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滞伊日記「発表!ローマ名物、カルボナーラの父ちゃん的一等賞が決まりました」 Posted on 2023/12/28 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ということで、ローマ発祥と言われる本物のカルボナーラを探すのが、今回のローマ旅の目的の一つ。☜、目的、ほかにも二つばかりありま-す。
で、仏語だとシャルボンは、炭、を意味するが、カルボンだから、ね、炭っぽいのだ。
いろいろと調べたところ、炭焼き職人風というパスタ名が、最初つけられた、のだとか・・・。
ま、詳しいいきさつはわからないが、カルボナーラは、グアンチャーレ(豚の頬肉を塩漬けして2,3週間熟成させたもの)とペコリーノ・ロマーノというチーズと、黒コショウで作られたパスタのことで、スパゲッティを使うことが多い。
一等賞と書いておきながら、実は、判断に迷うところはあるのだけれど、今日は無理やり、今回の「ローマの休日」で出会った一番おいしかったスパゲッティ・アッラ・カルボナーラをご紹介したい。
で、いつもイタリアに来る時に、参考にさせて頂いているユーチューバーさんとかブロガーさんがいて、一応、イタリア在住の専門家の意見に従い、初日と二日目は昼夜、昼夜と在伊日本人の皆さんおすすめのパスタ屋練り歩いて、連続してカルボナーラを食べた父ちゃんであった。ふー、胃がもたれた。あはは。
この食のあくなき追及、ほめてね。おかげで、胃薬を今日、買ったし、体重も増えていたのであーるぬーぼー。
で、その中に、Bさんという有名なユーチューバーさんがいて、その方が食べた「ラ・カルボナーラ」というお店に行ってみたく、(カルボナーラ発祥の店と謳っている店、しかし、不確か)、わざわざ予約をいれ、お店とやりとりをして、三四郎を徒歩でホテルから1時間以上、たぶん、90分ほど歩いて、長いトンネルをくぐって、やっとさたどり着いたら、なんと、休み!!! 
えええええ、と自分を疑った父ちゃん。
三四郎は、へたばって、足元で座り込んでしまった。どうなってるの? 
ネットで調べたら、そこは確かに休み、で、もう一軒の同名の店に、ぼくは予約を入れていたのであった~、ああああ、疲れたわー。(さすがに帰りはタクシーにして、その運転手さん、推薦の店へと向かったのであった)

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ともかく、在伊日本人の皆さんの推薦する店、地元の方々推薦の店、ホテル推薦の店、タクシーの運転手さん推薦の店など、一日、二回、カルボナーラを食べ続けた、父ちゃんであった。
日本のカルボナーラは、生クリームを入れて、あれだけの美味さと伸びやかさを引き出しているのだけれど、ローマ人に「生クリーム入れるの?」と訊いたら、鼻で笑われる。
ほんものは、生クリームは絶対に使わないのだ。牛乳も使わない。
日本だと、ペコリーノ・ロマーノが高価なので、生クリームなどでのばしているのだけれど、本場では許されない。
完全に違うものだ、ということを、最初に知って挑まないと、ローマのカルボナーラはすべてなんか違うねー、ということになる。
ちなみに、ローマの食べ物の塩味は半端ないので、ここも、最初に、知っておくといい。
日本人には確かに塩が強すぎるのだけれど、ぼくは、今のところ、そこまで「しょっぺー」という料理に出会ってない。ラッキー。

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「すいません、ストマコ(胃のこと)が調子悪いので薬ください」
「どうしたの? どういう症状?」
「その、一日二回、カルボナーラ食べていたら、おかしくなりました」
薬局中にいた地元の人たちが振り返って、大笑い、された、父ちゃん!!!
「そりゃあ、胃もたれすゆるよ」
ということで、粉状の胃薬、太田胃散みたいなものを、飲んだのだった。えへ。
はい、ということで、いろいろと食べ続け、薬局で胃薬まで買って飲んだ父ちゃんが、ああ、これはおいしい、と思ったのが、「LUCIANO」というお店のシグネチャー・カルボナーラ(看板料理のカルボナーラ、みたいな意味)という一皿であった。
批評の中には「みんなが世界一と騒ぐほど、そこまでおいしくなかった」というご意見もあったが、短い滞在ローマで食べたカルボナーラの中では、父ちゃん的には一等賞であった。
なぜ、おいしいのか、分析をしてみた。

滞伊日記「発表!ローマ名物、カルボナーラの父ちゃん的一等賞が決まりました」

※、こちらが「ルチアーノ」のカルボナーラ!

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※ これが、マルシェで買った、グアンチャーレ。

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まず、グアンチャーレだが、この店のは、シナモンで香りをつけている上に、一つ一つのグアンチャーレが太く、クルトンのようにカリカリして噛み応えがあった。
卵の凝固を防ぐことが大事で、失敗すると粉っぽくなってしまうからね。
生クリームや牛乳は使えないので、グアンチャーレを炒めて出てくる油をあらかじめ卵液に加えて、あのとろとろの状態を作り、そこに素早く、スポゲッティを投入し、ゆで汁と素早くあわせ、この濃厚ながら滑らかな味わいを作っているので、あろう。(想像です)
このグアンチャーレにどのようにシナモンの香りをうつしているのかは、わからなかった。
でも、給仕長がちょこっと秘訣を教えてくれたので、パリに帰ったら、真似してみたい。
なので、マルシェに行き、本場のグアンチャーレとペコリーノ・ロマーノを買ったのだった。後日、父ちゃんの料理教室で、やるので、お楽しみに!!!

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
まだまだ、父ちゃんと三四郎の旅は続くのです。このあと、ローマ一のパスタを探す旅へと向かいますね。ローマ一、ふふふ、どこでしょうねー。

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