某月某日、キッチンの崩壊寸前の棚が修理されたことは前回の日記で書いた通り。
キッチンは元通りになったのだが、工事人の若いおっちゃんがドリルで穴をあけ過ぎて、裏側のトイレの壁に大きな穴をいくつもあけてしまった、ことも、前回、書きましたよね・・・。笑。
で、その時の工事人ムッシュが今日、破壊した壁を修復するためにやって来た。

それで、ちょっと交渉をしてみたのだ。
実は、当事務所のトイレに、もちろん便器はあるのだけど、手を洗う場所がない。事務所のトイレに手洗い場がないって、不衛生でしょ、・・・。
フランスには日本のウオッシュレットみたいなものがほぼほぼ存在しない。
で、普通の古いアパルトマンは、日本ではほぼほぼ見かけない給水タンク付き便器の使用が一般的なのであーる。
便座の後ろにタンクが付いている奴のことよ、おくさん、笑。
で、当事務所のトイレには給水タンクはあるのだけど、その上に手洗いが付いてない。そこで、自分で頑張って取り付けようかなと思って、手洗い付きのタンク、をネットで取り寄せておいたのであーる。☜すごい、何でもできる。実は長谷っちがネットで見つけた・・・やっぱりね。
Youtubeに「トイレタンク取り付け、自分でやる方法・カンタン」というのがあったので、やれそうだな、と思ったら、これが、ぜーんぜん、絶対自分じゃできないでしょ、これをどうやって取り付けられるの、というほど、意味の分からない説明書なのであった。即座に断念・・・。
一時は、長谷っちが「自分がやります」と意気込んでいたのだが、実物を見下ろし、「先生、これは、素人が手を出しちゃいけないってやつですね～」などと言い出したから、さぁ、大変。こんなでかいの買ったのに、どうする？
そこで、今日、やって来た、トイレの壁を破壊した（修復しにやってきた）ムッシュに、
「あの、これ、とりつけたいんだけど、ぼくらには難しんだ。もしかして、やってもらえたりしないですよね？」
と訊いてみたのであーる。

訊くだけはタダなので、言ってみたら、いいっすよ、という軽快な返事。マジか。
ということで、このかっこいいお兄さんは、トイレのタンクを手慣れた手つきでちゃちゃっと交換してくれたのであったぁ。
金具とかも全部、新しいのに取り換えてくれたのであーる。
パリ事務所の一番のウイークポイントが改善されることになった。めでたい。
謝礼をこころばかし包んで手渡した。素敵なお兄様、恐縮していたけれど、ぼくには出来ないことだったので、むしろ、有難いのはこちらの方であった。
オランピアまであと四か月、ここで、インタビューを受けたり、スタッフと打ち合わせをしたり、ミュージシャンらと簡単な練習なんかもやるかも、・・・いろいろと忙しくなるので、トイレで手を洗えるのは素晴らしい進化であったぁ。
熱血。

フランスの建物はめっちゃカッコイイのだけど、中身はボロだから、修理したり、新しくしたり、やらなければならないことの連続である。
田舎の家も、１５０年以上の歳月が過ぎているので、ほっといても壁に罅は入るし、煉瓦は崩れるし、床はギシギシ鳴るし、どこもかしこも、修繕してごまかしつつ過ごすしかないのであーる。
ということで、トイレで手を洗うことが出来るようになったので、父ちゃんは記念に「大根餅」を作って食べることにした。
日曜日の文章教室からZOOM配信に最新カメラα６６００を導入することになったので、映像部長のピエールと文学部出身の長谷っちに手伝ってもらって、仕事部屋にカメラを設置・・・。
なので、二人にちょっと大根餅を作って差し上げた父ちゃんなのであった。

日本のネットによると、皆さん、大根の皮をむいて、すりおろして作る人が多いみたいだが、辻家は昔から、千切りにして炒めるのである。
スライサーを使うと便利だ。これは前にご紹介したジャガイモのガレットと同じやり方である。
ボウルに、千切りの大根、桜エビと葱をぶち込み、片栗粉と小麦粉ぶっかけ、ざーっと混ぜ、フライパンで両面をしっかりとやいたら出来上がり。あの大根が、もちもちのお好み焼きになるので、これは最高！　簡単でしょ？
「うわ、何、これ、ツジー、美味い～」とピエール。
ビールと大根餅、この世の極楽であーる。
ついでに、α６６００、なんか映画みたいな画質、すげー。いろんな色味が出せるけれど、解像度が高いから、皺とかシミまで、はっきり見えちゃう～、きゃああ。
日曜日の地球カレッジが楽しみである。お楽しみに。
ビールと大根餅を食べすぎ呑みすぎたピエール、
「ちょっとツジー、トイレ借りるけど」
と、言いだした。やったー、一番乗りぴえーる！！！
「どうぞどうぞ、こちらです」
と笑顔でご案内をした父ちゃんであった。笑う長谷っち。えへへ。
トイレで手を洗える。おおお、こんなことでうれしい、文明堂だぁ。
この物件は超、気に入っているので、末永く使わせて頂きたい。ともかく、オランピア劇場のライブが終わるまで、ここを拠点に頑張る所存の父ちゃんなのであった。
えいえいおー。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
今日、一つ、インタビューの申し込みがフランスメディアから来ました。フライヤーを配っていた成果が出てくれればいいのだけど、がんばるにゃん。
さて、明日（１月２９日）、いよいよ、このα６６００を使って、父ちゃんの仕事部屋からオンライン文章教室を全世界に向けてお届いたします。ピエールもいます。さんちゃんも、長谷っちも、みんないますので、ご安心ください。笑。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリック、ね！

ということで、フランスの歴史的音楽ホール、パリ・オランピア劇場での父ちゃんの単独公演、チケットは絶賛、発売中でーす。
直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。フナックでも買えます。
☟
https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/

フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、
☟
https://www.jalpak.fr/optionaltour/tsujiconcert/

そして、新作「辻仁成のパリごはん　2022年秋冬」(59分) 放送時間のお知らせです。
2023/2/17（金）後10:00～10:59【ＢＳプレミアム・４Ｋ同時】
2023/2/21（火）後5:00～5:59【ＢＳ４K】※再放送
2023/2/21（火）後11:00～11:59【ＢＳプレミアム】※再放送
さらに、
●「ボンジュール！辻仁成のパリごはん2022夏」の再放送が決まりました。
【NHK BSプレミアム】 2月12日（日）12:30〜13:29
（初回放送 2022年9月23日）
お知らせ多すぎますね・・・。メモしておいてねぇ。えへへ。