JINSEI STORIES

滞仏日記「父ちゃんおすすめの魚介バーがオープンした。パリの穴場スポット!」 Posted on 2023/12/23 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、事務所近くのカフェで働いていたギャルソンのJさん、(冬になると、牡蠣を剝いてくれる魚介専門の給仕長)が、独立ではないのだけれど、そのカフェを離れ、そこからすぐ隣に、なんと、魚介専門のカフェ・バーをオープンさせた、という情報をゲットしたので、行ってみた。(オーナーは元のカフェのボス、この人もいい人なんだよねー。Sさん。ご近所だから、顔なじみ、という関係です)
さっそく、事務所のスタッフと、24日のオンラインライブのリハーサルの後、冷やかしに出かけたのだった。
おお、近い。徒歩5,6分、という距離じゃーあーりませんか。ル・ボンマルシェからも遠くない!!!
「すごいですね、おめでとう、素晴らしい」
「ありがとう、ムッシュ、来てくれたんですね」
そういうと、いきなり、
「これは、私から」
といって、ウインクをされて、白ワインをみんなにくれたのだった。ひゃあ、さすがご近所さんを大事にしてくれるー、涙~。
この日記の読者の皆さん、覚えているであろうか?
フランスがコロナ禍に突入して、にっちもさっちもいかなかったあの時期、人々がカフェに行きずらかった時期、2021年初頭とか、その頃だったかなァ、この人が一人、街角の牡蠣スタンドに立ち、ブルターニュから届いた新鮮な牡蠣の販売を開始、みんな恐る恐る、買いに集まってきていた時のことを。(日記にも書いたし、パリごはんでも撮影した?)
こちらが、2021年当時のJさんである。マスク、しているんだよね、この頃。

滞仏日記「父ちゃんおすすめの魚介バーがオープンした。パリの穴場スポット!」

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※ 2021年の12月、2年前ですね。この頃は、街角で牡蠣を売っていたJさんです。

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※ そして、今は、お店を任されています。この笑み、優しい人ですよー。

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ぼくがオンラインツアーをやった時も、撮影チームと通り過ぎようとしたら、いきなり、牡蠣を食べさせてくれた。そう、あの人がJさんなのだ。
元秘書の長谷川さんがよくここで呑んだくれていたっけ。ある時、お土産に、牡蠣を差し入れてくれたこともあったのだ。(長谷っち、Jがお店出したよー。パリに来たら、一緒に行こうねー)
もう、Jさん、うれしそうに、いろいろと説明をしてくれたのだけれど、要は、ここの売りはプラトーという魚介の盛り合わせ。(大きな氷の入ったプレートの上に、牡蠣、カニ、エビ、貝などが山盛りてんこ盛りに載ってる、あれ!)
でも、そういう大きなものを頼まなくても、小皿のタパス系がいろいろとあって、ちょっとつまみたい胃袋の小さ目の日本人には最適なのだ。
ぼくらは、ウフマヨ、アボカドのカクテル、スモークサーモン(お見事)、セビーチェ(たぶん、鯛のセビーチェかな。レモン味のすっぱいやつね)、などを、注文した。どれもおいしかった。
ぼくは24日のオンラインライブに向けて、深酒ができないので、軽く、2,3杯で終わらせたけれど、ノルマンディで食べる本場の魚介に負けてない、というか、勝ってる?
日系ノルマン人の父ちゃんには驚きの魚介バーの出現であった。
で、うれしいのは、ノンストップ営業なので、夕方、16時とかにふらっと行って、くだをまける、から、野本と次回は飲みに行こうかな、あはは。
年内はびっしりと仕事が入っちゃったので、ノルマンディに戻れない、ノルマン人の父ちゃんにとって、ここは、ふるさとの味を食べることのできる希少バーということになった。
ということで、Jさんのバーで食べられる魚介タパスをちょっと最後にご紹介しましょうね。
こちらです。ひゃあ、塩味抑え気味で、ヘルシーなのだァ。

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※ このサーモンが、たぶん、いちばん、売りですね。変なものが一切加わってないの、食べればわかります。その場でカット! だから、ちょっと厚め。

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※ こちらが鯛のセビーチェ。ペルーの魚介マリネですね。いや、なかなか新鮮でスパイシーで酸っぱい味でした。



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※ サラダがわりに、アボカドのカクテルかなァ。エビとかいろいろ入ってる。

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※ これがウフマヨ。ウフが卵、マヨも卵、という世界! あはは。マヨラーのぼくには欠かせない。ほんのちょっとカラスミが、もうしわけなさそうに、載ってる。

滞仏日記「父ちゃんおすすめの魚介バーがオープンした。パリの穴場スポット!」

※ こちらでは新鮮な魚介が、プラトーで食べることができます!!!

滞仏日記「父ちゃんおすすめの魚介バーがオープンした。パリの穴場スポット!」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
まだ、開店したばかりだから、グーグルマップにも出てない。バック通りとバレンヌ通りの交差点にあるカフェ・ヴァレンヌの二軒、となりに、「バレンヌ・シュー・メール」という名前で立っております。在パリの日本人のみなさん、旅行者の皆さん、遊びに行ってみてね、おいしい魚介が食べられますよ。ぼくのことは聞かないでくださいね。彼はぼくがどういう仕事をしているのか知らないし、このままの関係(いつもハットとマントかぶった変な日本人だと思われている)で、普通にお付き合いできるとありがたいです。事務所も近いので、そっとしておいてもらえると助かります。白ワインもおいしかったから、日本人には絶対におすすめです。えへへ。ただ、温かい料理はないので、そっちは、隣のカフェ・ヴァレンヌで!
開いているのは、12時から22時半まで、だそうです。日月お休み。

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