!」

※ 必ず農薬のかかっていない有機栽培のオレンジを使ってくださいね!!!

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そしたら、よく切れる包丁で、乾いたまな板の上で、細かく、微塵にしていく。フラー・ド・セルの大きさになるまで、根気強く、みじん切りを続けないとならない。
注意点としては、オレンジの皮は、硬くなる前にみじん切りにする必要がある。
その方が細かく微塵にしやすいからである。
それから、ちょっと放置して、10分位するとカリカリになるので、そこでフラー・ド・セル(塩の華)と混ぜれば、来上がりだ。密閉できる瓶などに入れて、保存してほしい・・・。香りが飛ぶまで使えます。

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付録。

皮パリの魚を作ってみましょう。
今日は、刺身でも食べられるような超新鮮な鱸(スズキ)を使うことにする。
鱸でも、鯛でも、新鮮なものであれば、大丈夫・・・。
鱸には軽く塩胡椒し、(気分次第だけど、皮目に胡椒、身の方に塩だけの日もある。お好みで)テフロンのフライパンに多めの油をしき、中火弱で皮を下にして、じっくりと焼きをいれてく。しっかり、皮パリにしたい時には、皮目に軽く小麦粉を叩いておくと、カリッカリになる。
これが美味いのだ。
面倒くさくないなら、やっておこう。あとが楽しくなる。
焼く時は、まず、最初の一分ほど、指先で魚を押さえながらやれば、反らない。
なんにもしないと、魚がくるんと丸まってそり返るから、要注意。
手でやるのが怖いなら、トングでも、スプーンでも、なんでもいいから、それで中心をちょっとおさえつけておくこと。
これが大きなポイントになる。

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火加減をみながら皮がパリパリになり、魚の身の方まで火がうっすら通り全体が白くなったら完成だ。
もともと、生で食べられる新鮮な魚だから、うっすら白っぽくなれば食べられる。
ひっくり返す必要はない。急ぐ場合はひっくり返してもいいけど、壊れやすいので、気を付けて・・・。
お皿に盛って、お好みの量、オレンジ塩を振りかける。香りが素晴らしい。
オレンジの香りと皮パリ魚の香ばしさのバランスが抜群なのである。
添えたルコラには、オリーブオイルと、ビネグレット(ドレッシング)をちょっと、加えたらいい。
海の香りとオレンジのさわやかな柑橘の風味が鼻腔と口腔を誑かす、贅沢極まりない一品、間違いなしなのである。

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材料
有機のオレンジ   1個
フラー・ド・セル(fleur de sel) 50gくらい
※出来ればフランスのゲランドのお塩を推奨します。
<スズキのグリエ>
スズキの切り身
塩・胡椒
オレンジ塩 適量
ルコラ など、お好きな量で、どうぞ。

自分流×帝京大学

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