JINSEI STORIES
パリごはん日記「父ちゃん先生、老眼鏡をかけて、みなさんのエッセイを読む」 Posted on 2024/05/20 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、エッセイ教室の課題エッセイがたくさん、届いておるのじゃ。
時間のある時に、届いたところから随時、読んでいかないと間に合わない。まるで文学部の先生みたいな父ちゃんなのであーる。
ちょうど、今日が課題エッセイの締め切り日なので、ここから猛ダッシュで、全部読むのだけど、今回は、百を超える応募があった。
明日の朝までには一応全部、読み切ることが出来ると思う。
課題はもちろん全員が提出するわけでもない。でも、課題を提出することで、参加してる感が出るので、おすすめである。
かなりプロっぽいレベルの作品があった。
まだまだ、ここからだなァ、と思う作品もあった。
おしいなァ、と思うエッセイもいっぱいあった。
授業で紹介するエッセイは毎回、3,4作品に絞られるが、素晴らしいから選ばられるというわけではない。
凄くいいんだけれど、ちょっとおしいなァ、というものを特に選んでいる。
あと一歩のところで、残念になっている作品が多いのは、プロじゃないので当たり前で、でも、その一歩をどうやって気が付くか、が大事なのだ。
父ちゃん先生は、作品を吟味しながら、そういうところを、にやにやしながら、探し出していくのである。
そうすると、百作品の中で、毎回、いくつかの共時的な問題が浮上してくる。なるほど、ここで、この書き手は、壁にぶつかっているのだな、というところを、ぼくの経験で、読みほどいていくのが、父ちゃんの「気まぐれ文章教室」の醍醐味・・・。
パリを離れる前に、全部を読み切り、授業で使わせていただく作品を絞り込まないとならない。三四郎を預けているので、ここは、集中出来る。
ふむふむ、と思いながら、老眼鏡をかけた父ちゃん先生は、みなさんの力作に赤ペンを入れていったーまん。
そして、エッセイを選んでからが、大変なのだ。
受講された皆さんがぶつかっている問題点を解析し、どうやったら、さらにいいエッセイに仕上げられるか、を考えないとならない。
その作品の後ろに同じような問題にぶちあたっている夥しい数の書き手がいる、ことを想像しながら、父ちゃんは、授業の全体像を練り上げていくのであーる。
で、先生というのは、腹が減るので、今日は田舎で買ったアスパラを使って、父ちゃんの得意料理「とんじーる」を作った。あはは。
前説が長すぎたかな・・・。
今日の「絶対美味しいやつ」は豚汁なのだ。
あまり食欲のない時に、ごはんと味噌という組み合わせは最強なのである。その上に、アスパラガスが入るのだから、おおお、なお素晴らしい。
ということで、dancyuの「食いしん坊クラブ」のイベントでも500食を完売したレコードを持つ、父ちゃんのベストセラー料理、「とんじーる」の作り方!!!
薄切りの豚肉を炒め、玉ねぎとかマッシュルームとか、冷蔵庫にある根菜なんかがいいね、ぶちこんで、水、ダシをいれて、お好みの味噌を混ぜ混ぜし、最後にバターを、塩バターラーメンの感じでどーんと載せたら、そこに、ティムート胡椒を振りかけて完成なのだ。
ここで重要なのは、普通の豚汁+バター+ティムート胡椒の組み合わせ、なのだ。
ティムートはチベットの胡椒で、グレープフルーツ香を持っている、実にさわやかなスパイスなのである。
これが、バター&味噌とあわさることで起こる化学変化が、マジですごい。
もともと、ティムート胡椒はパリのパティシエたちがケーキとかチョコに利用して有名になったスパイス。
これを豚汁に注ぎ込んだところ、おおお、これ、絶対にうまいやつじゃん、となった。あはは。
いや、大満足なのであった。
明日の朝、空港に向かうまでには、きっと全作品を読み切っていることであろう。そして、26日のエッセイ教室に備えて、父ちゃんはまたまた、先生になるのであーる。
じゃじゃーん。
ま、日記はいつもふざけて書いているが、これはぼくの脳トレなので勘弁してください。でも、「気まぐれエッセイ教室」は真剣&熱血でいきますよー。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
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