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退屈日記「最近、ぼくの食生活の変化。レバノン料理でヘルシーを目指す」 Posted on 2021/08/13 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、最近、やせた理由の一つに肉食から野菜を中心にしたサラダ的な食生活にシフトしたことがあげられる。
まったくお肉を食べないというのではない。好んで肉を選ばない、という感じなのだ。
サラダを中心にした生活に食生活を変えたことで、変な話し、身体の匂いが消えた。
もともと汗かきじゃないので、そんなに動物匂のある方じゃなかったけど、最近はほんとうに何にも匂わない。笑。
野菜が、体調を整えてくれているような感じである。
お肉は、アクセントとして、鶏肉とか豚の細切れとか牛のひき肉などを使う程度で、決してメインでは、ぼくは、食べないようにしている。育ち盛りの息子には肉類が必要なので、作るには作るけれど・・・。
しかし、その息子も最近、お肉はいらないと言い出したので、辻家の流行りなのかもしれない。
その代わり、サラダに凝っている。辻家のサラダ記念日なのだ。

退屈日記「最近、ぼくの食生活の変化。レバノン料理でヘルシーを目指す」



サラダに目覚めたのは、レバノン人が経営するレストランに通うようになってからじゃないかと思う。
レバノンというとカルロス・ゴーンさんを思い出すけど、笑、カルロスさんのことは脇に置いといて、・・・レバノン人は純朴で、優しい人が多いのだ。温かい人が多い。
彼らはパセリをよく食べる。その量は半端なく、どこのレストランに行っても、どかっとパセリが出てくる。
メッツェとよばれる野菜の前菜の盛り合わせというのがあり、これが本当によくできている。
茄子とか、ひよこ豆のペーストがクリーミーで超おいしい。これをピタパンに塗って食べる。この辺は、鉄板メニュー。
ひよこ豆のコロッケ、ほうれん草の揚げ餃子みたいなものがお皿いっぱいに並べられて出てくるのだけど、どれも、健康的な味しかしない。
ちなみに、これがメッツェになる。色とりどりで、美味しそうじゃないか!!!

退屈日記「最近、ぼくの食生活の変化。レバノン料理でヘルシーを目指す」



中東の人たちは豚肉は食べないので、肉類は、鶏肉や羊肉がメインになる。
重たくないので、野菜と組み合わせて、動物性のものを食べたい時に、アクセントとしてちょっとつまむ、笑。
野菜とこのお肉をセットとして組み合わせたチャワマというプレートが、おススメである。
ちなみに、チャワマの写真はこちら。これは焼き鳥付き・・・。笑。

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でも、ぼくのような胃袋の小さい人間にはメッツェだけで十分だ。
あと、お菓子も意外においしいのだけど、ピスタチオのボウロみたいなものにハロアという植物の根っこで作った白く甘いソースをつけて食べるネテフ(NETEF)は、ぼくの好物・・・。
ハロアのクリームソースは今まで一度も経験したことがないとろみのあるクリームで、野菜の根っこというのが、すごい。
世界は広いなぁ、と驚かされる。
しかし、レバノン料理からはじまったぼくのサラダ生活、これは本当におススメしたい。中から自分を変えるのに野菜は最高。
世界中のサラダに目を向けてこれからも発信をしていきたい。
ぼくは真剣に、野菜と向き合う気持ちになっているのだ。野菜万歳! 
レバノン料理、日本にもあると思うので、ぜひ、この味を体験してもらい、野菜生活のアイデアを掴んでもらいたい。

つづく。

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