JINSEI STORIES
退屈日記「雑感。ぼくは絶対コロナに罹らない自信がある。コロナから目を背けるな」 Posted on 2021/04/07 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、ブラジルの一日の死者が4000人を超えた。
世界の4人に1人がブラジルで毎日亡くなっている計算になるらしい。
3月から3000人を超えていたけど、4000人越えは、ちょっと想像できない数字で、感染者数はフランスとそんなに変わらないのに、死者がここまで出るのは医療体制や衛生環境の問題に加え、ブラジル政府、とくに大統領のずさんな判断の問題に由来する気がする。
それからブラジル由来の変異株の強さもあるのだろうか。
大阪で800人後半の感染者というニュースを読んだ。
東京が550人超えていたけど、欧州に比べると検査数がすくないので、この数字は本当の数字だろうか、とつい疑ってしまう。
日本に帰る予定だったから(来週、ライブの発表受けて航空券を解約することになる)PCR検査をどこでやるのかなど、色々調べたけど、「浜松町で2万円でやってくれるところがあり、そこが安いですよ」とか「辻さん、羽田だと3万円以上かかりますよ」とか日本の方に教えてもらったのだけど、無料じゃないんだ、だったら検査数限られるよね、と思った。※日進月歩、だんだん低価格で出来るようになっているみたいなので、無料になる日が早く来るといいですね。
欧州はだいたいどこも、街角の薬局前に検査テントが出ていて、保険カードをみせればどこでも無料で好きな時間に予約もなしで受けられる。
そのほかにもPCR検査場はいたるところにある。
フランスの田舎でも、お父さん、お母さんに手をひかれた幼いお子さんが列を作って、泣きながら、受けていた。
覗いたけど、資格を持った薬局の方が対応していた。
各ブロックに無料検査場がありみんな検査をしている。
検査はがんがんしているので、逆をいえば、フランスの数字はある程度正確な感染者の数字であろう。
ちなみにロックダウンの成果が出はじめているみたいで、パリ首都圏の感染者数に、じわじわと減じる兆しがみえてきた、らしい。
この感染症、特に変異株は感染力が強いので、ある程度、厳しくやらないとすぐに増える。
ただ、ぼくの印象だけど、脅されていた割には変異株とうまく付き合ってる感じもする。
ワクチンスタジアムが稼働開始したので、ぼくも6月ごろには打ちたいと思ってる。今はちょっとだけ様子を見ている感じかな、、
日本の場合、検査体制がちょっとわからない東京がぼくは大阪よりも心配。
やはりオリンピックがあるからか、ある時、不意に感染者数が一定になった。
今日、550人を超えたけど、ようは日本の場合、強制的にがんがん検査をしているわけじゃないので、ある程度症状が出て、検査したら、陽性でしたということだから、欧米に比べたらアジア人は総じて重症化率が少ないと言われているので、検査をしてない人の中に無症状者が多くいると思うべきかもしれないね。
ただ、ぼくが心配なのは、いずれ、変異株は日本人向けに変異する可能性も否定できないわけで、その時、何が起こるか、ということだ。
オリンピックをやればぜったい、変異株は侵入してくるから、どのような変異株が日本に出現するか、しないのか・・・、で流れが大きく変わるような気がする。
確かに、アジア人、アフリカ人は重症化する率が白人に比べると圧倒的に少ないけど、これが最後までこの状態かどうか、安心するには早い気がする。
新型コロナは本当に何考えてるのか、わからない恐ろしいウイルスで、PCR検査をすり抜けたり、ぼくらよりも上手なので、起こりうるあらゆる事態を想定して動くしかない。
水際間対策は今回のライブでの帰国を通して、いろいろ調べたところ、それなりに素晴らしい対応だと思った。
しかし、オリンピック選手関係者は例外になるらしいから、やはり夏以降、どう拡大するか、そのことがもっとも大きな気がかりでもある。
欧州は夏にはワクチン接種をすべての国民で終わらせるというから、今は危機的でも、多少光りが見えつつある。
日本はワクチン確保が間に合うのか、そこが、ちょっと気になるね。
世界中でワクチンが必要になっていることから、材料が足りなくなっているというニュースを昨日読んだ。
え? ワクチンの材料って何?、まさかコロナ? (笑)