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リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」 Posted on 2023/01/15 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、フランス人って、とにかく、食事の〆は甘いものが必要なのである。
渡仏間もないころ、どこに招かれても、誰かと食事に行っても、みんな必ずデザートを食べていて、これこそがフランス人のスタイルなんだ、と思ったものだ。
あれから20年近く経つけど、デザートを食べないフランス人にはやはりめったに会わない。
だから、同時にケーキ屋とかチョコレート屋の多いこと。
どこのパン屋にもだいたいケーキコーナーがある。
つまり、フランス人にとって、ケーキは必需品なのである。
ロックダウンの最中であろうと、必需品店舗の営業は認められているフランス。当然、ケーキ屋は閉まらなかった。
逆を言えば、ケーキ屋が閉まっていたら、暴動が起きたかもしれない。笑。
ま、それは大げさだけど、いや、だからこそ、マジで、フランス人のケーキへそそぐ情熱はすさまじいのだ。
それは在仏20年選手のぼくにも少なからず、影響を与えている。

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

※ ご存じ、ラデュレのモンブラン!!!



そこで、今日は、ここ最近、食べたケーキの中で、印象に残ったケーキをご紹介したい。
それにしても、いやはや、よく、食べたものだ。

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

こちらは、アンジェリーナの新作、「モンソー」
生リクーム、キャラメル、チョコレートのバランスが絶妙です。

地球カレッジ

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

パリ最古のパティスリー、ストレーの「ババオーラム」1730年創業。ここのエクレアもかなり、おいしい。



リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

同じく、ここのフォレノワール。

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

これはね、笑、スーパーモノプリのパン屋で売ってる、クロワッサンなんだけど、やばいでしょ?

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

大好き、ユーゴ・エ・ビクトールの焼き菓子たち。



ということで、ぼくが今、パリで必ず足を向ける日本人ショコラティエのケーキ屋がある。
レトロワ・ショコラという右岸マレ地区のケーキ屋さんだ。
ここの「フォレノワール」が本当においしい。
フォレノワールといえばパン屋とかでも買えるいわゆる庶民的なフランス定番ケーキなのだけど、日本だと大福饅頭みたいな位置、しかし、ここのフォレノワールは全く別物。
薄いチョコレートの筒型の中には濃厚なチョコレートのガナッシュが、その中心に、グリオットのコンポート、キャラメルソースとグリオットのソースが入っているのだ!!!!
フォークが積もった雪に刺さるような感じで入る驚きと、底に敷き詰められたサブレのサクサク感、チョコクリームとのくちどけの妙、うーん、よそではなかなか味わえない美味さであった。
こういう新しい店を探し歩くのも、今はぼくの小さな生き甲斐なのである。えへへ。

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

これが、レトロワショコラのフォレノワール!!!

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

左がパティシエの翔君、真ん中が、オーナー・ショコラティエのエミコさん! ちょっと辻さん、これ持って、と言われて記念撮影。持って???? 持たされてカメラにおさまる、いい人、ただの。笑。

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

※ セバスチャン・ゴダール!!!

リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

※ アンジェリーナ!!!!



リサイクル日記「げんきになるためのパリ・ケーキライフ」

※おまけ、ヒトナリ・ツジー!!!!!

こちらは辻家定番自慢の、なんちゃってショートケーキ。スポンジが命。

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