JINSEI STORIES
一人飯日記「一人飯をどうやったら楽しくさせられるか、とある秘策を思い付く!」 Posted on 2022/09/11 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、ちょっと体調がよくない。(夏の疲れが・・・)
日曜日になると、だいたい、身体が「休もう」とする。今日はごろごろとしている。
ここのところ、一人分量のごはんを作るのにもなんとか慣れてきた。
白ごはんは、昼に、一合の米を炊く。それを昼と夜にわけて食べる。
先日は鳥の骨付きを2本買い、解体し、骨でダシをとり、(鶏の骨はダシが優しく出せるし、昆布などとの相性もいいので、身体に美味しい。美容と健康のために)
これで、ラーメン・ライスと焼き鳥丼を作ったのだ。ここで父ちゃん自慢の半熟卵の登場。葱さえあれば、一日は大変美味しく過ごせるのであーる。叉焼は日本で真空パックのやつを買ってきておったので、これが、超便利、えへへ。
で、ふと思いついたことあり、ちょっと試しに、焼き鳥を弁当箱に詰め込んでみた。
おおお、懐かしい。
一人ご飯のために、いくつものお皿を出すのはちょっと大げさだし、食が細いので、弁当箱がいいんじゃないか、と思ったら、これが実にマッチング。
懐かしいし、実に楽しいことに気が付いて、一人の時は、弁当箱でしばらく食事をしましょう、ということになって、るんるん。
弁当箱にごはんや具を詰め込んでいる瞬間がまた楽しや。
で、弁当箱ならば、かしこまらずにどこでも食べることが出来て、これまた楽しいのである。寂しくない・・・。
「いいねー。父ちゃん、冴えてるねー」
独り言も快調である。
で、翌日はダシが完成しているので、ラーメンにする。えへへ。いつものパターンである。
一人だと食事がつまらなくなるので、そこらへんが大きな課題になる。
弁当箱につめたり、音楽をがんがんかけながら、キッチンでダンスしながら立食というのもこれまた楽しい。
しかし、こういうのを毎日、週に七日間も続けているのは身体によくないので、平日のランチとかは、時間を持て余したママ友と話題のレストラン行脚をし、夜は暇そうな会計士さんとか、野本ちゃんや最近ぼく周りの手伝いをしてくれている長谷川さん(そのうちご紹介します)などの男性陣とカフェ飯、という父ちゃんであった。女性は明るい時間にランチ会で、主婦話題で盛り上がり、ムッシュたちとは少し暗くなりだした頃にインフレとか税金話題で盛り上がる、父ちゃんであった。
ところで昨日は、めんつゆを使わないで、一から蕎麦出汁を作り、引っ越しの片づけなどをしながら、日本から持ち込んでいた真空パック包装のとろろをひいて、とろろそばを食べて盛り上がった父ちゃん!!!!
うまい!!!!
丁寧に、丁寧に、料理を楽しむことが、週末の父ちゃんの幸せなのであります。
えへへ。
つづく。
ということで、今日も読んでくださり、ありがとうございます。まだ、日本から戻ったばかりなので、冷蔵庫の中には日本の食材がたくさん。一昨日は、明太子と蕎麦の実を組み合わせた和風パスタを作って、これが超、大成功。あまりに、美味しかったのだけど、暇そうな三四郎に、これはうまいぞ、お前には無理だが、こんなの食べたことがないんだ、と声をかけてみましたが、反応はありませんでした・・・。やれやれ。
さて、お知らせです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■「ボンジュール!辻仁成のパリごはん2022夏」
本放送:2022/9/23 金曜日 22時〜22時59分
■「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2022 春」
【再放送日時】2022/9/17 (土)前11:00~11:59<BSP-4K同時>
―――――――――――――――――――――――――――――――
それから、小説教室が9月24日(土)に迫ってきました。一度は小説を書いてみたいけれど、小説の敷居が高く感じて、なかなか書けないとお嘆きの皆さまに、わかりやすい、父ちゃんの小説講座です。愉しみながら、小説を書いちゃいましょう。
詳しくは、下の地球カレッジのバナーをクリックくださいませ。