JINSEI STORIES
滞仏日記「新しいキッチンをどう快適にするか、新たな課題に興奮するの巻」 Posted on 2022/09/22 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、今日も、小さな幸せをかきあつめて生きる父ちゃんなのであーる。
本題に入る前に、最近の父ちゃんの「一人飯」をご覧頂きたい。
気管支炎になって苦しみながらも、早く元気になるために、栄養のあるご飯作りだけはおろそかにしていない。えらい。
すでに、キッチン用品のほとんどは段ボール箱にしまったので、今あるのは最低限の道具ばかり・・・。
なので、複雑な料理はできないのだが、シンプルイズベストな丁寧なごはんで毎日を彩っている。
それと、引っ越しまでに冷蔵庫、冷凍庫の材料を使い切ってしまわないとならない。
食べ物を疎かにするわけにはいかないので、工夫しながら、料理に挑んでいる。
今日は、冷凍庫に納豆、冷蔵庫にたくわんを発見したので、納豆炒飯を作って、その上に目玉焼きを載せてみた。ちょっと、ダンチュー、みたい。
先日は、冷凍庫に凍った鶏肉を見つけたので(あはは、当然である)、炭火焼風にして曲げわっぱの弁当箱に詰めてみた。美味かったー。
冷蔵庫の食材をあますところなく使って、ここを出ていきたいと思う所存である。
※ 父ちゃんが焼きめしを作ると、本当に焼きめしになる。この黒い炒飯が辻家の焼き飯なのだ!!!
※ 焼き鳥も弁当箱に詰めるとぐんと美味そうになる。味噌汁を添えたら、なお、美味そうになるのじゃ。
ということで、今日は新しいアパルトマンに下見に行ってきた。
引っ越しを前に、慣れ親しんできた古いキッチンに負けない、使い勝手のいい新しいキッチンにしたいと、いろいろと構想を練っているところなのであーる。
生活の基盤は田舎になるので、パリの新しいキッチンは生活感も大事だけれど、料理の開発などにも使えるキッチンセンターにするのはいかがであろう。←開発って。
料理雑誌dancyuでレシピ連載をやっているので、その撮影とかにも使いたい。名付けて「父ちゃん・キッチン・スタジオ」とかどうじゃろう? おお、それだ、それがええ!!!
パリのキッチンは、料理の開発とか撮影もこなせる場所にしたらいいじゃんね~。しかーし。そこまで広くないのが問題なのだ。えへへ。
一人暮らしには広いけど、「父ちゃん・キッチン・スタジオ」には狭い。帯に短し襷(タスキ)に長し、なのである。
でも、ジャパンストーリーズも創刊したことだし、フランス人読者に向けて「父ちゃんの和食講座」とか、やったらよくね? (デザインストーリーズにももちろん、転載します)
着物とか着て、和食の手ほどきの発信基地になればよいのである。おおお、グッドアイデアじゃああああ!!!
相変わらず、転んでもタダでは起き上がらないずぶとさ、見習いたい。←おいおい、だれじゃ、お前さん、
となると、カメラの位置とか、照明の位置も考えないとならない・・・。ふふふ。こうやって人生をどんどん、楽しむのが父ちゃん流なのである。
さて、と、新しい事務所兼自宅にやってきた父ちゃん。キッチンを前に腕組みをしているのであーる。三四郎が足元を走り回っている。
東京で買ってきた包丁とかトングなどを、ちょっと持ってきたので、引き出しの中に、そっと、置いてみた。おお、いい感じである。
冷蔵庫の置き場所がいま一つ分からないが、食洗器と全自動洗濯機はここに置くことが出来そうだ。
オーブンはついているので今使っているのはとりあえず、地下にしまっておくか。
収納スペースは結構あるので、助かる。
何がうれしいかって、今時、電気じゃなくガス台なのだ。ガスで料理が出きるって、嬉しいじゃないのー。
田舎のアパルトマンはIHなので、差別化が出来る。
それぞれの持ち味をいかした料理の研究が出来る!←愛情料理研究家
ぼくは2時間くらい、キッチンで、ああでもないこうでもない、と構想を練って楽しんだのでした。ちゃんちゃん。
つづく。
ということで今日も読んでくれてありがとうございます。
新しいキッチンで料理をするのが楽しみで仕方ありません。NHKの「パリごはん」も秋冬版の撮影もあるし、さっそく役立ちそうなので、お楽しみ~。
さて、そんな父ちゃんからのお知らせですが、まずは、「ボンジュール、パリごはん、夏編」が明日、23日に、放送となります。ほーそうかい。えへへ。
■「ボンジュール!辻仁成のパリごはん2022夏」
本放送:2022/9/23 金曜日 22時〜22時59分
番組ホームページもできましたのでお知らせします。
https://www.nhk.jp/p/ts/6XW8NZ748V/episode/te/ERJW2WJQ8B/
そして「2022春」「2022夏」はオンデマンドが1年間になりました。
より長くオンデマンドでは視聴いただけます。
小説教室が本放送の翌日、9月24日(土)に迫ってきました。熱血でいきます。一度は小説を書いてみたいけれど、小説の敷居が高く感じて、なかなか書けないとお嘆きの皆さまに、わかりやすい、父ちゃんの小説講座です。愉しみながら、小説を書いちゃいましょう。
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