JINSEI STORIES

リサイクル日記「ちょっと凹んでますが、大丈夫だから、がんばりましょう。なぜなら!」 Posted on 2023/02/08 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、人間、生きていると、あっちこっちから、あるいは思わぬところから、「え、そう来たか」というような矢が飛んでくるのである。
ぼくは仕事が表現だからか、それとも、ぼくがこういう性格だからか、本当に、思わぬところから、それも身内とかから、バカでかい鉄砲の玉が飛んでくることが結構あるある。
普通の人間だったら、即死みたいな感じなのだろうけど、なんでか、ぼくは生きながらえている。☜しぶとい・・・。
昨日だけで、小さな矢も数発飛んできたし、めっちゃ大きな大砲の玉も飛んできて、ぶっ飛ばされかけた。あはは・・・。
やれやれ。自分を励ます天才だけど、時々、手ごわい相手もやってくる。

リサイクル日記「ちょっと凹んでますが、大丈夫だから、がんばりましょう。なぜなら!」



でも、それが人生というものだから、いちいち愚痴ってもしょうがない。
落ち込んでいる中で、決してしちゃいけないのは、むやみやたら自分の非を認めることだ。
敵は批判しているわけだから、それを聞いてやったら、そのあとは、自分が間違えてないと思うなら、その批判を踏んずけてやればいい。
他人にとやかく言われる筋合いはないし、自分の基準でしかものを言えない人間の意見に振り回されるのは、実に、おろかである。
それが身内であろうと、一緒だ。
礼儀のない、恩義のない人間はもう相手にするな。ほっときゃ忘れる。
相手にするから、結局、こういう面倒くさい報復を受けるのだ。ふざけるなよ、何もわかってないくせに、で終わらせたらいい。
ただし、そのことを相手にぶつけないのが、大人の対応というものであーる。
自分の中で消化させ、もう、かかわるな。
一生は一度しかない。
遠くから、応援してやればいい。さようなら。
それが最後のやさしさである。

リサイクル日記「ちょっと凹んでますが、大丈夫だから、がんばりましょう。なぜなら!」



とにかく、人間はミーハーで、自分のことを棚に上げるのが得意で、噂や陰口の天才だから、それとかかわるのは時間の無駄。
自分以外は、たとえ、親でも、自分とは違う考えを持ってる別個体と思え。
同時に、別個体へのリスペクトを欠かさないことだ。
だから、近くにいる人間に批判されたら、一度は受け止め、そのあとは、ほっとけ。
人間、いろいろと言われるから必ず、傷つくのだけど、ぼくは「傷ついてもいいから、3秒で立ち直れ」がポリシーなのである。
3秒は実際無理だけど、一晩で、回復させるくらいの速さが大事なのだ。
くだらないことは引きずるな、ということである。
だいたい、そんなの相手にしている暇などない。
「死んだら、そこまでなんだから、生き切れ、好きなように」
いつまでも、そんなこと引きずってるのは愚か者だし、ぐずぐずしていると、あっという間に人生が終わってしまう。
やせ我慢じゃなく、バカにされたら、そのくらいの気合で乗り越えていこう、という話しなのだ。

リサイクル日記「ちょっと凹んでますが、大丈夫だから、がんばりましょう。なぜなら!」



「辻さん、どうしちゃったの? 誰に裏切られたの?」
いやいや、これは譬えなのである。
人生というのはこういうことの繰り返しだから、同じような気持ちを抱えて、悶々とされている人がいるなら、それは無駄だし、一年後の自分には笑い話かもよ、と思って、一緒に3秒後に起き上がりましょう。
えい、やっ!!!
ばかばかしい、さっさと起きあがってほかのことをやろう、と思う方が実に建設的である。

しかし、ぼくは同時に、腹を立てるのが好きな人間で、この怒りというのは、実際、エネルギーにもなる。
本当に申し訳ないと思う時は頭を下げるけれど、不条理だな、という時は絶対下げずに、怒ればいい。
そして、ずっと怒っている。
怒ると若返るようなところがあって、負けず嫌いだからか、ぼくのような人間は、逆に、奮起するのだ。
怒る→奮起→自分に勝つ→エネルギーが出る→若返る、の法則。
でも、いつまでも怒ってると、自分は結局、そいつらに負けてるということにもなるから、一時、怒ったら、さっさと、やめた方がいい。
怒るだけ無駄、という言葉があるけど、それは正論で、怒りで目が覚めたら、そのエネルギーを自分の目標に注ぎ込む。
自分がうまくいけば、バカにされたことなんて、屁とも思わなくなるだろう。
さようなら・・・。

リサイクル日記「ちょっと凹んでますが、大丈夫だから、がんばりましょう。なぜなら!」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
とにかく、今日、ぼくが言いたいことは、あの人は味方です、あの人は敵です、とか、そういう区分は愚かだから捨てたほうがいい、ということなのです。
味方はすぐに敵になるし、敵はぼくのことが気になる暇人だと思っておくこと。
どっちも、実はあまり重要ではありません。
味方でも敵でもないけど、常に励ましてくれる人は大事にしておいた方がいいかもね・・・。
人生は長い、時には、遠くを見て歩いていきましょう。

さて、父ちゃんからのお知らせです。
NHK・BSの「パリごはん」新作の放送日が近づいておりますよ。ぼくが噂で聞いた限りですけど、監督の義和さんは出来栄えに興奮をしているそうです。あの、撮影をしたのはぼくなんですけどね、あはは。でも、愉しみですね。放送時間はこちら。
「辻仁成のパリごはん 2022年秋冬」(59分) 放送時間のお知らせです。
2023/2/17(金)後10:00~10:59【BSプレミアム・4K同時】
2023/2/21(火)後5:00~5:59【BS4K】※再放送
2023/2/21(火)後11:00~11:59【BSプレミアム】※再放送
さらに、
●「ボンジュール!辻仁成のパリごはん2022夏」の再放送が決まりました。
【NHK BSプレミアム】 2月12日(日)12:30〜13:29
(初回放送 2022年9月23日)

 

地球カレッジ

リサイクル日記「ちょっと凹んでますが、大丈夫だから、がんばりましょう。なぜなら!」

さて、父ちゃんの5月29日のオランピア劇場でのライブ、直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。FNAC(フナック)でも買えます。

https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/

フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、

https://www.jalpak.fr/optionaltour/tsujiconcert/



自分流×帝京大学