JINSEI STORIES
滞仏日記「父ちゃん一押し、パリでお土産を買うなら、フレッシュ・マスタード!」 Posted on 2024/01/14 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、とにかく、パリに遊びに来た友だちたちが一番迷うのが「パリ土産」なのである。
「辻っち、パリ土産、何がいい? 嫁になんか買ってってやりたいんだけれど」
とよく言われるので、父ちゃんは迷わず、
「じゃあ、マイユのフレッシュ・マスタードにしてごらんよ」
とおすすめするのだ。
「フレッシュ・マスタード、何それ?」
MAILLEと書いて「マイユ」と読むのだが、1747年創業のディジョンのマスタードの代表的なブランド。
フランスのディジョンマスタードって、和辛子とはぜんぜん、別物で、当然だよね、あはは、辛くはないのだ。マスタードと言う言葉からくるイメージとはもっとべつなもの。
料理にあわせる、ソースとは言わないが、味を引き立てるクリーミーななにか・・・。
もちろん、ここのマスタードは日本の高級スーパーなどで普通に買えるし、種類も豊富。粒マスタードなどが大人気なのであーる。
ご存じの方も多いし、ファンも多い、ディジョンマスタードの「マイユ」!
しかし、パリだとマドレーヌ寺院の斜め前にある店だけで、なんと、フレッシュ・マスタードを買うことができるのだ。
※ 下の写真のようにマスタード・サーバーで一つ一つ、目の前でつめてくれます。
※ 追加料金で、こういうかわいいコルクも!
フレッシュ? つまり、作り立てのマスタード。
いくつかの種類があって、ポンプ(マスタード・サーバー)から目の前で一つ一つ、お姉さまが、詰めてくれるのである。
生ビールをグラスに注ぐ感じなので、えええ、ちょっと、驚く。
このフレッシュ・マスタード、とっても滑らかで、口触りが異常にうまい。
辛くて、鼻がつんとするイメージがあるが、ぜんぜん、違うのだ。
非常に洗練された酸味のあるクリーム状の、ほんもののマスタード。
マスタードという域を超えて、超高級マヨネーズみたいな、(うあああ、表現するのが難しい)、ええと、絹のマスタードみたいな舌ざわりなのだった。
最初、舐めた時の感動ったらなかった。
で、父ちゃん的におすすめなのは、黒トリュフとワインのシャブリで香りをつけられたフレッシュマスタードは、もう、絶品なのだ。
※ こういうかわいいポットに入っているし、色も数種類ありますよ。選べます。
で、その場で、試食もできるので、試して自分の好みを見つけて、ポットに詰めてもらえばいいのだけれど、このポットがね、もう、それほしくて、マイユを買う人も多いくらいに、かわいいので、マスタード食べたあとは、ぼくは絵筆をたてるツボとして、再利用しているのであーる。ほぼ、コレクター化している。
で、どうやって、使うのがいいか、というと、お肉とか、お魚料理に、使うのが一般的、父ちゃんの場合は、やや半熟の卵をカットして、マヨネーズとこのフレッシュマスタードを載せて、上にトリュフを削って、フラー・ド・セル、ピーモエスプレットふりかけ、がぶっとするのが好き、・・・。
というわけで、超おいしいし、やはり、かわいいし、お土産に最適なのである。パリにお越しの際は、マドレーヌ寺院を目指して、立ち寄ってみるのもいいであろう。
ちなみに、フレッシュマスタードを扱っているのは、パリ店以外だと、ディジョン本店、ロンドン、ニューヨークの四か所の「マイユ」ショップで購入できるよん。
ボナペティ!
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
やっぱり、お土産って、そこでしか、買えないものって、とっても喜ばれますからね、パリだったら、マイユのフレッシュ・マスタード、いいと思いますが、フレッシュだけに、トリュフ入りだし、けっこう、します。一番小さな小瓶で40ユーロくらい。高いけれど、フレッシュだからねー。半年は持つみたいですよ!!!
さて、今年の父ちゃんのスケジュールのお知らせです。
●小説「十年後の恋」集英社文庫版が1月19日全国発売。
●小説「東京デシベル」がイタリア、Rittoli社から刊行されました。
●2月28日から、新宿伊勢丹のアートギャラリーで個展(詳しくまたご報告します)
●3月3日、両国国技館、ギタージャンボリー出演。(検索ください)
●3月6日、ツジビル・ライブ(SOLD OUT)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟
https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator
●6月30日、パリ・ライブ決定(詳細、待って)
以上です。