JINSEI STORIES
退屈日記「初孫をご紹介します~、エリオスです。初孫を抱き上げる父ちゃん」 Posted on 2024/03/18 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、ということで初孫なのであーる。名前はエリオス!
いや~、めでたい。
おっと、しかし、ぼくの初孫ではない。えへへ。
悪友の呑もちゃんこと国虎屋の野本がおじいちゃんになったのだ。
ぼくはベビー用品店、プティ・バトーに行き、初孫のエリオスちゃんのために、かわいいジャケットを買ったった、笑。
今日、パリ、オペラ地区の国虎屋で、初孫のお披露目会が行われ、野本家の成員全員と野本の大事な仲間たちが一同に集まったのであった~、行ってきた~、めでたい。
自分のことのように、嬉しかった。
そして、ぼくがギフトしたかわいいジャケット、みんなが、かわいい~、と喜んでくれたのであーる。笑。
「辻さん、抱いてやってください」
といわれ、お母さんのうららちゃんに赤ちゃんを手渡された父ちゃん。ううう。
な、懐かしい。息子が生まれた時のことを思い出した。
ああ、この感じ、覚えている。
あの頃は、幸せであった。
その子も今、大学生なのだ。この子もあと20年で、大学生か、ああああ、その時、野本もぼくも生きているのであろうか?
あはは。
ま、そこまで考える必要はないが、人間の連なりというものを感じるのー。
孫か、ぼくがおじいちゃんになるのはいつのことであろう。
・・・ぼくも、おじいちゃんになるのであろうか。
くすぐったい気持ち、振り返ると、うしろに、照れる野本おやじがいた。
「おじいちゃん!」
エリオスを抱えたまま振り返り、後ろにいる野本を呼んだが、まだ、自覚がないのか、反応しない。あはは。
「まだ、慣れてないから、自分のことだって、わからないんですねー」
奥さんのますみさんが言った。
一同、大笑い。
そのあと、酒宴になった。
野本おじいちゃんは、集まってくれたゲストのために、おいしい焼き鳥やお刺身を出し続けたのだった。この人はずっと立っている。
それが野本らしい。
お孫さんは、風邪とかひくといけないので、途中で帰り、奥さんや娘さんたち(三人姉妹)も三々五々、家路についた。
残ったのは、野本の仲間たち数人、うれしい野本が離さない。次々に料理や酒がふるまわれたのだった。
呑もちゃんが、赤ちゃんを抱く姿は見られなかったが、終始笑顔で、最後は、孫は抱かなかったくせに、わが、三四郎を抱っこして、ご満悦になっていた。
幸せそうな顔をしていた。
ぼくがおじいちゃんになる日は来るのだろうか?
その時まで、ぼくは生きているのであろうか?
この世界はどうなっていくのであろうか。
地球が狭くなっているので、心配なのだけれど、実際の赤ちゃんはそういう不安を押しのけるくらいに、大きな存在でありました。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
時は流れていきますねー。そして、人間というものは肩寄せ合って生きていくものなのですね。エリオスを抱きながら、父ちゃんも、もうちょっと頑張ろう、と思った次第でした。えへへ。
さて、父ちゃんからのおしらせですが、フランスツアーが6月に行われます。パリは、ベルビルにある老舗の劇場「Le Zebre」にて行われます。チケットが発売になりました。在仏、在欧の皆さん、お時間があれば、ぜひに。
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●6月30日、パリ、Le Zebre チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-paris-concert-le-zebre-30-juin-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301135.html
そして、7月3日、リヨン、La Marquise
チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html
●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●7月後半から8月前半にかけて、日本ツアー、まもなく発表!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(詳細、待って)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟
https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator