JINSEI STORIES

退屈日記「速報・ボンジュール、辻仁成の秋のパリごはん、ついに撮影開始!!」 Posted on 2021/09/09 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ついに、というか、自分でも何で引き受けたのか、悩むところではあるのだが、NHK・BS「ボンジュール、辻仁成の春のパリごはん」の続編とでもいうべき、秋ごはん編の撮影が開始されてしまったのである。
春ごはんがどんなに大変だったのか、自分が一番知っているはずなのに、出たがりというのか、寂しがり屋というのか、周囲に説得され、とくにあの、制作会社社長Lさんの強引というか上手な誘導、
「辻さん、NHK内でも大好評で、視聴者の皆さんの反響も大きくて、秋は食欲の秋ですし、秋編を作りましょう、ということになりました」
にのった父ちゃん、引き受けたのだけど、若干、後悔はしていた・・・。
というのは、前回は4か月の撮影時間があり、コツコツと撮影が出来たのだけど、今回は約、一か月ちょっとという短い撮影期間しかない。しかし、引き受けた以上、前作を上回る内容にしたい、と小さく燃えている父ちゃんでもあった。

退屈日記「速報・ボンジュール、辻仁成の秋のパリごはん、ついに撮影開始!!」

退屈日記「速報・ボンジュール、辻仁成の秋のパリごはん、ついに撮影開始!!」



そこで、今回の大きなテーマは「家族」ということにしたいと思っているのだ。
コロナ禍の収束がなかなか見えてこないこの長い戦いの中にあるフランスで、家族はどうやって(辻家の成員は息子とぼくの2人組だけど、笑)、人間らしさを保つために生きているのか、辻家を中心として、ぼくの仲間たち、知り合いのフランス人家族の日常を覗きながら、そこには当然美味しい料理があるわけで、そして、ぼくは高らかに歌いながら、作っては食べて、人間賛歌というか、果敢に生きる家族とその愛を追求する一時間の物語にしたいなぁ、と思っている。
もちろん、ドキュメンタリーなので、思った通りにいかないのはご愛敬。
大きな裏テーマにイタリア語で恐縮だが「カンターレ・マンジャーレ(食べて、歌え)」を置き、パリで異邦人として生きる還暦ごえ日本の父ちゃんの子育てと愛と苦悩を追いかけられたら、と思うとるのである。
個人的には、老後の楽しみ、として・・・。((´∀`))ケラケラ

退屈日記「速報・ボンジュール、辻仁成の秋のパリごはん、ついに撮影開始!!」

地球カレッジ

退屈日記「速報・ボンジュール、辻仁成の秋のパリごはん、ついに撮影開始!!」



しかし、手ごわい相手は、制作会社社長のLさんで、いきなり、ZOOM会議で切れまくった父ちゃん。
理想の高い要求に、そんなの無理だよー、いいですか、ぼくひとりで自撮り撮影なんだから、と最初からへそを曲げて、喧々諤々ながら、周囲をはらはらさせての船出となった。
でも、前回もそうだったように、強引なLさんの押しの強さが、この番組のいい部分をひきだしているのは事実で、謙虚に意見は意見として聞きながら、勝手にどんどん撮影をしていく所存であーる。
編集を担当される西山ディレクターとその奥さまの恵子さんが、心の支え、かな。はい。

退屈日記「速報・ボンジュール、辻仁成の秋のパリごはん、ついに撮影開始!!」



前回は、たまたまセーヌ川ツアー&ライブがあり、Lさんは最後までその場面は必要ない、とおっしゃられていたのだけど、実際のセーヌ川ライブを見た途端に、反旗を翻し(意味間違えてますね)、ラヴィアンローズ(バラ色の人生)とエッフェル塔にやられたので、映像使わせてください、と言い出す始末で、映像使用料の支払いはないまま、それまであんなに喧々諤々したのに、ころっと意見がかわったのは、ぼくらの歌と演奏が良かったからだろう、といい方にとらえた、スーパーポジティブ父ちゃんであった。
で、今回は、10月4日に「パリ市内バスツアー&ライブ」をやるとお伝えしたら、一切、反対をしなかった。シャンゼリゼ大通りで、おー、シャンゼリゼを歌うんだ、と言ったら、ZOOM画面の中で笑顔になったLさん、可愛いところもある。
Lさんを少しずつ制圧中の父ちゃん、人心掌握術というのか、「敵を味方にしてこその勝利」という自身の座右の銘を実践して、取り組む所存であーる。

退屈日記「速報・ボンジュール、辻仁成の秋のパリごはん、ついに撮影開始!!」



しかし、ようは、カンターレ・マンジャーレなので、美味しいものを作って食べて、気の合った最高の仲間たちと楽しくパリで歌って、苦しい日々を忘れて、未来へ繋げていこうじゃないか、という番組にできればいいなぁ、と思っているのだ。
皆さん、応援のほど、よろしくお願いいたします。老体に鞭打って、頑張りたいと思うとりまする。

そして、編集部からのお知らせです。
*2021年10月4日は、

地球カレッジ一周年記念、第2弾!パリ市内大型オープンバス・ツアー&ライブ

「シャンゼリゼ大通りで、オーシャンゼリゼを大合唱!」


このツアー&ライブに参加されたいみなさまはこちらから、どうぞ

チケットのご購入はこちらから

この素晴らしいシャンゼリゼを、バスの上の高い場所から、独り占めしましょう!!
 



自分流×帝京大学
新世代賞作品募集