仏ブランド、ルイ・ヴィトンが、日本の美術作家・草間彌生氏とのコラボレーションに合わせて展開している巨大なインスタレーション。
1月にはパリやニューヨークといったファッションの中心地に巨大モニュメントが現れ、現地メディアでも随分と話題になった。
こうして多大なインパクトを残した草間彌生氏だが、3月2日（木）からはパリ1区にあるデパート「ラ・サマリテーヌ」の前に再び登場し、道行くパリジャンをあっと驚かせている。
 

 
今回のインスタレーションはルイ・ヴィトンと草間氏のコラボにより、今年初めよりパリ・東京・ニューヨーク・ロンドン等で展開されている。
そのためパリのルイ・ヴィトン各ショップは今も水玉模様でジャックされており、数あるハイブランドの中でも一際目立っているという印象だ。
パリではシャンゼリゼ通りにあるルイ・ヴィトン本店に草間氏の巨大モニュメントが1月11日より登場しており、すでに草間氏を知っているという人にもまだ知らないという人にも、強烈なインパクトを残す結果になった。
 

 
3月2日から始まった草間氏の巨大モニュメントは、2021年にリニューアルオープンした老舗デパート「ラ・サマリテーヌ」前の広場に設置された。
実はこのデパートのすぐ向かいには、移転したルイ・ヴィトン本社がある。
パリ1区のセーヌ川沿いに位置しており、ポン・ヌフを目前にエッフェル塔からノートルダム寺院まで見渡すことができる好立地だ。

そんな場所にある本社ビルについて、ルイ・ヴィトンCEOは昨年11月、将来的にブランド初のホテルと、世界最大の店舗を含む巨大複合施設を開業する計画を明らかにしている。
ルイ・ヴィトンホテルに関しては5年以内の開業を目指しており、複合施設は10年〜15年の工事期間を予定しているという。
さらにルイ・ヴィトンCEOは「パリの繁華街の元祖ともいえるこの地域の再興を目指している」と説明。将来的にはホテルや店舗だけでなく、住宅、カフェ・レストラン、文化施設のさらなる誘致を計画しているとした。
 

 
つまり今回現れた草間彌生氏の巨大モニュメントは、「ルイ・ヴィトンの計画に力添えしている」というコンセプトになっている。
モニュメントはビル5階建てくらいの高さであり、一体だけだが、その迫力はシャンゼリゼ本店のものに匹敵するほどだ。
 

※携帯カメラを向ける人が後を絶たない。パリのSNS上でもすでに大賑わいとなっている

 
ラ・サマリテーヌ店内では今、髪の毛を使った現代アート「Paris à Poil（s）」展が開催されている。
これは本物の髪と、人工の髪の毛を使ったかなり独特なアート作品なのだが、そんな奇抜なインスタレーションも草間彌生氏のモニュメントの前では霞んでしまうといった感想を持ってしまった。
 

 
またルイ・ヴィトン本店のウィンドウには、草間氏のリアルなロボットも再び登場。
巨大モニュメントに驚いた後は、こちらのロボットにもドッキリ、としたパリジャン・パリジェンヌが多かったようで、側では「これは誰？」「日本人みたい」といった会話も聞こえてきた。
 

 
草間彌生氏は以前より、フランスでよく知られた女性アーティストだった。
しかし今年初めから登場したこのモニュメントにより、その認知度は一気に増したと言わざるを得ない。
なお水玉模様の広告も各所に出現しており、今パリの街は草間彌生氏でジャックされている、といった様子だ。（る）