JINSEI STORIES
速報・日記「大逆転劇、躍進すると言われていたフランスの極右政党は第三位、フランス国民の選択!」 Posted on 2024/07/08 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、驚いた。
こんなことがあるのだ、それが、フランスなのか、と思った。
メディアも、政治コメンテーターや批評家の多くも、たぶん、世間も、20時の1秒前まで、19時59分59秒まで、極右政党・国民連合(RN)が予想通り、第一党に大躍進をし、政権を奪取すると思っていたのだ。
マクロン大統領が率いる与党政党は3位になると思われていた。
朝から、どこのカフェでも、新聞でも、ラジオでも、みんながそう言っていたのだけれど、蓋を開けると、「不屈のフランス」党や社会党が連合した、左派連合(NFP)が大勝利をおさめ、第一党となった。
なんと、7割近い歴史的な投票率であった。67%!
そして、マクロン大統領の与党が第二党となり、大方の予想を覆し、国民連合は第三位へとなった。
司会者は、国民連合の会場の様子を伝えながら「冷水を浴びせられた!」と伝えた。別の党の人物は「極右に入れたくなかったから左派にみんな入れただけだ」と発言している。さ、何が起きたのか。
左派連合の各党首が、拍手に包まれながら、勝利演説をしている。
現在、この状態になった。いったい、何が動いたのであろう。
このあと、フランスがどうなるのか、わからないが、もっとも左の政党「不屈のフランス」のメランション党首は、「首相は出ていけ」と息巻いている。首相というのは、与党のアタル首相のことである。
さて、この展開を考えていた人が多くなかったので、このあと、フランスがどういう政権に交代するのか、どういうオリンピックを迎えることになるのか、しばし時間が必要になった。デザインストーリーズでこのあと、情報をお届けします。
ところで、日本と大きく違ったのは、選挙結果の発表の仕方だ。
19時59分から、テレビ画面でカウントダウンが始まり、6,5,4,3,2,1,で一斉に、画面上に獲得数字が並んだのである。一目で誰が勝ったのがわかる、この競馬レースの結果発表のような方法がどうやって行われているのか?
ぼくの好奇心がかなり擽られたので、ちょっと記しておきたい。
※ 赤いのが、左派連合、紫が与党、右端の濃い青が国民連合である。カウンタ御ダウンの後、20時ジャストにこの数字がテレビ画面に踊ったのだった。
※ 勝利宣言する左派連合のメランション氏。
※ 三位になった国民連合のバルデラ氏。
※、20時ちょうどに、みんなが、結果を知る、という仕組み、・・・。