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滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」 Posted on 2022/12/10 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、毎日、キッチンで料理に向かうのが楽しい。楽し過ぎる。
マルシェに行き、スーパーに顔を出し、ワインカーヴで好きなワインを買って、村人たちと立ち話をして、別れて家に帰り、三四郎におやつでもあげてから、父ちゃんはキッチンで料理に勤しんでいる。これが実に楽しいのだ。本当に幸せを実感している。
もちろん、レストランにも行くけど、チャールズやジェレミーなどシェフ仲間たちに会いに、当然、楽しむために行きつつも、彼らの技術を盗みに行ってるというか、学びに行ってたりもする。
幸いなことに、ぼくは料理人じゃないので、これを職業にしないでもいいから、その点は気楽なのである。
ぼくは食道楽でいたいし、シェフたちを応援する側でい続けたい。美味しいは丁寧に生きる人生の基本、ライフの柱だからである。
ということで、田舎にやって来て、ぼくが作った主な料理を今日はご紹介したい。まだ5日目だけれど、こんなに作ったのだ。
どうです? この美味そうなご馳走たち。あはは。



滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」

滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」

※ 1,牡蠣のオイルパスタ。
田舎についてすぐに牡蠣を1ダース買って、それをオイル漬けにし、3,4日目がちょうど食べごろになるのである。オイル漬けにするひと手間と、それについやす時間を惜しまないことが美味いものを手に入れる最高の技術ということになる。同じように、ホタテもオイル漬けにするとふっくらして、美味いのだ。いろいろと悩んだけれど、カルパッチョにした。大量のニンニクを使っている。赤いのはエスプレッド唐辛子、超シンプルな味わいが、最高なんだよね。

滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」

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※   2,ベーコンレタスサンド
時間がない時でも、ベーコンはカリカリで、シャキシャキレタスで、トマトの輪切り、が鉄則なのだ。ぼくは18歳の時、下北沢の「木曜館」というカフェでアルバイトしていたのだ。そこの人気メニューがBLTであった。レタスを掌のあいだでパシッと叩くと水気が飛んで、しかもつぶれて、サンド感が最高なのであーる。ソースは、オーロラソース!

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※   3,おにぎり定食
残りもので作ったおかず、それと、おにぎり。これはいわゆるおにぎり弁当なんだけど、ちょうど、パリから田舎に着いた時に食べたご馳走であった。過去記事で詳しく書いたので、ご参照あれ。



滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」

※    4,東京のコムフォーという会社が出しているインスタントのフォー麺を使用。スープがかなりあっさりしているので、ニョクナム、レモンなどをちょっと加えると、かなーり、美味しくなる。ここのフォーは和食感があり、日本人にもぴったしだと思うのであーる。葱やシャンピニオンを、薬味に。

滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」

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※    5,チキンクリームソース
マッシュルームが好きでね。こっちはもの凄く安いので、これに生クリームを加え、チキンソテーにかけて食べるのだけど、表面だけカリッと焼いたら、あとは弱火にしてね。そうすると、柔らかさを維持できるのであーる。

滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」

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※     6,タルティフレット
ま、ようはグラタンなんだけど、これは、今日、残ったのを二日ぶりにチンして食べたのだが、とろーり最高だった。ジャガイモをケチらないこと、大事である。いいジャガイモで作ると、日持ちもいいね。

滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」

※     7、けやきホタテラーメン
札幌のけやきラーメンをベースに、上に、ホタテのバターソテーを載せただけのものだけど、既製品の一工夫が、やはり、料理を、よりおいしくさせるのだ。味変というと製造者さんに失礼だけど、そういうのりしろを与えてくれる既製品こそが、イイものだとぼくは思う。コムフォーのフォーなんかも、ベースのスープと麺だけだから、アレンジしやすかった。はい。



まあ、いろいろと作って食べてきたのだけど、どれもやっぱりそれなりに手間がかかっているものばかり。
ぼくは仕事の合間、三四郎を育てながら、多くの悩み事抱えながら、その合間合間の時間を有効に使って、買い物や仕込みや料理をしている。
これらが一日をびっしりと繋いでいく。
いろいろなことで埋まっていく充実した毎日に、感謝しながら生きなければならない。
それが父ちゃんのロンリーライフの基本形なのであーる。
まさに、ぼくにとっての充実なのだ。えへへ。

滞仏日記「丁寧に料理をしながら穏やかに生きる父ちゃんのロンリーライフ」



つづく。

今日も読んでくれてありがとう。
ぼくの音楽を聴いていただけましたか? こういう穏やかで美味し日常生活の中で、ぼくは音楽を紡いできました。その一曲一曲に、自分の人生の哲学、生き方、人との接し方思い方愛され方が詰まっています。ぼくもダウンロードしようとしたのだけど、やり方が分からなくて、今、再挑戦しているところです。多分、日本とフランスの時差のせいだとは思うのだけど、8時間の時差があるので、まだ出来ずにいます。それでも、自分でお金払って、自分の携帯に自分の愛すべき音楽が入るのが待ち遠しくてなりません。携帯も新しいのに変えたので、ちょっと嬉しいかもォ~。
あ、それから、ぼくが暮らすパリをクリスマスの直前に歩いてみようというスペシャルイベントを開催しまーす。今回は自撮りではなく、カメラマンさんが同行をして、20年間、生きてきたパリのカルチエ(街)を12月22日にブラツジ散歩。ゴールで待ち受けるのは、「パリごはん」でおなじみの八百屋のマーシャル。のどかで幸せなひと時を一緒にブラツジ出来たらなぁ、と思います。冬の散歩道、ご参加を希望される皆さん、下の地球カレッジのバナーをクリックくださいませ。

地球カレッジ

お知らせ2です
父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」が昨夜、配信&販売開始されました。お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。

https://linkco.re/2beHy0ru

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チケット発売中でーす。
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