某月某日、昨夜は京都の仲間がやっているバーに行き、フランス人のシルバンとマスターとみんなで、ローリングストーンズの古いアルバム「余波」に耳を傾けた。
「ミックは８０歳でいまだ現役で歌ってはるのに、辻さんはもうやめはるんですか」と聞かれたので、いや、音楽はやめるつもりはないよ、と答えた。
ただ、日本でのライブがずっと赤字なんで、日本では物質的に続けられないだけで、ここで一度終わります。で、みんながぼくのこと忘れた十年後とか、おじいちゃんになったら、ワゴン車借りて北海道から九州までロックバー巡ってみたいなと思っているよ、とニヒルに笑っておいた。
「そういえば、辻さん、何年か前に、いきなり電話かけてきて、明日ライブやるから、バーあけてねって無茶な連絡あって、マジで、次の日、ライブやったんでしたね。しかも、ギターさえ持ってこないで、壁にかかってるギター掴んで歌いだして。でも、超満員でした。笑」
とマスター。そのこと、すっかり忘れていたけれど、そういう、チケットとか宣伝とかないライブがいい。小さなバーを知床から石垣島まで、ワゴン車で、ちょこちょこ回る、そういう老境ライブ、いつかやれたらいいよね、十年後のロック。

朝、新幹線の窓から見た富士山があまりに綺麗で、心が洗われた父ちゃんであった。
せっかく東京に入ったのだから、ギャラリーＴに行く前に、夏に個展をやる画廊に顔を出した。
せっかくなので、アートブックを手掛ける凸版印刷に連絡をしたら、すぐに顔を出します、とのことで、これまた急に色校チェックとなった。すでに、作品は画廊に保管されている。
この段階でも、金の色がよく出ていたし、ほとんど文句がない仕上がりだったが、「ここから追い込みます」と凸版さんの意気込みが伝わって来た。
かなり素晴らしいアートブック（画集＆小説集）になると思われる。（全国発売は７月１３日前後です）
ぼくは１５分ほど画廊で彼らと立ち話をし、今回の一番の目的地である西麻布のギャラリーＴへと向かった。☜しかし、時差がきつい。

※　やばい・・・。

で、ギャラリーＴのドアをあけると、いきなり、自分の作品が飛び込んできた。
伊勢丹で展示した絵が二枚、額装されて壁にかかっていたのだ。
自分が依頼した額ではなかったので、絵と額のフレームのバランスにちょっとだけ戸惑いを覚えた。なるほど、つまり、絵をどうやって額装するのか、という問題があったのだ。
これは非常に難しいことだ、と気が付いた。
購入者がこれでいいと思われたのだから、ぼくにはとやかく言えないことなのだけれど、もっと絵を生かすフレームがあるのじゃないか、と思った。
額によって絵の雰囲気が変わるのは当然のこと。
いつか、ぼくが信頼できる額装のプロを紹介出来るようにならなきゃいけないな、と思った。
果たして、そんな額装家さん、出会えるのだろうか・・・。
前に日記でご紹介した浅尾さんが、現在、スタンディングブッダという作品の額装を手掛けてくださっており、（ぼくととことん話し合ったのだ）、夏の新生堂個展で、２作品だけ、額装された絵が展示される予定、であーる・ぬーぼー。
これ、どうなるのか、ドキドキするね。
イタリアに古くからある手法があって、木肌をかなづちで叩いて波状にするというものだけれど、浅尾さんに、木の凹凸を生かした額にできますか、と依頼中・・・。
どういう仏様が浮かび上がることであろう、・・・ある意味、楽しみである。

今回のギャラリーＴ、文化サロンは三回目になるのとぼくが短い滞在しかできないこともあり、あのパリに修行にやってきたお馴染み総料理長の御簾さんがメインで料理を担当する。
でも、ぼくも二品くらい関わる。
その仕込みが始まった。こつこつ煮込む料理なのだけれど、その間、ゲラのチェックをやり、（というのも、アートブックに入る小説に大きな間違いがあり、それの直しに、相当時間を奪われることになったのであーる）さらに、買い物もしなければならず、慌ただしい東京滞在であった。
やれやれ。
さて、その成果やいかに。

※　京都風？？？？

父ちゃんの駆け足、日本滞在、このつづきは明日。

今日も読んでくれてありがとうございます。
新幹線の中で食べた「麩饅頭」がおいしすぎて、涙が出そうになった父ちゃんなのでありました。日本は、なんでも美味しいすね。駆け足の人生ですが、その駆け足の中で出会う美味しいジャパンが最高でありました。祖国に癒される～。
はい、ということで、お知らせでございます。
迫ってまいりました、５月２６日は、いよいよエッセイ教室です。
文章というのは、簡単そうで、実に難しい。じゃあ、どうやったら、楽しいブログや日記やエッセイがかけるようになるのか・・・。そこです。
そんなエッセイを書きたい皆さんへの、熱血父ちゃん先生の勉強会になります。
講義を受けたい皆さん、下の地球カレッジのバナーをクリックください！（今までと少し登録方法が変わっております）
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それから、ラジオを、月に３回やっています。
皆さんのお悩み相談にこたえたり、一緒に考えたり、時事ネタもありーの、歌はないけれど、笑、お笑いもあって、楽しいひと時になることうけあいです。ラジオ好きな皆さん、どうぞ、ご参加くださいませ。
詳しくは下の、ツジビルサイトを、クリックね！
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辻仁成、ジャパン・引退・ファイナル・ツアーは。
７月３０，３1，８月５日、有楽町、ヒューリックホール。
８月７日、人生最大の千秋楽、大阪フェスティバルホール
になります。
そして、フランスツアーが６月に行われます。
パリは、ベルビルにある老舗の劇場「Le Zebre」にて行われます。チケットが発売になりました。在仏、在欧の皆さん、お時間があれば、ぜひに。
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●６月３０日、パリ、Le Zebre　チケットはこちらから、どうぞ！
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-paris-concert-le-zebre-30-juin-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301135.html

そして、７月３日、リヨン、La Marquise
なぜか、パリの会場よりも、売れています。売り切れる前に、お早目に！笑。
チケットはこちらから、どうぞ！
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html

●７月２０日から７月２８日まで青山・新生堂画廊にて、個展！
●９月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。（ライブは、だいたい、9月25，26日のどちらかになります。作家としての登壇も予定しています）