JINSEI STORIES
父ちゃんの料理教室「トマトをくりぬいて、いろんなものを詰める料理」 Posted on 2024/07/29 辻 仁成 作家 パリ
まず、今日は最初に、トマトを湯剥きして作る簡単なサラダのレシピから。
とっても簡単なのであーる。
トマトのお尻、(ヘタの付いてない方)に包丁で浅く、十字の切れ目を付け、沸騰したお湯にぶちこみ、30秒くらいで引き揚げ、皮を湯剥きします。
で、ヘタのところを水平にカットし、スプーンで中身を抜き取り、そこに市販の丸いサイズの柔らかいブラータチーズ(もしくは、モッツアレラチーズ)をぼこっと埋め込み、サラダを持ったお皿の中心に、チーズが見えている方が下にして、置き、フラードセルや、オリーブオイルをかけたら、完成。
サラダはお好きな味付けに。
野菜はルッコラとか、クレソンとか、がいいね。
ナイフで割ると、中からブラータチーズが顔をだし、美味しい~、となるのじゃ。
さて、同じようにくりぬいたトマトに、ハンバーグの素みたいなものを詰め込んで、オーブンで焼くのを、トマト・ファルシというのだけれど、ご存じですよね。
これ、実に便利なので、父ちゃん風のおさらい! 笑。
大きなズッキーニをカットし、中をくりぬいて作ったこともある。
パプリカ、トマト、大根、マッシュルーム、シイタケ、キャベツ、白菜、詰めらる野菜なら、なんでも詰められるのじゃ。
しかし、一番、やはり美味しいのはトマトだった。
というのも、トマト・ファルシをオーブンで作ると、トマトの汁が肉汁と絡んで、自然に特製ソースが出来ちゃうからであーる。
ということで、今日は、トマトファルシとにんじんのグラッセを一緒に作ってみよう。お弁当に最高だし、お弁当じゃなくても彩りがきれいだから、これだけで立派なご馳走になる。
味付けも自由、辛くも、甘くも自由自在だから、やってみよう。お弁当箱に入れるから、今日はプティトマトを活用するよ。その方が彩りも賑やかになるからね。
まず、ボウルに豚ひき肉を入れ、赤ワイン、オリーブオイル、その他の調味料をすべて入れて良く混ぜ、半日ほど寝かせておく。(←大事)
次に、トマトのヘタの部分より少し下をカットし、ティースプーンで中身をくり抜かなければならない。
これは意外と楽しい作業になる。こういう地味な作業が父ちゃんは大好き。
トマトのエキスを少し残しておくこと。くりぬきながら、ちょっと汁感を残す、いいね、コツだ。
後で豚の肉汁と混ざってうまみが出るんだよ。
さて、トマトの中にひき肉のタネを詰めていく。
これもまた実に楽しい作業になる。小さなトマトの中に詰め込んでいくんだ。
グラタン皿に適量のオリーブオイル(分量外)を敷き、肉詰めされたプティトマトをきれいに整列させていく。
あらかじめ190度に予熱しておいたオーブンに入れ25〜30分焼く。
表面が微かに色づくくらいでOK。だよ。簡単だろ?
さあ、おまけに、付け合わせに最適、にんじんのグラッセもやっちゃおう。あはは。
にんじんは丸型でもシガレット型でもお好きな方をイメージしながら1cmの厚さにカットする。
面取りも忘れずに。この面取りも地味な作業になるけれど、グラッセが豊かになる。
角ばった人生より、丸まった柔らかさが美味しさを演出するというわけだ。
面倒くさがっちゃダメ。笑。
鍋に並べヒタヒタになるくらい水を入れ、バター、砂糖、コンソメを加えて煮る。水分が飛んできたら中火に。
にんじんの表面がうっすら焦げ目が出てきたら、はい、完成。
これをお弁当箱に詰めていくのだけど、どうです?
楽しいですよね?
トマトファルシ、材料
ミディートマト 8個(直径4cmくらいのもの)
豚ひき肉 150g
赤ワイン 大さじ1
オリーブオイル 大さじ1
生パセリ 少々
クミンパウダー 少々
にんにく 少々(みじん切り)
ナンプラー 少々
醤油 少々
タバスコ 少々
塩 少々
こしょう 少々
にんじんグラッセ、材料
にんじん 2本
バター 20g
砂糖 大さじ2
コンソメキューブ 1個