某月某日、何せ、トランクの中には日用生活品を詰め込んで来た。お箸とか醤油とかお皿とか、普段使っている生活必需品であーる。
旅先で、レストランに行って、毎日、イタリア飯では胃が持たない。
レストラン巡りは、大好きだけれど、外食ばかりは、父ちゃんの旅の仕方ではない。
その土地のものを買いに市場に行き、その土地でいつもの料理をするのが父ちゃんの旅のスタイルなのであーる。
ということでスーパーやマルシェに行き、知っているイタリア語を駆使して、うまい物をゲットした父ちゃんなのだが、ふふふ、失敗も、あった。
そもそも、サバだと思って買ったら、カツオだったり、なにせ、外見がサバにしか見えないのである。
でも、いいこともあった。
５００グラムの大トロを見つけたので、買ったら３ユーロ（４５０円）だったり、とか。
近海とれたてマグロの解体ショーから出てきた大トロが５００ｇでたったの３ユーロって、ひゃああ、日本では考えられないのだった。
ともかく、カツオ一匹と大トロ５００ｇで５ユーロ！　いくら円安でも、持ってけ泥棒状態なのであーる。
で、本日は、鮮度のいい大トロから食べることにした。

※　でかーーーい！　大トロ～。

もちろん、ササニシキも持ってきているので、葱とレモンも買った。立派な葱があったので、それとレモンを二つ買った。
「いる・こんと・ぷれふぁぼーれ（お会計お願いしますー）」
と訊いたら、１ユーロ、という。
えええ、どうなってるんだ、イタリーア！！！
とにかく、パリに比べると物価が安すぎる。これはもう、自炊しかない。
そこで、カツオは夜にして、昼間はごはんを鍋で焚いて、トロは刺身とネギトロを作って、食べることにしたのだった。

※　見よ。弘法も筆の誤りじゃああああ。おこげだらけ！！！　まずそー。それがこのおこげが醤油せんべいに早変わり。

ところがであーる。
三四郎のせいにしちゃいけないのだけれど、父ちゃんが料理をすると、何か貰えると思って、うちのわんこ、妨害しにくる。
本人は妨害しているつもりはないのだけれど、父ちゃんの足にからみついてきて、おこぼれを預かろうとしているのだった。邪魔で動けない。たまに、間違えて尻尾を踏んず蹴ると、きゃわーーん、と２オクターブくらい高い声を張り上げて、だから、あっちに行っててよ～、もう～。
じゃまでしょうがない。
宿の包丁が切れないから大トロを刺身にするのが大変だった。
一部は叩いて、みじん切りの葱と混ぜ、スーパーでゲットしたワサビと和え、オリーブオイル（しかなかった）を回し掛け、ネギトロを作ってやったった。
ここにレモンを絞って、おおおお、最高じゃーん。
しかし、トロをカットしている間に、飯ごう炊飯に失敗し、鍋底におこげを作ってしまったのだった。
ちょっとおこげならば美味しいが、結構、硬い餅状態焦げになり、ううう、と涙をのんだ父ちゃんである。
沸騰して火をとめないとならないのだけれど、お皿をかぶせていたので、見誤ってしまったじゃないか、三平め。えへへ。人のせいならぬ、犬のせいにしている・・・。
でも、おこげに醤油をかけて、パリパリせんべいにしてやった。あはは。美味い！
柔らかい部分のご飯にネギトロ載せたら、もー、最高であった。
ということで、夜はサバの塩焼きならぬカツオ漁師焼きにする予定だけれど、旅先のこういう料理は実に楽しい。
世界どこへ行こうと、父ちゃんは「マルシェを探すこと」から旅が始まるのであーる。

旅はつづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
さて、イスキア島の八重樫シェフから「来てよー」コールが激しいので、明日か明後日に、イスキアへ渡るためにまずはナポリに向かおうかな、と思っている。
今夜、移動手段を考える所存であーる。
そしてですね。７月１６日、エッセイ教室をやるんですよ。今回は、父ちゃんが普段どうやってエッセイを書いているのかを、具体的に、話そうと思っています。編集者さんから頂いた依頼をもとに、どういう風にエッセイを仕上げていくのか、書いていくのか、をご披露しながら、執筆のコツみたいなものを学ぶ９０分になれば、と思っています。課題もあります。課題は、提出したい方だけでけっこうですので、ご参加ください。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックね。

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