JINSEI STORIES
滞日日記「爆笑問題の日曜サンデー・TBSからのJwaveからのラジオ・ツジビル生配信」 Posted on 2023/11/20 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、今日はずっとラジオにかかわる日であった。笑。
午後一時から、爆笑問題の日曜サンデーに出演、・・・出演時間、6分。
で、何をしに行ったのか、というと、太田光氏の本を褒めにいった。彼のエッセイ集「芸人人語」だったかなぁ、とても面白かった。
で、田中さんとももちろん、会った。相変わらず、真面目な人たちだった。
世の中は「爆笑問題」をお笑い芸人とみなしているが、違うな。綱渡り世相芸人、もちろん、人間だから間違いもしばしばあるけれど、そこはみっちゃんが、バランスよく、手を差し出し、田中さんがまとめて、太田光の爆走を、上手に回避させていく。彼らの漫才を一度見たが、スカッとするね。
ということで、ぼくが出演したのに、お別れの曲がぜんぜん関係ない洋楽だったので、田中さんが、
「じゃあ、辻さんとはここでお別れになります。最初の曲は」
と言った瞬間、
「エコーズのZOOで、お別れです。さよならー」
とぼくが割り込むと、田中さんが困った感じになり、すかさず、太田光が、
「なんで、ECHOESじゃないんだよ!」
と怒鳴ったから、中の人たちが困っていた。あはは。
父ちゃんは、人を困らせる天才なのだ。
TBSのディレクターさんに見送られて、赤坂を離れ、六本木のJwaveへと向かったのだった。
Jwaveは、六本木ヒルズの中にあり、かつて、弟の恒久がそこでディレクターをやっていた。彼は佐野元春さんの番組のディレクターもやっていた。そのまま、続けていればよかったのにね。
その当時、弟と組んで一緒に仕事をされていたHさんが、ぼくに相談がある、ということで、出迎えてくださった。
Jwaveの会議室から見える、東京の景色が凄かった。
目の前に東京タワーが聳えていた。
パリ事務所から見えるエッフェル塔の佇まいとはぜんぜん違っていたが、確かに、その風景は東京そのものであった。青空百景、これこそが日本の風景だ。
とくに収録とかあるわけではなく、Hさんがどんだけ、ぼくのファンだったか、という話をされ、とくに、オールナイトニッポンをよく聞いてくださっていたのだとか、その当時の話がしばらく続いた・・・。
「辻さんに、個人的な人生相談をお願いしたいんですよ。たくさん、相談したいことがあります」
「はー、わかります」
オールナイトニッポンは深夜3時からの生放送だった。
いつも朝5時に局を出ると、元気なリスナーの皆さんが出待ちしてくださっていた。
ラジオが大好きだったぼくにとっては素晴らしい青春の想い出でもある。
Hさんとはこういう話から、ちょっとだけ、仕事の話へと・・・。
急にもちかけられた話で、どうしようか、悩んでいるが、前向きに検討します、と答えておいた。お楽しみに!
そして、ぼくはギャラリーTに向かい、そこからラジオ・ツジビルの生配信をやったのだった。辻村村営ラジオだが、有料放送なので、皆さんに、気安くすすめられないのが、残念だけれど、オールナイトニッポンに負けないパワーで、毎週、生でオンエアーしている。
今回は、Hさんから依頼されたような人生相談を、笑いあり、涙あり?、ギターを抱えて、即興演奏付きで、1時間半ほど、喋り倒した。
もう、この年齢だと、ラジオ番組を持つことは難しいので、好きだから、はじめたようなネットラジオであった。
Hさんと同じように、ツジビルの主宰者、天野さんは、子供の頃、オールナイトニッポンを聴いていた。ぼくの番組にカードをおくりつづけていた青年が、今や、放送作家さんなのである。責任はぼくにある!
ぼくのラジオを聞いて育つと、こういう大人になるのか、という二人の50代に会って、照れ笑いが続いたぁ~。
人生相談は、子育てのこと、自己嫌悪のこと、他人とのかかわり方について、などなどを語った。
お客さんに嫌がらせをされて、笑顔がひきつる、という人の相談に、ぼくは「バリアー発動」の術をすすめた。
ここはギター演奏付きで、笑い飛ばしながら、そういう関わりたくない人を絶妙にスルーする方法などを伝授しておいた。
仮面ライダーの変身ポーズのような「バリアー発動」ポーズがあって、それを詳細に教えたのだ。
「このバリアーは、他人には見えないので、発動すると嫌な人が視界から一時的に消えて、スルー出来るのです」
と暗示にかけた。
こういうのは、笑い飛ばしながら、その人の心をほぐしてあげることが大事だ。
実際、生きていると、嫌なことを言う人によく出会う。
還暦を過ぎたぼくでさえも、年に、2,3人は出会う。
そういう時、テーブルの下で手を右から左に波打つように移動させながら、バリアー発動、と心の中で唱えるのである。
変身したぼくには、その人が見えなくなる。向こうからはこちらが見えているが、バリアーが嫌味な光線をUVカットしてくれるので、心が楽になるのである。お試し、あれ。
聞き逃した方はぜひ、アーカイブで・・・、ふふふ。
※ 村営ラジオチーム。左から放送作家の天野JACK氏、中央が山下氏、そして、父ちゃん村長パーソナリティ、えへへ。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
東京滞在、ちょっと疲れが出てきました。今日は、ぐっすりと休ませていただき、また、新しい月曜日を迎えたいと思います。皆さんも、嫌なやつがいたら、ぜひ、「バリアー発動」で乗り切ってください。大丈夫です。なんとかなります。