某月某日、実は、シチリア行きの決め手となったのは、シラクサのオルティージャ島に、とにかく世界中のユーチューバーが撮影に行く、もの凄いサンドイッチ屋があるからであった。
二年ほど前、一本の動画をみた。
マルシェの一角の露店で、お爺さんがパニーノ（イタリアではバゲットサンドのことをパニーノと呼ぶらしい）を作っている。
世界中のユーチューバーがこれを撮影にやって来る。ほんと、マジ、みんな撮影している。
なぜかというと、とにかく、ダイナミックなパニーノなのだ。
焼いたバゲットを二つにカットし、まず、手で中身をくりぬき（たくさん入るようにくりぬくのであーる）、そこにいろいろな具材を載せて（いや、ぐいぐい詰め込んで）いくのだけど、それが、信じられない量の具材だらけなのである。
リールとかでも流れているので、ああ、あれか、と思われた方も多いことだろう。
オルティージャ島の名物パニーノ屋は「ボルデリ」というのである。
いやはや、すごい。
父ちゃんもカメラを回した。☜回したんかい！！！
回すでしょ！
２Ｇで「動物欧州横断日記第二段、シラクサ編」として近日公開予定なのであーる。
三四郎との犬旅はやっぱ痛快なのである。
あはは。
よくやるねー。☜好きなんだろね。

その店はどこにあるのか、というと、オルティージャ島の入り口にアポロ神殿の遺跡があって、さらに、その横にこじんまりとした常設のマルシェがあって、その反対側の入り口付近、魚屋の斜め前くらいに、「ボルデリ」があるのだ。
ぼくがカメラを回しながら進んで行くと、目の前に「Ｉlove BORDERI」と描かれたＴシャツをきたおじさんが立ちふさがり、
「ここでございますよー、あなたが探している店は！」
と笑顔で言うではあーりませんか。
「サウスコリアから来たのねー」
「違う違う・・・」
「いいのよ、どこから来ても」
なるほど、韓国でも話題なのだな。
とにかく、そのおじさんに強引に招かれて、中へと・・・。
「はい、ユーチューバーさんおひとり様～、ご来店～」
「違う違うって」

有無を言わさず、目の前で、どんどん作っていく。
その日は、名物シェフのお爺さんはいなかった。
若い人が作ってくれたのだけれど、やっぱり、がんがん詰め込んでいくのだった。
茄子とか野菜のグリルのようなもの、サラミも、チーズも何種類か入り、（もともと、チーズ屋さんらしい）、モルタデッラを広げて、重ねて、その中にドライトマトとか、いろんなものをぶっこんでそれをまるめ、まるめて、なんとバーナーで焼いて、その上だったか下に、モッツアレラチーズの分厚いスライスを載せて、あと葉っぱとか、ピスタチオのソースとか、ぶっかけて、バゲットで挟んで袋に詰めて差し出されたのであーる。
ラーメン屋さんにある「全部載せ」ってやつだ。
おにぎりの中に、梅も昆布もシーチキンも鮭もカツオも全部入ったおにぎり、みたいな・・・。
父ちゃんは、三四郎と港の横の木の下で、これを頬張ったのだけれど、おおお、うまいとか最高とか、そういうレベルじゃない、顎が痛い、とても食べきれないレベルだった。
ぜんぜん、食べても食べても終わらないので、おちょぼ口のおしとやかなマダムにはお勧めできないけれど、食欲旺盛なお兄さん、味は間違いないので、いらっしゃーい！！！

人生はつづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
１０月２３日にロンドン公演が決まったので、今はそのライブの調整で毎日、忙しい感じ、・・・めまぐるしいです。皆さんのコメントを読んで、笑ったのは、「辻さんの周りで何が起きているか、わからなすぎて、凄い」というのがあって、あはは、ありがとうございます。渡仏した時は、路上で歌っていましたからね、あれから２０年なんですよねー。少しずつ、少しずつ、前進しているってことで。
雨垂れ石を穿つ、の精神でございます～。
ということで、ご覧ください。石の上にも２０年、笑、オランピア劇場ライブの最初のYoutube画像が出来上がりました。シティライツ！　
☟☟☟

そして、お知らせです。７月１３日まで、父ちゃん監督作の「中洲のこども」が中洲大洋映画劇場で上映されておりますよー、福岡の皆さん、応援ください。
一方、小説家の父ちゃんですが、７月１６日に、エッセイの書き方などを学ぶ、父ちゃん講師によるオンライン授業もひかえています。エッセイ、書いてみたい、と思う皆さん、ぜひ、御参加くださいね。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックー。めるしー。