JINSEI STORIES

滞仏日記「主夫目線の父ちゃんが、仲間を集めて、発信したいこと」 Posted on 2022/04/08 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、朝から、デザインストーリーズの編集会議があって、個人ブログだと思われているのだけど、(小さなオフィスもあり、数人のスタッフが編集作業をしており)だらだら、今日は、午後まで会議を繰り返した。
デザインストーリーズは「主婦(主夫)目線のオンライン生活ジャーナル」を目指している。笑。主婦目線ね・・・。
生活や日常や社会や政治や娯楽やコロナや戦争など生きることすべて(ペットも含む)を欧州から日本へと配信しているのだけど、月に一度、編集者が手弁当を持ち寄り、意見の交換会が行われる。
ぼく以外はすべて、フランス人と結婚された在仏の主婦の皆さんで、おなじみセギュールさんとか、表には出てこないけど、モーリヤックさんとか、マントさん、マリーさんとか、要は名字がフランス人の人が多い。笑。お顔はめっちゃ日本人であーる。通称、醤油顔軍団!!!
セギュールさんは、名前が、ちえみさんで、そのギャップが可愛い。〇眼鏡の飾らないお母さんなのである。あはは・・・。すいません、ばらしてしまいました。(前回の編集会議で、「セギュールちえみ」をみんなで検索したら、彼女がつくった家庭フレンチのつくレポがいくつか出てきて、編集部内で大きく盛り上がったのであーる!ありがとうございます!!! )

滞仏日記「主夫目線の父ちゃんが、仲間を集めて、発信したいこと」



滞仏日記「主夫目線の父ちゃんが、仲間を集めて、発信したいこと」

で、ぼくも含め、みなさん、いい年齢なので、お弁当を持参して会議に挑むのだが、ぼくは今日、ちょっと朝から仕事が立て込んでおり、お弁当を用意することが出来なかったので、近所のおにぎり屋さんで、「イクラと鮭のお握り、小エビフライのお握り」を買って、参加した。(小エビが超美味かった! そこの店も皆さん、日本のマダムたちだった!共感!)
みんな主婦たちなので、持ち寄ることが多く、セギュールさんは料理研究家でもあるから、きゅうりの辛いお漬物を持ってきてくれてそれをつまみながら、わいわいと意見交換をしたのであった。
テーマは「長期化するウクライナ戦争が世界中の市民生活に与えるだろう様々な影響」についてであった。
ガソリン代が一リットル2€になったパリ市内。田舎だと1€70くらいでまだ買えるのはどういうからくりなのか、とか。ウクライナから小麦が入らないので、スーパーのパスタ売り場ががらがらになっているぞ、的な情報、フランス人が好きな日本の食べ物のランキングとか。

滞仏日記「主夫目線の父ちゃんが、仲間を集めて、発信したいこと」

迫った大統領選の行方(マクロン対ルペンの大胆予想)、なぜ、円が対ドルや対ユーロに対して、一人負けしているのか、日本に及ぼす長期的な影響など、生活にかかわるあらゆる問題についてとか、たとえば中には「主婦目線」の主婦とか主夫という単語は使わない方がいい、という意見まであり、議論を繰り返したのであーる。
今後、戦争が長引くと、食卓にどのような影響が出るのかを試算したり、・・・。



編集部はそれぞれ、担当のライターさんを抱えており、各国にいる主婦の作家さんと繋がっている。
「パリ最新情報」「パノラマ」などの主力ライターの皆さんも、七割は主婦の方ばかりなのだ。現在、50名ほどが在籍している。
ぼくが主婦の皆さんと一緒にウェブサイトマガジンを作ろうと思ったのは、やっぱり、自分が主夫として生きてきたから・・・、話題が一緒だからなのである。
どこのマルシェが安いとか、季節ごとにどういう野菜がいいか、どういう料理が今流行っているか、お菓子の作り方、どこのチョコやケーキがおいしいか、などなど、ぼくにはよくわかる分野なのである。えへへ。
ぼくは、たぶん、おじさんというよりも、おばさん化が激しいのだと思う。最近、見た目も、どんどんおばさんになっていることは否定できない。
お弁当を食べながらのミーティングも、どこどこの新作ケーキがおいしいとか、そういう話題ばかり。(実は、試食会もやるし、たまに、試飲会もあるのだ)
JINSEI STORIESはぼくのブログ的な要素が強いけれど、そのほかのコーナーは海外で生きる主婦たちからの提案で溢れており、もはや、ぼくひとりのサイトではなくなってしまった。(PV数は秘密だが、一昨年くらいから数百万を超えて、大台まであと1歩!)
実は、フランス語版のデザインストーリーズも構想中、こちらは、おじさん仲間のやなさんが中心なのだ!!!(荒城の月のカヴァーをデザインしてくれました。感謝)
もっとも、大きくすることよりも、もう少し、みんなで楽しく膨らませていきたいなあ、と思っている。
参加したいという世界中の日本人主婦の皆さんが集まっている。集まれ~!!!
こんなに海外で頑張っている主婦がいるのだ、と驚くばかりである。父ちゃんも頑張っているけれどね。

滞仏日記「主夫目線の父ちゃんが、仲間を集めて、発信したいこと」



昨日は、保護犬の会を日仏でやっているルミーさんを囲んでの会議もあり、ぼくも参加したのだけど、これは戦争に負けないくらい悲しい現実があるな、と痛感させられた。モノのように破棄されるペットたちに対して、デザインストーリーズで、海外でのわんちゃん、猫ちゃんたちの情報を日本に発信していかなければ、・・・。
たいしたことは出来ないけれど、海外で暮らす日本人の視線を通して見る感じる世界、この星で生きることの大切さを日本語の文章にしていければ、と思っている。

つづく。

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