某月某日、太陽浴びてないなぁ、と思ったら、お、快晴じゃん。
２０日からパリはセール期間に突入している。フランス語で「セール」のことを「ソルド」と呼ぶ。ＳＯＬＤＥＳ、と書く。
この時期、フランス人の財布のひもが一気に緩む時期だが、消費もコロナのせいで低迷しているので、ファッション業界はこのタイミングを逃すわけにはいかない。
どこの店も、デカデカと「ソルド！！！」の看板を店の前に掲げていた。
コロナ禍のせいで、心折れまくっていた父ちゃんだったが、晴れているし、気分転換は必要だ。いつまでも家の中でうじうじしているわけにはいかない。
最強マスクをつけて、買い物に出かけることになる。おお、太陽が眩しい～。春よ来い！！！

何といっても、フランスのセールが凄いのは、昨日まで超高価な商品だったものが、ソルドになった途端、３０％、４０％、５０％、いやいや、７０％引きにまでなってしまう。
普通の値段で買うのが馬鹿らしくなるくらい、どこもかしこも安い。
ということで、この時期しか買わないようになった。(夏にもソルドがあるけど、やっぱり１月２０日からの冬ソルドの方が品揃えがいい、気がする)

今年はコロナ不況だからか、７０％引きの店も結構ある。
７０％引きとは、１００００円の商品が３０００円ということだ。１０万円が３万円。１０００円の商品だと３００円になってしまう。持ってけ泥棒期間と言える。
渡仏したばかりの頃、セールの前日に、欲しいブランドを物色してまわり、残っているものを予めチェックしてから、開店前に並んで、開店と同時に突っ込んで買い漁る、人が回りに結構いた。え？　いやいや、さすがに父ちゃんはそんなことしないっす。マジで、ない。いや、ええと、一度くらいあったかも、二度？　えへへ。

ところが、今年はやはりコロナだからか、海外からの観光客が少ない。だからかな、いつもの覇気がない。
セール期間中なのに、どこもけっこう、商品も余っているし、余裕がある。
ただ、中国の人は多かった。観光客さんなのかなぁ…。
若い人が大きな袋を抱えて、行き交っている。
それこそ、ぼくがフランスで暮らし始めた頃には、アジア人といえば、日本の人ばかりだったけど、今回は、日本語は聞こえてこなかった。
ちょっと寂しい父ちゃん。
コロナが落ち着いたら、皆さん、また、遊びに来てね～。

サンジェルマン・デ・プレ界隈にはブランドショップが結構並んでいる。
デパートはどこもそれなりに人がいるのだけど、路面店はセールだというのにガラガラなところが多い。
しかし、逆に、感染したくないぼくのような者には、路面店の方がゆっくりと品物を選べるので、ありがたかったりもする。
実はぼくの服はほぼほぼ、レディースかユニセックスもの。そもそも、小柄だからメンズのサイズ感だと大きすぎるのである。
ママ友とかに、可愛い服だね、と言われるので、レディースだよ、と告げると、驚かれる。しかもサイズは、レディースでもXSかSなのだ。
結構、みんなに、どういう身体してんの、と笑われる。
でも、フランスの洋服って、ちょっとオーバーサイズめに作られているところが多いので、Mといっても日本だとLくらいのサイズ感。ぼくはだいたい、３４とかがちょうどいい。３６だとちょっとゆったりめって感じかな。えへへ。

で、今回、前から狙っていたのが、Chloéのブーツ。
５５５ユーロのハーフブーツだったが、これもレディースだったけど、５０％オフだったので、２７０ユーロでゲット～。どう？　かっこいいっしょ。

思えば、去年の３月のロックダウン以降、あまり出歩いてなかったので、当然、お金を使う機会もなかった。
だから、今日は、久々、お金を使うことが出来て、気分が上がった。
やっぱり、お金は回さないと、経済が終わってしまう。
ということで、今日は一日、青空の下、海外旅行初心者みたいな感じでパリ市内のあちこちを歩き回った父ちゃんであった。
ブーツ以外だと、他は、３８ユーロとか、２９ユーロとか、ブランドというよりも、生活必需品のインナーとかシャツとか部屋着的なものが多かった、かな。

家に帰って、さっそく試着をして、ファッションショーを楽しんだ父ちゃん。
やっぱり、コロナであろうと、着飾るのは楽しいね。
なので、脱がないで、そのまま料理をしていたら、夕方、息子が帰って来て、くすくす、後ろで笑っている。振り返って、なんだよ、と言ったら、
「今日、いいことあったね」
と言うではないか！
「まあね。…」
と気持ち悪いので、相手にせず、料理に戻った。
暫くすると、携帯に息子から着信あり。覗いたら、ぼくの後ろ姿の写真であった。
『５０％引きのパパ』と書かれてあった。えへへ。

※この恰好で、ゴミ捨てに出ないで、よかった。(;^_^A