JINSEI STORIES
退屈日記「東京・うまいもの図鑑。父ちゃんは最近、東京でこんなものを食べている」 Posted on 2022/11/11 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、東京に入って自炊をして心のバランスを取り戻したのもつかの間、映画の仕上げ作業がどんどん佳境に入っているので、再び、外食が増えてしまった。
映画の仕上げ作業はだいたい18時に終わるので、宿へ帰る道すがら、ラーメン屋さんに立ち寄ることもあるし、立ち食い蕎麦なんかも父ちゃんは大好きなので、あと、ココイチとか、あはは。
スタッフさんらと居酒屋に入ることも、仕事関係の人に招かれて高級レストランで会食会議ということもママある。
でも、どこも美味しい。
息子がいれば、そのために料理をしたいと思うのだろうが、今は疲れ切っているので自分のためには料理する気分にならなくなった。
じゃあ、外食だ。ならば、うまいもの!
ということで父ちゃんが最近食べたうまいものをちょっとご紹介!
ふらりと立ち寄った熊本ラーメン。実は、父ちゃん、博多とんこつラーメンよりは、肥後らーめんがちょっと好きだったりする。あの、焦がしニンニク醤油が好きなんだよね。えへへ。
新宿三丁目にあるスペインバル。10年に一度、顔を出すのだけど、一つ年上の先輩がシェフ作のここのスペインコロッケ(生ハム入り)、本場スペインよりも、マジ、うまいんだよなぁ。もう、これは天下一。皮パリじゃなく、皮が厚みがあってしっとりしている。中はとろとろ。ここも、たまに行くと、カウンターの端っこで、幻の妻と、呑んでいます。えへへ。見かけても、そっとしといてやってください。石など投げないように!!!
フランスはこういう韓国焼肉屋さんがないので、というのはやっぱり肉が赤身しかないし、消防法かな。笑。こちらは名物「バターヒレ」でも、ハラミはやっぱ、最高だね。
こちら、中華の名店ですね。たまたま、こちらのハンサムなシェフは昔からよく知っていて、日本に立ち寄ると、顔を出す。中華なんだけど、20年前にはじめて食べた時は、概念が覆された。今や、老舗中華レストランですね。ぼくは、ここも、必ず一人で行くんです。友だちいなさすぎ・・・。あはは。世の中、ばり方麺が主流だけど、ここのは柔らかい。あー、いいね、たまにはこういう優しい麺、と思うのであーる。
ということで、いろいろなものを食べているのだけど、あんまり量が食べられないので、ちょっとずつ、残さない程度に注文をしています。一食一食に、感謝が生まれますね。料理人の皆さん、本当にご苦労様です。いつも美味しいものをありがとう。たくさん食べられなくて、ごめんなさい。大食漢を必ず連れていくようにいたします。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
「世界一受けたい授業」というテレビ番組で拙著「父ちゃんの料理教室」が取り上げられるらしく、大和書房の八木さんから・・・。11月19日の土曜日だそうです。ぼくは出ませんが、詳しいことがわかったら、またご連絡します。