JINSEI STORIES
滞仏日記「アメリカ人ガイドに負けない、父ちゃんガイドなのであーる」 Posted on 2023/06/16 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、アメリカ人の集団が自転車に乗って、もの凄い数で押し寄せて来て、ともかく、パリはアメリカ人観光客の意外な集団行動に、注目が集まっている。
フランスに住むアメリカ人ガイドが先導して、数十人の自転車軍団、時には百台を超える電動二輪車セグウエイ集団がパリ市内観光地を移動し、周りの方々に「邪魔なのよ」という視線を浴びながら、疾走しているのだった。
アメリカの観光客の人たちのこの集団行動は実に不思議な光景だ。
中国や韓国や日本人ではなく、アメリカ人なのである。
アメリカ人のガイドさんが、アメリカ人ツーリストを案内して、コースを回るのだけれど、イタリア人とかブラジル人とか日本人はそういうツアーをやってない。
もしくはやっていても、かなり小規模なものだが、アメリカ人はへたすると100人単位で集団行動している。
ポイントポイントでガイドが停車し、全員そこに集まって、みんなで円陣組んで、ガイドさんの話を聞いているのだけれど、合理的だが、ちょっと異様に父ちゃんの目にはうつっている・・・、なぜ、アメリカ人だけなのか。
自分たちの世界の中だけの旅に見えて、アメリカ人ってもっと自由じゃなかったっけ、と不思議な気持ちになった。
これがパリだけじゃなく、地方の観光地でも同じで、ガイドさんに引率されたアメリカ人ツーリストが列を作って歩いているのだ。その横をスペイン人の夫婦や、韓国人の若者が通り過ぎていく・・・。
ともかく、今は、どこを見ても観光地はアメリカ人の集団ツアー花盛り。まさに、パリの夏の風物詩と言えるかもしれない。
※ 凄い数のアメリカ人ツーリスト団体なのであーる。まだ、うしろにかなりの行列が・・・。
ぼくも日曜日にオンラインのツアーを控えているので、アメリカガイドさんを見習い、今日は予定しているルートなどを、実際にカメラ回しながら、スタッフさん、おなじみ小田カメラマンらと検証したのであった。
サンジェルマン・デ・プレ界隈はぼくのパリゼロ地点でもあり、先日のNHK「ゆう5時」で有馬嘉男アナウンサーと一緒に歩いたところ・・・、
実は、オデオンやサンジェルマンデプレの界隈は、まさに、ぼくがはじめてパリに根を下ろした地点なのである。
ぼくの知るサンジェルマン・デ・プレ界隈を、歴史的にも、うんちくも含め、ガイドすることになるだろう。
ぼくの事務所はそこからそんなに遠くない場所にあって、この左岸の雰囲気こそ、父ちゃんワールドの原点なのだった。
オデオンにあるカフェ「エディターズ」とか「パレット」では作家仲間や画家たちとよく議論をやるし、サンジェルマンの「ドゥ・マゴ」とか「フロール」ではベルトランたちとオランピアライブの打ち合わせをやった。
出版編集者らと行くカフェ、音楽関係者と立ち寄るバー、日本人の飲み仲間たちと集うカフェ、いろいろとあるのだ。
集団行動をとるアメリカ人ツーリストたちの幸せそうな顔を横目に、ぼくは一人で、自由気ままにパリの小道を練り歩く予定、皆さん、ついてきてね、オンラインで、笑。
ぼくだけが知る、裏のサンジェルマン・デ・プレを歩きたい。アメリカ人ガイドさんとは異なる視点で、笑、知る人ぞ知る裏のパリをブラツジするのだ。
詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてください。
人生はつづく。
6月18日の地球カレッジは「セーヌ河岸から、サンジェルマン・デ・プレ散策」!!!
2023年6月18日(日曜日)20:00開演(19:30オンライン開場)日本時間・90分を予定のオンライン・ツアーとなります。【3日間のアーカイブ付き】
※アーカイブ視聴URLは、終了後(翌日を予定)、お申込みの皆様へメールにてお送りします。
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今日も読んでくれてありがとうございます。
そうそう、拙著、「自分流」が増刷されました。音楽や地球カレッジの裏側で、地道ながら、本も頑張っていますよー。
小説、書かなきゃね、えへへ。