JINSEI STORIES
パリごはん「どうしてもガレットを食べたくなるのだ、クレープじゃなくて」 Posted on 2024/05/13 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、女の人はクレープが好きな人が多いのでマダムたちと会う時は、なぜか、クレープ屋での待ち合わせというのが多くなる。
ところが、であーる。
父ちゃんはクレープが苦手で、とくに、あの生クリームとバナナが入ったクレープがなぜか舌が伸びないのだ。
生クリームが大好きで、生クリームのプールに飛び込みたいと思っている父ちゃんではあるが、なぜか、生クリームがけのクレープだけが苦手なのだから、もう、
「辻さん、クレープ屋に集合です」
と言われると、ぞぞぞ、となる。
小麦の白いクレープと生クリームって、ちょっと、強すぎる???
で、仕方なく、クレープ屋に顔を出す父ちゃんだったが、そこで唯一食べられることのできるのが、ガレット(蕎麦粉のクレープ)なのだった。
蕎麦好きなので、試したら、お、いける。
ああ、これは食べても大丈夫だ、と安心したし、むしろ、これはお金を出しても食べたいものの一つに、その後なっていくのだった。
で、この蕎麦粉のガレットだけれど、中には、いろいろなものが入っている。
一番オーソドックスなのが、卵とか野菜とかチーズとかハム入り、というもので、間違いはない。
ガレット・ソシスというのは、ガレット生地の中にソーセージが入っているもので、これ、最高に美味しい。(ラジオ・ツジビルのリスナーさんが、八王子周辺で、フードトラックのガレット・ソシス店を始めた、らしく。前回のラジオではこの話で持ち切りになった。みんなで応援中!)
卵をつぶして、あの黄色い黄身があふれ出るのを口に入れる瞬間の至福ったらない。
しかし、あのガレットといえば、シードル、というリンゴのお酒がくっついてくるのだけれど、あれがね、またまた、苦手なのだ。
シードルの産地は、ノルマンディだったりするから(地元なのに!)、もっと嫌なのである。
ぼくの友だちに、シードルの造り手が何人かいて、試しに呑みませんか、と言われるのが、辛いのであーる・ぬーぼー。飲むが、アルコールが少なすぎる!!!! ぼくは15%以内のアルコール類を、お酒とは思っていません。
あはは。
ということで、ガレットはブルターニュ地方の特産品で、ノルマンディも近いから、シードルもガレットもノルマンディにもある。
要は日照時間が短いので、蕎麦粉の方が小麦よりも育てやすかったことが幸いして、ガレットが生まれたというのだから、いい話じゃないか。あはは。
ともかく、父ちゃんは、レディースの集まりに参加するときは、このガレット、と決めている。御覧いただきたい。この美味そうなガレット!
※ これが、ガレット・ソーシス!!! galette sausicce!!!!
シードルは嫌いだが、ガレットとビール、とくにガレットソシスとビールは最高中の最高なので、ぜひ、八王子で試していただきたい。え? あはは。
今度、お店の名前、聞いておきます。
さて、父ちゃんのエッセイとか小説って、もう長いこと、日本の教科書に使われてきたのだけれど、今日、新しい道徳の教科書に採用されたようで、見本教科書が届きました。
お子さんがこの教科書、使っていたら、このおっさん、知っとるで、と自慢してやってください。道徳、大事ですね。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
ラジオ・ツジビルは、幅広いリスナーの方がいて、こちらのフードトラックの方の新しい挑戦の話とかもしています。みんな料理が好き、音楽が好き、小説が好き、エッセイが好きなリスナーが集まって、父ちゃんが語り倒す、という放送ですので、ぜひ、ご興味ある皆さん、ご参加くださいね。えへへ。
お申込みは、こちらから
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エッセイ教室はこちら
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フランスツアーが6月に行われます。
パリは、ベルビルにある老舗の劇場「Le Zebre」にて行われます。チケットが発売になりました。在仏、在欧の皆さん、お時間があれば、ぜひに。
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●6月30日、パリ、Le Zebre チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-paris-concert-le-zebre-30-juin-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301135.html
そして、7月3日、リヨン、La Marquise
なぜか、パリの会場よりも、売れています。売り切れる前に、お早目に!笑。
チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html
●7月13日ごろ、帝京大学出版会から、父ちゃんのアートブック「パリ情景、動かぬ時の扉」が出版されます。全176ページの画集&小説集です!!!
●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(ライブは、だいたい、9月25,26日のどちらかになります。作家としての登壇も予定しています)