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退屈日記「発表、大使であるぼくが選んだおすすめボルドーワイン」 Posted on 2024/03/07 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ボルドーワインのグランドアンバサダーに就任をしたのはいいが、なんと、今はボルドーのエコール・ド・ヴァン(ワイン学校)に入学させられることが判明、笑、した父ちゃん。
大使になったからには、学校でボルドーワインの知識を学ばないという規約があった、らしい。(最近、知って、自分のスケジュールに入っていたので、ちょっと驚いた)
3日間ほどの短期留学なのだけれど、笑、朝から晩まで、父ちゃんはボルドーワインの奥深さについて、専門の先生とマンツーマンで、しっかりと学ぶことになる。
その模様はこの日記で、また改めてご紹介するとして、それとは別に、今年、ボルドーワイン協会が選んだ50本のワインの中から、いろいろとテイスティングをした結果、個人的な「推し」ワインが二本、決まったのでご紹介したい。
50本全部を一年以内に紹介するのが難しいので、ボルドー側と話し合い、とにかく、ぼくが気に入ったワインを、まず、がんがん紹介しようじゃないか、ということになった。
名案。
ボルドーワインのすばらしさを、たとえば、この日記の読者の皆さんに、届けたい、ということなのである。
いわば、一点突破全面展開、ということだ。☜なんや、いきなりこの言葉!あはは。
ソムリエの大使の方がもう一人いらっしゃるので、その方に、日本の専門家の皆さんには他のワインをどんどん推してもらうことにして、ぼくは、勝手に、この二本が凄いと思ったので、昨日は、ツジビルの春祭りライブでそれを発表したのだった。
※今回のぼくには、価格帯として、1500円から5000円以内の、高くない、若手の生産者のワインを応援する、というミッションがある。
ということで、この二本なのであーるぱちーの。

退屈日記「発表、大使であるぼくが選んだおすすめボルドーワイン」



とくにおすすめなのは、YURIGUSA、(正式名称、エンソー・ユリグサノン・ヴィンテージ)と呼ばれるスパークリングワインだが、フランス中のクレマンを飲んできた父ちゃんにとって、このYURIGUSAとの出会いは驚きであった。
ともかく、完成度が突出している。シャンパンと比べてはいけないけれど、ものがぜんぜん違うからね、でも、シャンパーニュにも、いろいろとあるが、ブランドだから、やはりどうしても高額になる。
ところが、このYURIGUSAは、非常にドライで、かすかにグレープフルーツの香りもしつこくない程度、感じられ、フルーティな泡が苦手な方にも、許容範囲内の果実感で、しかも、砂糖が一切入ってない、ゼロドサージュで、かなりの辛口で切れ味が素晴らしく、いつまでも、飽きずに呑み続けることができる、傑作なのだ。
いや、実に美味い。
なかなか味わったことのない、きりりとした透明感の強いスパークリングワインで、シャンパーニュであれば、安いものでも、7千円くらいしてしまうところを、その半分ほどで購入でき、しかも、普通にもっていかれる底力があり、ぼくはこの一年間、をかけて、YURIGUSA一押しで、頑張ろうと思っているのであーるちゅーるらんぼー。

退屈日記「発表、大使であるぼくが選んだおすすめボルドーワイン」



退屈日記「発表、大使であるぼくが選んだおすすめボルドーワイン」

そして、もう一本は、赤ではなく、あえて、白ワインを選んだのだった。
ボルドーというとボディのしっかりした渋くて深い赤ワイン、みたいなイメージがあるが、そのイメージを壊すような、白ワインをもう一つセレクトさせてもらった。
白といえば、ブルゴーニュワインが有名だが、実はここ最近、ボルドーの若手の作り手の白ワインが、いい感じで成長中なのである。
そこで、いろいろと飲み比べて、高額ではない価格帯のワインの中から、父ちゃんはこちらの白、シャトー・ラ・ヴェリエール・ブランを推薦することに。
何がいいか、というと、ぼくは酸味が苦手なのだけれど、この白ワイン、かなり切れ味があり、とにかく、バランスのいい優等生なのである。
突出した癖と強さがない分、魚料理などとの相性が相当よく、かすかな塩味、つまりミネラル感もあって、口腔の中に広がりを持ち込んで来るから、いつまでも、おいしいが残り続ける、父ちゃんの好きなタイプの、まさに、白。そう、このバランスの良さは、多くの人に受けること間違いない。
ということで、この二本を父ちゃんは昨日、ツジビルで多くの皆さんに試飲してもらったが、まず白がアッという間に売り切れ、続いてYURIGUSAも消え、両方とも完売となった。
一人で6杯とか飲む猛者もいた。あはは、いいワイン会ライブとなった、ことをご報告したい。日本で買えるものなので、ワイン大好きな皆さん、ぜひ、お試しください。

退屈日記「発表、大使であるぼくが選んだおすすめボルドーワイン」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ワインはね、数が多すぎるから、ぼくも大使を引き受けた以上は、まず、自分で呑み比べて、この一年という期間内に、何か爪痕を残したいと本国のボルドー委員会メンバーにパリで直訴したのです。その結果、「父ちゃん、好きに選んで広めてよ、それがええわ」という結論になり、今日、このおすすめ二本のポスターができた、という次第です。飲んでみてください。おいしいよー。

父ちゃんの昨今・スケジュール

●小説「十年後の恋」集英社文庫版、重版!
●小説「東京デシベル」がイタリア、Rizzoli社から刊行されました。
●3月6日、ツジビル・ライブ(SOLD OUT)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟

https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator

●6月28日、ボルドー・ライブ、予定。(詳細待って)
●6月30日、パリ・ライブ決定(詳細、待って)
●7月3日、リヨンでライブ。(詳細、お待ちー)
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(詳細、待って)

https://www.instagram.com/japan.stories?igsh=MTA2dWFjODdsZnNrZA%3D%3D&utm_source=qr
新しいデザインストーリーズのインスタも再始動! 
https://www.instagram.com/designstories_paris?igsh=cHlpdGFvdWkyYmdj&utm_source=qr
・それから、ぼくのなりすましが、ファイスブックで暗躍していて、問題が起きている、というので、皆さん、フェイスブック、ぼくはやっておりません。なりすましには、近づかないように、友だち申請とかしないでくださいね。要注意です。
お知らせ、以上です。

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