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パリ最新情報「忙しいパリジャンの平日ランチ。お昼に皆は何を食べている?」 Posted on 2023/10/17 Design Stories  

 
ワイン片手に、テラス席で同僚と優雅にランチ…とはならないのが、現代の忙しいパリジャンの実態だ。
以前、大きな会社には食堂が付き物だったが、コロナ禍以降、食堂を閉鎖する企業も少なくない。
それでは働くパリジャンは今、どんなランチを食べているのだろうか?
人気のイートイン&テイクアウトメニューを一挙ご紹介!!
 

パリ最新情報「忙しいパリジャンの平日ランチ。お昼に皆は何を食べている?」

 
フランスでは、ポケ丼が都会人の食生活を座巻するようになって数年経つ。
それもそのはず、フードデリバリーのアプリDeliveroo(ウーバーイーツのようなもの)の人気メニューでは、バーガーに続き2位を獲得。
ハワイから渡ってきたポケ丼はフランス語でもPokéと呼ばれており、ランチタイムにすっかり幅をきかせている。
国によってスタイルは違うものの、フランス流だと鯛やマグロのマリネ、ご飯、枝豆、紫キャベツ、アボガドなどが入っている。
ご飯の代わりにキヌアを入れてくれる所もあり、バランスよく栄養が摂れるメニューとして根強い人気だ。
 



パリ最新情報「忙しいパリジャンの平日ランチ。お昼に皆は何を食べている?」

 
パリでは美味しいレバノン料理が味わえる。
ベジタリアンが急増しているということもあり、野菜を中心としたレバノンメニューにますます注目が集まっている。
写真はピタパンを使ったファラフェルサンド。
安い・上手い・早いを実現した一品で、パリジャンにも大人気のテイクアウトメニューである。
主役はひよこ豆なので肉は入っていないのだが、満足度は抜群。パセリ&ミントサラダを添えれば身体も喜ぶ。
 



パリ最新情報「忙しいパリジャンの平日ランチ。お昼に皆は何を食べている?」

 
日本人シェフが活躍するパリでは、本格的な幕ノ内弁当を買うことができる。
パリの和食弁当はボリューミーなものが多いので、こちらは働き盛りの男性に人気。
和食好きなフランス人は箸の使い方も上手で、先に味噌汁に箸をつける、といった作法を熟知している人も。
舌の肥えているパリジャンは、お気に入りのお弁当屋さんを最低一つは押さえている。
ちなみに、フランスでは衛生面を理由に自分のデスクでランチを広げてはならないという決まりがある。
 

パリ最新情報「忙しいパリジャンの平日ランチ。お昼に皆は何を食べている?」

 
テイクアウトに比べれば頻度は少ないが、イートインのメニューで定番と言えばフランス料理のキッシュ。
ヴィーガンを除き、キッシュを嫌いなフランス人はいないと言っても過言ではない。
ほうれん草やサーモンがたっぷり入ったキッシュはフレンチママンの味であり、定期的に食べたくなるそうだ。
専門店も多くあり、前菜と合わせて価格はおよそ15ユーロ前後である。
 



パリ最新情報「忙しいパリジャンの平日ランチ。お昼に皆は何を食べている?」

 
健康志向の高いパリジェンヌのあいだで人気なのがイタリアンのサラダランチ。
売上がフランス産チーズより伸びているというモッツァレラがメインで、ペンネはほんの少し、下にはレタスが敷き詰められている。
フランスの定番ドレッシングであるヴィネグレットも付いている。
平日は炭水化物や脂質をできるだけ控え、土日に家族や友人とフルコースで自宅料理を楽しむという人は多い。
ただ、昔は無料だったバゲットが、最近は有料になったのがちょっと悲しいのだとか。
 

パリ最新情報「忙しいパリジャンの平日ランチ。お昼に皆は何を食べている?」

 
パリの食費は高くつく。
ランチの平均価格は13〜15ユーロ(約1690〜1950円)と、フランス人はどうしてそんなに高い食費を払えているのだろう?
実は、25人以上の従業員数を抱えるフランス企業は、昼食費の補助が法律で定められている。
食堂の設置かチケットレストラン(食券システム。上限は月およそ200ユーロ、会社は半額負担)の発行が義務であり、チケットに関してはレストランでもスーパーでも使える。
25人以下の企業でも食費補助を福利厚生として設けている会社があり、その場合は求人の際に優位となる。

食堂が減りつつある現在では、自宅や会社の休憩室でテイクアウトランチを楽しむ機会が本当に増えた。
言葉は古いが、夜の飲み二ケーションをしないフランス人にとっては、ランチタイムは同僚とおしゃべりを楽しむ大切なひと時でもある。ますます多国籍になる、パリのテイクアウト事情がいま面白い。(内)
 

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