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滞ボルドー日記「3日で47杯のボルドーワインを飲んだ父ちゃんによるおすすめワイン特集」 Posted on 2024/03/28 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ということで、わずか三日間のボルドー滞在中に、父ちゃんが、舐めたり、飲み干したワインは、47杯を超えた。(もしかしたら50杯くらい、飲んだかも。酔っていて、わからなくなったワインもかなりある!)
実際に、数多くのワイン生産者さんとも会った。
マジで、全員、熱血で、情熱のかたまりで、今時、こんなに自分の仕事にピュアに向かい合える人がいるんだ、と感動をしたほど、人間力あふれるワインとの出会いであった。
無事にワイン学校も卒業ができ(短かっ!)、そんな?ボルドーワインに精通した父ちゃんによる、個人的に気に入ったボルドーワインを今日は、みなさんに、ご紹介させていただきたい。
まず、ボルドーといえば、圧倒的に赤だけれど、近年、ボルドーは白ワインにも力をいれはじめている。
今回も、いろいろと白を飲み比べたが、ボルドーワイン協会のシャトーさんと初日に飲んだ、Chateu FonreaudのLe Gygne 2019(シャトー・フォンレオのル・シーニュ)が、圧倒的に、素晴らしかった。
ネットで調べたところ、日本でも買えるが、3400円であった。(この料金であれば、かなりお得だと思う)
実際、このレベルだと、2倍とか3倍とかの値段がしてもおかしくない。
ミネラル感のバランスがめっちゃよく、果実感も強い。
広がり、深み、夏の交響楽団のようなうっとりする重厚感もある。
ソーヴィニオン・ブラン60%、セミヨン15%、ミュスカデ15%、(ぼくの嫌いなミュスカデだが、ここではいい味を出している)

滞ボルドー日記「3日で47杯のボルドーワインを飲んだ父ちゃんによるおすすめワイン特集」

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次に、アントル・ドゥ・メール地区の700年の歴史を持つChateau de Camarsac cuvee prestige2016、カマルサックというシャトーのプリスチュージュ2016、カヴェルネソーヴィニヨン60%、メルロー40%、日本だと3960円で購入できるのだ。
オーク樽の深い香り、とくにスパイス感、ダークフルーツの香り、を強く感じ、タンニンもしっかりあっていつまでも余韻を楽しめるのだが、特徴としては、やや酸味が強いところかな。
複雑な構成力のある交響曲を聞くような後味を感じることのできるワインであった。
生産者であるティエリーは小説「ブラジル冒険譚」みたいな一冊をお姉さんと出したこともある、哲学者っぽい造り手で、その精神的な深さが反映されている。
もちろん、鴨のローストとかに抜群にあうのだけれど、もしかすると魚でもいけるかな、と思ったのは、酸度がやや印象があったから。
ラフマニノフ / 交響的舞曲 ( Rachmaninoff / Symphonic Dances ) みたいな、世界観? 笑。

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次に、Chateau Clarisse Vieilles Vignees Puisseguin-Saint=Emillion2017、シャトー・クラリスのヴィエイユ・ヴィーニュ、ピュイスガデン・サンテミリヨンの2017年、このワインは樹齢70年のメルローの老木から、生まれているのだ。
カヴェルネ・フランとのブレンドなのだそうで、ちょっとセパージュについては聞きそびれた。あはは。
でも、完成されたボディで、やっぱりダークフルーツとかバニラ、オークの香りのバランスが非常にすぐれており、そうだね、ボレロを生まれて初めてサンセバスチャンの街の中心部で聞いたときの、あの、高揚感を思い出した。
でも、長い余韻が、次第に高揚していく感じ、古木なので、あまりブドウの実がつかないので、その貴重な感じが、伝われば、感動が増えるボトル。
値段がちょっと高いみたいで、日本で買えるか、わからない。フランスでは、33ユーロ、5500円だが、日本だと、かなり、高いかもね。

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続いて、ぼくが家飲みしている辻家の定番、シャトー・ミランボー・パパン、今回、まさか、この生産者さん、グザビエ・ランドー氏に会えるとは思っていなかったので、ワイン協会のサプライズであった。
というのもぼくが家で呑んでいるワインは何か、と訊かれ、ミランボーパパンだよ、と言っていたら、突然、レストランにこの人が出現!!!!笑。
「え、まじ、あなたですか、いつも飲んでします」
と握手~。
このワインは友人のキャビスト、トマが推薦してくれて、彼の店では15ユーロで買えるので(日本では3630円でした)驚くほどに安い印象。
バランスがよく、あらゆる肉料理との相性が抜群で、タンニンも強いけれど重くなく繊細なのが特徴かな。とにかく、バランスがいい。
深みもあり、聞きやすい交響曲のような、一貫したステージングを披露する。細部に事細かなこだわりが宿っており、そこがね、いいんだよ。

滞ボルドー日記「3日で47杯のボルドーワインを飲んだ父ちゃんによるおすすめワイン特集」

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最後にもう一本、Chateau La Garde Pessac-Leognan2022 シャトー・ラ・ガルド、ペサックーレオニャン2022、フランスだと25ユーロくらいだけれど、日本だと5000円くらいで購入可能。
よく出来ているなァ、と思った赤で、バランスがとってもいいし、いくらでも飲み続けることができる深み、タンニンかな。
大きなグループが作り出すワインなんだけれど、実際に作っているのは、ギヨームさんで、ブルゴーニュ出身、奥さんがボルドレーだったことでこの地に居ついた珍しい人、
笑顔最高であった。
とにかく、決める時に決めてくる、ドヴォルザーク、交響曲第9番「新世界」第4楽章 Dvorak Symphony あたりが、似合うかもね。
どこをとっても落ち度のないバランスのよさ、逆に個性的とは言い難く、むしろ、完全に料理を引き立てる最強の番人的存在のワイン。食べ物を魅力的にするので、レストランでは間違いなく、重宝されるに違いない。家飲みの定番に加えたい、と思った。

滞ボルドー日記「3日で47杯のボルドーワインを飲んだ父ちゃんによるおすすめワイン特集」

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滞ボルドー日記「3日で47杯のボルドーワインを飲んだ父ちゃんによるおすすめワイン特集」

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
これ以外にもたくさん、おいしいワインがありましたが、何せ一年間で、5億本も生産しているボルドーなので、すべてを紹介できないのが残念です。時間をかけて、学んでいきたいと思いました。人生は続きます。あはは。

さて、そんな熱血ワイン父ちゃんからのおしらせですが、
フランスツアーが6月に行われます。パリは、ベルビルにある老舗の劇場「Le Zebre」にて行われます。チケットが発売になりました。在仏、在欧の皆さん、お時間があれば、ぜひに。
☟☟☟☟☟
●6月30日、パリ、Le Zebre チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-paris-concert-le-zebre-30-juin-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301135.html

そして、7月3日、リヨン、La Marquise
チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html

●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●7月後半から8月前半にかけて、日本ツアー、まもなく発表!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(詳細、待って)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟

https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator

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