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滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」 Posted on 2021/05/11 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、一昨日田舎からパリに戻り、地球カレッジの生配信をやって、今日、セーヌ川クルーズライブに向けて家でピアニストのエリックと練習をやり、その足で、再び田舎に向かうのだけど、その前にぼくにはやらなければならないことがあった。
ぼくが不在中の息子の食料を買わなければならない。基本、息子は自炊が出来るのだけど、今、受験生だし、毎回作らせるのはかわいそうなので、ぼくは以下の3点を冷蔵庫に補充してから、いつもパリを離れるのである。
1,日持ちする生野菜など
2,作り置きカレーとか煮物を作って、冷凍保存
3,市販のチルド食品&冷凍食品
を日数分より少し大目に用意し、冷蔵庫にぶちこんでおくのである。
現在、息子の学校は、午前中だけ授業があり、昼前に戻ってくる。給食はない。だから、朝、昼、夕食の三食を家で食べることになる。
午後はリモート授業がだいたい毎日、夕方の18時くらいまであるので、自炊させるのはちょっと可愛そうだ。
だから、ウイークデイはご飯を作る暇もないのが現状なので、ぼくが作り置きした冷凍の料理を解凍するか、チルド食品をチンして食べることになるのだけど、このチルド食品がフランスはかなり充実している。
※冷凍食品もかなり充実している。日本に展開してる「ピカール」などが有名だ。
さて、今回、ぼくが選んだチルド食品&冷凍食品はこのような布陣になる。

滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」



ぼくと息子はもうずっと二人で暮らしてきた。彼は来年、(フランスにおける)成人だから、こうやって少しずつ離れていくのは自立するうえでもいいことなのである。息子は小学生の頃から日仏を一人で移動できるくらいの超自立型人間だったので、一人暮らしはぜんぜん、苦じゃないようだ。きっとぼくに内緒で友人やガールフレンドを家に招いているのじゃないか、と思うのだけど、そこはもう自己責任ということにしている。
ぼくもワクチンの接種が出来たし、息子も18歳になれば接種することになるので、コロナに対しても去年の今頃よりは怖くなくなってきた。
ということで、ちょっと今回買い揃えたチルド食品を一つ一つ、ご紹介したい。食べたことがあるものもあれば、未経験のものもある。

滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

これはクロックムッシュが二つ入っている。
真ん中にバターらしきものがあって、フライパンで直接焼くのだけど、かなりおいしい。息子の好物の一つ。昼とかはこれと、生野菜で済ませているようだ。



滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

これはクスクスだけど、侮れないうまさ。ビニール詰めなので、沸騰したお湯に入れて温めて食べるのだが、チルドか、と驚く味であった。よく考えたら、ビニールの中で漬けているあいだに、味が普段よりも染みるのだろう。悪くない。
※左下にABCDランクが付いているけど、どうもこれが食品の何かの基準における評価のようで、このクスクスはBと表示されている。あまり気にしたことはない。笑。

地球カレッジ

滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

これはニョッキなのだけど、フライパンで焼いて食べるようの「焼きニョッキ」で、しかも、これは最新版のチーズ入り。いや、これ、ビールのつまみとかに最高なんであーる。ぼくは醤油とバターで作る。もちもちした感じが日本のおやじにはたまりません。



滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

インド系がやはり充実しているし、味もいい。これはティカ・マサラだが、バター・チキンなどもおいしい。このメーカーははじめて試すけど、インド系は滅多に外れないので、とりあえず、スーパーの一押しを買う。二つ買うと二つ目は半額というのがフランスの流行りなので、もれなく二つ買います。はい。

滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

フランス人はサーモンが好きでね。それもクリーム系のサーモン&サフランライスみたいなものがヒットしている。※ よく読んだら、マスタード風味のソースがけサーモンで、お米はバスマティ米、小さな野菜入りと書いてあった。



滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

もう、これ系のランチボックスは若い会社員たちの定番チルド食品で、ぼくは好んで食べることはないのだけど、若者には大人気。安いし、量があるので、引っ張りだこという印象であーる。

滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

日本の餃子も頑張っているのだ。日本の冷凍餃子が一番おいしいけど、最近は韓国製、中国製も出ていて、競っている。でも、やっぱり日本製は大人気である。



ということで、さすがチルド&冷凍食品王国のフランスである。正直、言って、下手なカフェで食べるより、美味しい、一皿もある。あるいは、ちょっと手を加えることで味がぐんとよくなるのは、基礎がしっかりしているからであろう。17歳までほぼ、全食、手作りで栄養価を考え育ててきた。自慢ではないけど、息子は病気をしたことがない。虫歯にもなったことがないのである。食べ物だけは丁寧に作って、丁寧に与えてきたので、少しくらい、出来合いのものを食べても問題ないし、むしろ、ここからは自己責任で食べることを選んでいってもらいたい。※最近、彼は肉を嫌うようになったので、野菜と魚ばかり食べるようになった。それはそれでいいことだと思う。
さて、食材を揃えたので、ぼくはこれから再び田舎を目指すことにする。



滞仏日記「毎回、ぼくがパリを離れる時に用意する一週間分の息子の食糧」

自分流×帝京大学