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滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」 Posted on 2024/07/08 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、東京都知事に小池百合子さんが当確になったというニュースが流れた頃、まだ、フランスは下院の総選挙がはじまったばかりで、静寂の中にあった。
英国は労働党が政権をとって、新しい首相になったが、フランスもオリンピックを前にどうなるか、という局面・・・。
極右政権が誕生するか、中道+左派連合が勝つのか、現時点、(日本時間の8日、1時23分。フランス時間の18時23分)では、わかっていない。
18時で、選挙が終わっているので、開票がはじまっているが、どうなるのだろう。外を歩く警官の数が増えはじめている。
息子には、今日は中心地に行くなよ、とは伝えてある。どっちが勝っても、反発する側が、大規模なデモなり何かをやらかすはずだから。
※ 選挙結果は明日の日記でまた詳しく速報をします。
昼、弟子の長谷っちと奥さんのコリンヌが投票のあとに、事務所にやってきた。長谷っちは日本人だから、コリンヌにつきあっただけ・・・。
「センセー、ゴブサタシテオリマス、ゴキゲンイカガデゴザイマスデショウカ?」
コリンヌは、フランスの外国語大学日本語学科卒業なのだ。
「はいはい、元気にやっておりますよ」
「ソレハ、ヨカッタ」
コリンヌの日本語は時々、おかしいけれど、かわいらしい。
その横で、はにかむように長谷っちが微笑んでいる。
長谷っちがいわゆるあの厄介な病気になった時、かいがいしく長谷っちを支えたのが、コリンヌであった。
2022年くらいから、ぼくの事務所で働いてくれていたが、ちょうど、オランピア劇場ライブの前に病が発覚し、退社した。
でも、南仏で療養を続け、最近、復帰できたのも、コリンヌの愛の力だとぼくは思っている。
実に、うらやましい限りじゃないだろうか?
「イツモ、センセーノゴカツヤクオイノリシテオリマシタ」
完璧であった。素晴らしい日本語力、うちの息子も見習わないとならない。
さて、この愛らしいご夫妻に、今日は日曜日だし、父ちゃんは腕によりをかけて、世界最高のパスタ料理をこしらえて差し上げたので、御覧いただきたい。
ということで、今日の絶対最高に美味しいやつ、は「チキンとフヌイユのパスタ、モリーユ茸ソースがけ、であーる・ぱちーの。あはは。

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」



滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

さっそく、レシピです。
材料は、皮つきチキン、フヌイユ、乾燥モリーユ茸、生クリーム、マスタード、バター、オリーブオイル、生パスタ(なんでもいいですが、今日はタリオリーニ!)
で、鶏のもも肉は開いて、醤油、酒、などで一晩、冷蔵庫で、マリネをしておく。
皮目を下にして、フライパンで焼く。
カリカリに焼くコツは、重しを載せること。そういう調理用の重しがあるが、一番簡単なのは、鍋に水を入れて、上から、おさえこむ!!!
パリパリになります・・・。

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

いい感じなのであーる・ぬーぼー。
こうなったら、ひっくり返し、裏面からじわっと火を入れる。

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

フヌイユは、上の写真のように、適当なサイズにカットし、オリーブオイルを回し掛けしてから、オーブンでちょっと焼いておく。
あと、乾燥モリーユ茸は、汚れをとってから、ボウルにいれ、水を250cc程度、いれておく。これも、前の晩からやっておくこと。ダシが出る!(かならず、ゴミが出るので、ダシは漉して、汚れを分離しておくべし)

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

先のフライパンに、カットしたチキン、オーブンで焼いたフヌイユ、モリーユ茸を入れて、炒める。

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

そこに、マスタード、白ワイン、モリーユ茸のダシ、バター10g、生クリーム軽く、などをいれ、塩胡椒をして味を調える。

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

最後にお好きなチーズ、今回は、モッツアレラチーズ、にした!!! を投入し、混ぜ混ぜしましょう。



滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

お皿に盛り付けると、こんな感じ!!!!! うおおおおおお!

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

最後に、大量のパルメジャーノチーズを、スリスリして、完成なのであーる・でこー。
わ、やばいな、これは、やばい!!!

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

長谷っちとコリンヌ、2022年に描いた、名画なり、えへへ。

「先生、投票率、歴史的な数字だったようです。フランス人の実に7割近くが選挙に行ったとか」
「そんなに。で、どっちなの?」
「今夜、20時くらいにだいたい、わかるみたいです」
※ 今、この日記を書いている時点では、まだわからないので、わかり次第、ここに加筆します。
「警官がけっこう出ているから、早めに帰った方がいいんじゃないの?」
「イイエ、センセー、ダイジョブデスヨ、アブナイノハ、レピュブリック地区ダトオモイマス」
だいたい、大きなデモや暴動がおこるのは、右岸のレピュブリック周辺なのである。なるほど・・・。
「イツモ、オットカラ、センセーノゴハンノハナシキカサレテイタカラ、キョウは、ソノリユウワカリマシタ」
あはは。
愛が、病も救うというのがよくわかった。
でも、あと、数年は、再発しないように用心をしないとならない、長谷川さんなのであった。
なので、ぼくの仕事も、時間的、精神的、体力的に大丈夫な時に、のみ、手伝ってもらうようにしている。
人生は、休み休みが、よかろうもん。



つづく。

今日も読んでくださり、ありがとうございました。
明日から、また、新しい世界がスタートする感じのフランスですが、気を引き締めて頑張っていきたいと思います。えいえいおー。

さてさてさて・・・、7月12日ですが、エッセイ教室をやります。文章を書くのが好きな皆さん、覗いてみてください。文章を磨いて、人生をより楽しく、広げてまいりましょう!!!!
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TSUJI VILLE

滞仏日記「長谷っちご夫妻に、絶対美味しいやつパスタをふるまったのじゃ」

※ 夏の個展は、完全予約制です。新生堂でご確認ください。そして、画集、いよいよ、週明けくらいに全国書店にて、発売開始(7月14日ごろ)ですが、数が少ないので、・・・。あはは。ご予約などは、こちら。

https://www.teikyo-service.com/press/books/978-4-434-34119-9/