JINSEI STORIES
退屈日記「子犬と暮らしだして、簡素化した辻家の食卓、父ちゃんの一工夫」 Posted on 2022/01/30 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、子犬が我が家にやってきて、いろいろと変化があったが、大きく影響を受けたのが日常のぼくら人間側の食事だった。(子犬はドッグフードなので、缶から取り出して与えればいいので、助かる)
子犬の世話に時間が割かれた分、手の込んだ料理に時間が回らず、その結果、大量に作って、食べたい時に、サクっと食べられる料理が主流となった。
それはそれで楽しい合宿のような気分になったし、息子も簡素な食事になっても、もちろん、理解してくれている。
特に、「食べるスープ」的な、具だくさんスープとバゲットさえあれば、栄養価も高いし、ランチとかであれば十分・・・。
もしも残ったら、工夫して、カレーに持ち込む寝技も繰り出せる。
育ち盛りの息子にはクリームシチューを大量に作って、タリアテッレとかバスマティライスなどを添えて出してやった。
たまに食べたくなるクリームシチュー!!!
「美味しい美味しい」
と息子くん。
※ クリームシチューと書きましたが、正式名称は「ブランケット・ド・ヴォー」になります。
子犬の三四郎には、ブリーダーさん推薦の子羊のドッグフード一辺倒で、とりあえず、他のものは与えない予定だ。長生きしてほしいからね。
犬には消化できない人間の食べ物(たまねぎ)とかがあるようだから、ぼくらが食べるものは与えないことにしている。
ペット用品専用ショップで買った「サーモンとチキンのおやつ」が好評なので、おしっことかうんちとかがちゃんと出来た時に、ご褒美として、与えている。
そのおかげか、最近は100%の命中率、毎回、おやつをゲットしている三四郎!
三四郎も辻家での生活にちょっと慣れてきたこともあり、(まだ一週間しか経ってないとは思えない濃厚な時間が流れた)、ぼくにも余裕が出てきたので、そういう時は、冷蔵庫の残り物を工夫して、パスタを作って食べている。
パスタは茹でて絡めればいいので時短には最適、あと、息子が餃子好きなので、大量の餃子を作った。一部は冷凍をして(焼く前に冷凍してください)、付け合わせに食べるのにも最適なのである。
昨日は、ちょっと栄養を息子に与えないとならないので、「ガッツだぜ」カツ丼を作った。
※ なんだかんだ言いながら、結構、手のこんだもの、作ってんな、おいら。えへへ。食いしん坊だからね・・・。
一番の問題は、スーパーにはさすがに犬を連れていけないから、そこが今の問題となっている。
息子がいる時間にちょっと遊んで貰って、近くのスーパーで大急ぎで買い物していたけれど、だんだん、彼も慣れてきたので、昨日は一人でお留守番をさせてみた。
小一時間の買い物なら、吠えずに待っていてくれるようになったかな・・・。
鳴いてないか、家の前で数分様子をみたりした限りでは、大丈夫そうで、これから少しずつ、ぼくに時間が戻ってきそうな予感である。
受験生と子犬という二つのビッグプロジェクトを抱えた父ちゃん、彼らを育て上げるのに、少なくとも息子の大学受験が終わる初夏までは、臨戦態勢が続く。
日本への帰国はもうずいぶんと実現していないけど、今年の夏には、オミクロン次第だけど、一度は戻りたいなぁ、と心の中でうっすら考えている。三四郎をどうするか、という新たな問題もあるが・・・。
先日、日記で紹介したニース風スープ(スープ・オ・ピストゥ)などは、栄養価もかなり高いし、夏野菜でも対応可能。腹持ちもいい。
これも、タリアテッレや生パスタ麺との組み合わせが美味しいので、そういう料理をどんどん工夫して、乗り切っていきたい。
さて、今日は、サーモンのラザニアを作ろうと思う。
これも大量に作れるので、残ったら、翌日くらいまで美味しく食べることが出来る。
ひゃっほー。
つづく。