JINSEI STORIES

第六感滞福日記「ぼくは博多のパワースポットで邪気を払った。邪気退散、博多は快晴第六感 Posted on 2022/10/25 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、やはり、何か嫌な気配というか、博多に入ってより続くこの悪い霊の気配が周囲にたち込めていたので、ぼくは撮影の合間を見計らって、撮影隊から抜け出し、「櫛田神社」に邪気払いに出かけたのである。
ここは古くより博多の氏神・総鎮守として信仰を集めている霊験あらたかな神社なのだ。 もちろん映画「中洲のこども」のテーマの一つでもある博多祇園山笠などの祭事の中心地でもある。
ここには何度もおまいりをしているし、映画の祈願もさせて頂いた。
この神社の中にご神木などパワースポット的ポイントがいくつかある。(黒牛がぼくを出迎えてくれた)
手を叩いて、「どうぞ、この作品が完成し、大勢の人に愛されますよう、お力をお貸し下さい」とお願いしていた。(実は、悪い霊を払って貰いたかったのだけど、手を合わせた時、なぜかぼくの口から出たのは、映画の完成祈願であった)
ともかく、ぼくはすっとしたので、撮影に戻った。
すると、不思議なことが。
午前中は大雨だったが、櫛田神社にお参りをしてから、快晴にかわり、これまでにない光に中洲全体が包まれたのだった。
なんとも、素晴らしい光だった。
すでに川の流れのシーンは撮り終わっていたのだけど、美しい光に包まれた川と再撮を行うことになった。
この場面でエンドロールが流れ始める予定である。
邪気は見事に退散した。

第六感滞福日記「ぼくは博多のパワースポットで邪気を払った。邪気退散、博多は快晴第六感

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こういう話をすると、多くの人が「辻さん、あんたって人は」と失笑される。
でも、笑われようと、こういうこと、つまり見えない世界の見えざる手が人間には何らか影響を及ぼしている、ということは個人的に事実だろうと疑わない。
ぼくは信仰も持たないし、宗教観などもそもそもないのだが、ただ、生き物として科学では表せないもう一つの世界とのかかわりを大事に持って生きている、のである。
同時に、先祖は大事にしたいし、感謝を持って、生きていきたい。
この中洲の映画をなんとしてでも撮りきりたいという思いが強いのは、自分の祖先が九州の人であり、福岡に実家があるからであろう。中洲の人たちの人情も好きだ。
実は、最初、中洲を舞台にした映画を中洲で撮影できるとは思っていなかった。
西日本最大の歓楽地だし、いざこざも多い場所だから、「撮影は困難だよ」と周囲の人に反対もされたりもしていた。
まずは、この地の年配の方々に挨拶をし、山笠の偉い方々にもお会いし、中洲流の台上がりも務めさせていただき、少しずつ少しずつ中洲の方々の理解を得て、やっと、撮影にこぎつけることが出来たのだった。
人間のパワーでつかんだ撮影でもあった。(あるいは、霊的な応援もあったかもしれない)
クランクアップを明日に控え、ぼくに言えることは、中洲の人たちはやはり人情深く、山笠の力は大きい、ということである。
それが証拠に、ぼくらは中洲の中に入り、中洲流の人たちの生き方までも撮影が出来た。撮影不可能と言われていた山笠の映画を撮ることが出来たのだった。

第六感滞福日記「ぼくは博多のパワースポットで邪気を払った。邪気退散、博多は快晴第六感

※ 右が緋真、左が蓮司!

第六感滞福日記「ぼくは博多のパワースポットで邪気を払った。邪気退散、博多は快晴第六感

※ 撮影隊のアイドル、中堀さん。なごむー。



明日、クランクアップなので、今日、数人の俳優が「オールアップ」をした。少女緋真役のさなちゃんも、康子役の大國さんも、根岸役の万丈さんも、富樫役のてつくんも、山笠の若い衆の後藤君も、今日、クランクアップだった。櫛田神社を出たところで私服に着替えた後藤君とすれ違った。すでに別人であった。
「あ、どうも。お疲れ様でした」
ぼくはお辞儀をした。
多くの人の応援で、この作品は出来上がっている。街を歩いていると、「辻さん、映画お願いします。なんとか完成させてください」と声援を頂く。櫛田神社でも、一緒に手を合わせてくださった方がいた。ありがとうございます。そういう様々な人の応援を得て、この作品はもはや、誰かの作品ではなく、戸籍のない少年(日本は780人もいるのです)が生きるための映画が出来上がりつつあるのである。
この日記を今日、書いているぼくは、本当にすっきりしているのだ。
これは櫛田神社のパワーのおかげであろう。
明日は間違いなく、クランクアップできる。
そうだ。忘れちゃいけない。
「合言葉は熱血!」

第六感滞福日記「ぼくは博多のパワースポットで邪気を払った。邪気退散、博多は快晴第六感

※ 熱血でいくよ。



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
今、自分が福岡にいるのが不思議ですけれど、世界中からメッセージが届いています。ぼくが生きている間にやらないとならないことが少しずつ見えてきました。頑張って生き抜きたいと思います。

地球カレッジ

第六感滞福日記「ぼくは博多のパワースポットで邪気を払った。邪気退散、博多は快晴第六感



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