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パリ最新情報「日本の『あの』アイテムがフランス人の心を掴む⁈コロナ禍が後押ししたバスルーム事情」 Posted on 2022/03/15 Design Stories  

 
フランスは魅力にあふれた国だ。
ただ、日本人がこの国を訪れた時に小さな不便を感じることがある。
それが、「お手洗い問題」だ。
フランスのみならず、ヨーロッパではお手洗い環境が日本のように整備されていないことが多い。
コンビニが存在しないので、外出先でトイレに行きたくなってもなかなか行けない。
お手洗いのためにカフェに行った、もしくはデパートまで遠出した、といった経験をした人も少なくないのではないだろうか。

しかし新型コロナウィルスの影響で、公共のお手洗いを使用することはフランスでも躊躇されるようになった。
そこで今、自宅のトイレを快適にする日本の「ウォシュレット」機能に注目が集まっているというのだ。
 

パリ最新情報「日本の『あの』アイテムがフランス人の心を掴む⁈コロナ禍が後押ししたバスルーム事情」



 
日本を訪れたことのないフランス人が抱く日本のイメージは、多くが和食や桜、神社仏閣、漫画やアニメといったものだ。
一方、日本を旅したフランス人の中には「トイレの快適さ」を挙げる人がとても多い。
何年か住んだ人であれば尚更で、フランスに帰国後わざわざ日本式のトイレを取り付けたという人もいる。

ただ、費用は高額だ。加えて日本とフランスの住宅構造の違いもある。
フランスのバスルームは一般的にトイレとシャワールーム、洗面台が一つにまとまっている。
日本のように独立したお手洗いを持つ家もあるが、数は少ない。
住宅の新築も活発ではないため、水漏れ問題も少なからず発生する。
バスルーム内での水漏れが十分に考えられるフランスの一般家庭では、ほとんどの場合、電源コンセントが洗面所の上部にあるのだ。

ということでウォシュレットに興味があるものの現実的には取り付けられないケースもあり、設置に成功した人は運よく電源が下の方にあったか、家のリフォーム時に大改造を行ったという人だった。
 

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出典:BOKUオフィシャルインスタグラムより

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そんな盲点をついたのが、パリのスタートアップ企業が提案する「BOKU」と呼ばれるエコトイレシステムである。
便座の脇に設置するタイプで、備え付けのホースを水栓に繋ぐとトイレタンクの水圧だけで動く仕組みになっている。
電気を消費しないため、コンセント問題も気にすることなく、バスルームの大掛かりな工事も必要ないとのことだ。

BOKUのエコトイレシステムは、パリジャンのウィリアム・モンタギュー氏が発案した。
彼は2020年の初回ロックダウン時に、人々がトイレットペーパーを買いにスーパーに殺到する姿を見てショックを受けたという。
トイレットペーパーは必需品だが、もっと節約する方法はないかと考え、日本のウォシュレットにヒントを得た。

事実、トイレットペーパーは1個作るのに178リットルの水が必要で、フランス人は平均して1人当たり年に120個も使っている。
新作のエコトイレシステムは紙の節約、電気の節約(従来の温水洗浄便座と比較して)にもなるといい、環境に負荷を与えないとした。

値段は119€(約1万5千円)で、BOKUが1台売れるごとにフランスに1本の木を植える環境保護活動も行う。
電気を必要としないので冷水ではあるが、そういったエコな一面がフランス人に受けた。
2021年12月にプレオーダーを開始したところ、当初は50台の目標だったのが予想をはるかに上回る4000件の注文が殺到したという。
4月からは本格的にオンラインで販売を開始し、フランスにおけるお手洗い周りの衛生面、快適性、エコ問題を解決していく。
 

パリ最新情報「日本の『あの』アイテムがフランス人の心を掴む⁈コロナ禍が後押ししたバスルーム事情」



 
フランスにどんどん広まる日本のウォシュレット機能。
コロナ禍はフランス人の衛生面の向上を促した。
まずは自宅から、清潔さとエコ活動を広げていく。(大)
 

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