JINSEI STORIES
滞仏日記「三四郎の冬のコーデが発表されました。もう、寒くないね」 Posted on 2022/12/17 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、厳冬のパリなのである。
とにかく、毎日、マイナス2度、3度という日が続いているので、さすがに自前の毛皮を着ている三四郎でも、これは寒い。
朝の散歩も行きたがらない、無理もない。
少し前のこと、ミニチュアダックスフンドを飼っているご近所のナタリーさんが、体形にぴったりのマントを着ているツイッギーちゃんと歩いていた。
「わ、かわいい」
「これはね、テッケル(ダックスフンド)専用のメーカーなの」
「ほえ」
「テッケルって、胴長短足でしょ? 普通の犬服だとあわないのよ」
「そうなんですよ。胴長だから、うちの三四郎は尻尾までセーターが届かないんです。めくれた感じになっちゃって」
「ムッシュ、ここのメーカーなら大丈夫よ、胴長短足に対応しているし、可愛いの」
ということで、さっそく、戻ってネットで調べ、あまりに可愛いので、注文しておいたのだった。
それが今日、届いた!
やった。
で、さっそく、さんちゃんに着せてみたのであーる。
おおお、かわいい。
ところが、一つ問題が・・・。
これを着せると、なぜか、ごろんと横になり、寝てしまうのである。
え?? なんで、なんで、そうなるの?
どうやら、ピタッと温かい生地がフィットし、包まれた感じになるのであろう・・・。
動かない・・・
「おーい、散歩に行くよ」
しーん。
レインコートとか、セーターとかいろいろな種類があったのだけど、今回は、ぬくぬく素材のマントにしてみたのだ。
包み込まれる感じが気持ちいいのだろう、三四郎はこれを着て、ごろごろしている。ま、それもいいかな、と思って、父ちゃんも見守っている。
でも、これを着て、泥んこの中で転がったら、これ、セーターじゃないから手洗いとか難しそうだしな、といきなり頭を抱えた父ちゃん。
さんちゃん、毎朝、犬仲間たちと泥だらけになるまでかけっこをするので、いつも帰ったらお湯で洗い、セーターは手洗いしているのである。
この冬マントは手洗いというわけにはいかないね。
え?
じゃあ、犬公園で他の犬たちと走り回るのは無理か・・・、おっと・・・。本末転倒ではないか。出た、人生の節々で父ちゃんを困らせる「本末転倒」!
とりあえず、百聞は一見に如かず。三四郎が起きてきたら、これをもう一度着せて、散歩に出てみることにしよう・・・。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
昨日は鬱ってましたが、家事もせず、ぐっすりと寝たので、心地よく目が覚めた父ちゃんなのです。三四郎はここのところ夜更かし傾向がひどくなり、朝が遅くなりました。でも、寝ると気分が変わりますね。ぐっすりと眠れたので、疲れもふっとび、気分もちょっとアップいたしました。三四郎にマントを着せて、散歩に連れ出し、週末だから、ちょっと遠出をしようかな、と思っています。皆さんも、のんびりとお過ごしください。
お知らせです。
12月22日、父ちゃんの冬の散歩道と題して、住み慣れた父ちゃんの街(カルチエ)を歩きます。行きつけのカフェの前を素通りし、ロジェの肉屋の近くを通り、ベルメディさんのパン屋の前とか、お花屋さんや、大好きなケーキ屋さんをお教えしたり、もしかすると、その中の一軒でケーキを実際買ったり、そして、最後、ゴールはマーシャルの八百屋で、野菜を買う、という、いや、もしかしたら、ブリュノともじゃ男のカフェまで足をのばしてもいいし、そんな気まぐれなオンラインツアーをやります。ただ、父ちゃんとぶらぶら歩くだけの冬の散歩道、雨かもしれませんが、(天気予報によると、その日だけ曇り、前後、雨です)が、小雨が似合うパリなんですよ、あはは。ジャズとアートが似合う冬のパリを一緒に歩きませんか? 詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックくださいませ。
父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。
☟
https://linkco.re/2beHy0ru
それから、パリ・オランピア劇場公演のチケット発売中でーす。
直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。
☟
https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/
フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、
☟
https://www.jalpak.fr/optionaltour/tsujiconcert/