JINSEI STORIES
退屈日「毎日の息子飯、冷戦下でも、がっつし飯を作り続ける毎日」 Posted on 2021/11/29 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、携帯を覗くと、毎日の料理が並んでいる。
よく撮影出来たものはインスタにあげるのだけど、毎日、毎食、インスタ用に撮ってるわけではないので、携帯の画像のところには、結構、いい加減な写真がずらりと並んでいる。
しかし、これはこれで、いいなぁ、と思うのだ。
人に見せることを意識していない、毎日、ちゃちゃちゃっと作った父ちゃんのその場勝負の毎日ごはん・・・。
毎日のこだからこその、愛情がそこには感じられるけど、会話もない父子関係であろうと、息子の舌にこの美味しさは間違いなく宿っているはずで、ふふふ、つまり、父ちゃんは余裕のよっちゃんなのである。
※ オクラのタイ風イエローカレーだね
※ これは牛のステーキにソースが、地球カレッジで作ったオニオンスープにカレー粉入れただけだけど、めっちゃ旨かった。ジャガイモはフライパンで揚げ焼き。フヌイユシードとタイムで香りづけ・・・。
玉ねぎ、鶏肉、ほうれん草のクリームパスタ。平面で作りました。
※ めっちゃ急いでいたので、瓶詰のジェノベーゼを使ったクリーム系のパスタ。鳥ハム載せて・・・。手抜き感、半端ないね、
((´∀`))ケラケラ
※ これはたった今、作った普通のチャーハン。母さんがぼくが中学の時に作ってくれていた、ベーコンと卵と玉ねぎの胡椒炒飯、実は、これが一番うまい!!! アジアマーケットの冷凍庫に日本のシャウエッセンを見つけたので、買っといたもの、それを茹でて添えた。もちろん、完食!!!! 会話はないけど、完食の皿を見て、父ちゃんは「どや顔」なり。
最近は一緒に食べることはしなくなった。
ごはんを作ったら、ノックして、ご飯だよー、とは言うけど、あとはほったらかし。
一緒に食べる仲良しなイメージはもう、とっくに、ない。
ぼくは息子が食べ終わった後、寝る前に、ちょっとチーズとパンとワインで済ませることが多くなった。
家庭内別居みたいな冷戦期の辻家ではあるけど、長い歴史があるから、ま、大丈夫だろう。
ともかく、今は受験に向かう息子がひもじい思いをしないよう、しっかりと食べさせることがぼくの一番の仕事なのである。
えへへ。
つづく。
※ やっぱ、ラザーニャは最強ですね。気分があがるから、たまに作るといいですよ!!!!