某月某日、アベノマスクに４６６億円がかかるという報道に、今更、在外邦人のぼくがギャアギャア騒いでもいじめられるだけだから、黙っておく。ただ、この先も長い戦いになりそうなので、安倍さんを止められる気骨のあるスタッフはいなかったのかな、とちょっと心配になった。星野源さんの「うちで踊ろう」への総理の参加、総理は純粋に星野さんの行動に心を動かされたのかもしれない。たぶん、そうだろう。批判されたとしても、若い人が家に居ようと思ってくれたらそれでいいじゃないか、と単純に思ったのだと信じたい。布マスクの一件だって、なぜ布マスクなのかは謎だが、マスクがない現状を何とかしたいと思って、布マスクならなんとかなるルートがあって、思いついたのかもしれない。でも、０，１ミクロンの新型コロナ相手に布マスクはグッドタイミングではなかった。ぼくが側近だったら、総理の想いは素晴らしいですが、今はやめておきましょうね、とお伝えした。４６６億円で人工呼吸器を何台買えただろう。医療器具を買って、来るべき国難に備えましょう、と忠言するくらいの側近は一人もいなかったのかなぁ。星野さんが若い人に向けてちゃんとメッセージを発信しているので、総理は総理の方法で国民と向かいあいましょう、と国民目線の側近が止めていれば、ここまで世間は荒れなかった。マスク代をこれから必ず不足する人工呼吸器に回せただろう。総理一人が国会であの小さなマスクを付けて頑張ってる姿を見て、周囲の方々は何とも思わないのだろうか。前にもここで書いたが、英国の首相のようにコロナに罹ってからでは遅い。このような国難の時期、国を導かないとならない総理大臣が感染したらしゃれにならない。布マスクを批判しているわけじゃない、布マスクの素晴らしい利点もある。でも、総理はウイルスを通さないマスクを今は付けるべきだ。満員電車に乗らないとならない国民はウイルス９９％カットマスクを選ぶだろう。

その布マスクだが、不意に作ってみようと思いついた。布マスクが実際どのようなものか、知らずに、試してもみないで批判するのもよくない。ならば、作ってみよう。パリでは本当にマスクが手に入らないので、前から作りたいと思っていたのだ。母はフランス刺繍の先生で、ぼくは小さい頃から母の手芸を眺めながら育ってきたので、針や糸の使い方くらいならわかる。マスクの作り方はネットで調べるとごまんと出てきた。その中には型紙もあったので、ダウンロードさせていただいた。多謝。それこそ居酒屋とか飲み屋で貰った手ぬぐいがあったので、それを利用させて頂いた。日本で買ったポリウレタンのマスクが二枚あったので、それをツジノマスクの中に仕込めば、抗ウイルス効果が期待できる。作り方は簡単だ。

※上のは息子用、下のはぼくの。ちなみに、一番下の黒いのは靴下をカットして作る簡易マスクなんだけど、ソックス買うと二枚作れるし、中にガーゼとか入れられるから便利です。

型紙を手ぬぐいにあてカットし、縫い代に沿って二枚を重ね縫いし、裏地の分と合わせて縫ったら、裏返し、取り出し口から同じサイズにカットしたポリウレタンマスクの素材(ぼくは黒色のＰＩＴＴＡというマスクを利用)を入れて、耳掛け部分のゴム紐を固定させたら、完成。実は中に仕込まず、二枚重ねで使えばもっと衛生的で便利だ。何で二枚重ねかというと、飛んできた飛沫を手作りマスクがファーストブロック、マスクをじかに使うより、安全性が増す。保湿性も増す。ＰＩＴＴＡ(黒しかなかった)はかっこいいけど、ちょっとフランス人には威圧感があるので、猫の模様の手ぬぐいマスクにしておくと、なんとなく気分が和むのでいいかもね、と息子と話し合った。息子が赤ちゃんの頃からずっと大事にしているぬいぐるみのチャチャの分も作ってあげた。ジョギングの時間につけて走れば花粉の時期だし、喉の加湿にもなるし、普通に便利なマスクなのである。付け心地は悪くない。手ぬぐいで作ったからか、和風で、フィット感も半端ない。しかも、かわいい。人々を和ませるのにはいい出来栄えであった。ただ、絶対に、スーパーなどにはつけていけない。付けてる感だけで過信し、勝てる相手ではないのだ。新型コロナは本当に恐ろしい感染力を持っている。スーパーに行く時は手術用のマスクを付け、手袋をはめ、帽子とゴーグルを装着し、重装備で出かける。コロナ最前線で布マスクは通じない。

さて、ツジノマスク、出来栄えはどうですか？